本授業は、Tokyo Tech Winter Programの参加学生に提供される。授業では,日本語,日本企業,日本の研究所,日本科学技術史,日本のデザインの主に5つの観点から日本を学ぶ。
この授業を通して受講者は,上記の観点から日本について基本的な理解を深めると同時に,日本への関心を高め,自ら進んで日本について学んでいく意欲をもつことが期待される。
日本のデザインについての授業では,デザインとは何かを定義したあと,日本のデザインの特徴を事例から理解し,デザインを通じて日本人の価値観についての洞察を得る。
日本語の授業では,受講生は,1. 対人コミュニケーション理論を理解する。 2. 自らのコミュニケーションスタイルや価値観を分析し理解することができる。 3. 日本社会において,自らの考えや意見を、周囲の人に適切な方法で伝えることができるようになる。特に日本の学校教育における児童から体験的に日本文化と社会の仕組みについて学べるようになる。
日本の科学技術史の授業では,受講生は,19世紀以降の日本の科学技術分野での急速な発展を可能にした背景を理解する。
日本、コミュニケーション、留学生、異文化、日本語、日本文化、日本の科学技術史、日本企業、日本の研究所、日本のデザイン
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各授業の担当教員による。
日本語授業については、ペアもしくは3人程度の少人数グループに分かれて行う。前半に講義を行い、後半にグループワークを行い、話し合いの成果を発表する。学校訪問のための準備の提案,準備状況などを発表する。学校訪問を終えて,自分で得られたものについてレポートを提出する。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 日本のデザインの歴史的・現代的問題。 | レポートを提出する。 |
第2回 | 日本企業訪問(Nikon)。 | 東工大OBとの意見交換をする。 |
第3回 | コミュニケーション・非言語的コミュニケーション。 | 対人コミュニケーション理論を理解する。 |
第4回 | 価値観の相違と多様性: 日本の学校教育から学ぶもの。 | 自らの価値観を分析し理解することができる。日本の学校教育を体験することにより,文化の深層を学ぶ。 |
第5回 | 日本の科学技術史 ① 明治時代における日本の近代化と工業化。 | 参考文献に挙げられているMorris-Suzuki's 'The Technological Transformation of Japan, 1-142 (esp.71-104).を理解する。 |
第6回 | 日本の科学技術史 ② 第二次世界大戦期の核物理学研究を通じた近代研究体制の確立。 | 日本の物理学の研究体制確立における物理学者仁科芳雄の貢献を理解する。 |
第7回 | 学校訪問。 | 学校訪問を通して,日本の学制の実態・文化,国際交流・国際理解・思考方法の異なりなどを学ぶ。 |
第8回 | 学校訪問。 | 学校訪問を通して,児童に自分の文化を適切に伝える工夫を行う。需要的態度と自分自身の文化適応について考える。 |
第9回 | 福島再生可能エネルギー研究所訪問。 | レポートを提出する。 |
第10回 | 日本の科学技術史 ③ 日本科学技術史の中の東工大。 | 第二次世界大戦前後の日本の大学改革、特に高等工学教育と研究に関係する内容を理解する。 |
第11回 | 日本の科学技術史 ④ ルィセンコ論争を通してみる戦後の日本学界。 | 第二次大戦後の特異な状況下で、日本学界で展開したルィセンコ論争について理解する。 |
第12回 | 授業の成果報告と成績評価。 | 授業で学んだ内容を各自発表する。 |
ハンドアウトを配布する。
英語版シラバスを参照。
成績は合否で判定する。出席,レポート提出,および最終プレゼンテーションの内容から、総合的に合否を判定する。特に、ニコン訪問、小学校訪問、福島再生可能エネルギー研究所訪問、および最終報告会への参加は基本必須とする。
特になし