2016年度 環境・エネルギー学特論   Environment & Energy

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開講元
広域教養科目
担当教員名
伊原 学  吉川 邦夫  時松 宏治 
授業形態
講義
メディア利用
 
曜日・時限(講義室)
集中講義等   
クラス
-
科目コード
LAW.X320
単位数
3
開講年度
2016年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2016年1月11日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

このコースでは受講する留学生は日本のエネルギー・環境面における取組み、特に電源構成と廃棄物管理の技術と政策、新エネルギー開発として長年実施してきた電池を中心としてきた技術開発とスマートエネルギーシステムを理解する。講義では本学教員と外部教員とで技術面と社会経済面について解説する。このコースの最終目的は日本の努力を理解した上で、留学生の自国の努力と比較をし、自国の政策決定者に対して、講義および施設見学を通じて学んだことを基に、政策提言を行うとともに、学理に根ざした電池デバイスとシステムの開発、社会実装を理解することにある。

到達目標

学生は次のことを学ぶことができる。
- 日本のエネルギーと環境管理に関する努力(の根底)を理解する。
- 日本の努力を理解した上で、自国の政策決定者に政策提言を行うことができる。
- 日本で進められている先進の各種電池技術、エネルギーシステム技術を理解する。

実務経験のある教員等による授業科目等

-

キーワード

電力部門、廃棄物、エネルギーと環境技術、社会経済・政策
太陽電池、燃料電池、リチウムイオン蓄電池、スマートエネルギーシステム

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

電池を中心としたスマートエネルギーシステム開発の講義と、未利用資源開発を中心とした技術開発と政策の2本立てで行う。講義は並行して進められる。前者は15回、後者は7回で構成される。前者では太陽電池と燃料電池の電池材料や製造プロセス、システムとしての利用と統合について学理から実用までの詳細な取組みを紹介する。後者のうち最初の3回の授業では廃棄物の技術と政策の両面に焦点をおく。次いで施設見学において地方自治体(横浜市)の廃棄物処理場と民間企業の世界最先端のガス火力発電の実際の操業と技術調査を行う。その次の2回はエネルギー情勢、特に電力部門の説明を行う。最後に日本の努力を理解した上で、自国と比較を行い自国の政策決定者への政策提言、というのプレゼンを行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 本学における未利用エネルギーからの基礎研究、開発、実証、実用化 未利用エネルギーの技術開発を通じ、付加価値をつけて商用化するかを理解することができる。
第2回 廃棄物の管理技術:付加価値をつけるところからゴミ箱のデザインまで(仮) 廃棄物の管理技術を、理工学から心理学的な側面まで理解することができる。
第3回 日本における廃棄物の社会経済・政策 日本における廃棄物管理の社会経済・政策面の取り組みを理解することができる。
第4回 高効率火力発電と廃棄物処理施設の見学 日本の最新鋭の高効率ガス複合発電と、廃棄物管理・発電の技術を理解することができる。
第5回 日本のエネルギーと関連環境政策の概略 日本のエネルギー・環境政策の概略を理解することができる。
第6回 福島第一事故以降の電源計画と政策決定 福島第一事故以降の電源計画と政策決定の過程を理解することができる。
第7回 学生からのプレゼンテーション:日本の努力を踏まえた政策提言 上記6回の日本の取り組みに関する講義を踏まえて、出身国の政策決定者に対して政策提言を行うことができる。
第8回 本講義の全体像と狙い、および様々なエネルギーデバイスを統合するスマートエネルギーシステム(担当:伊原学教授/物質理工学院): 東工大大岡山キャンパスで実際に稼働している、太陽電池、燃料電池、ガスエンジン、蓄電池、各種空調を高効率に運転、制御し、電力のピークカットなどをおこなうスマートエネルギーシステム”エネスワロー”の開発について解説し、将来のエネルギーについて考察する。 本講義の全体像と狙い、およびスマートエネルギーシステムの一例を理解し、将来のエネルギーについて自分なりの意見を持つことができる。
第9回 固体高分子形燃料電池技術(担当:平井秀一郎教授/工学院): 燃料電池の電気化学的な仕組み、構成などを理解し、最新の研究などを紹介するとともに、今後の課題についても述べる。 燃料電池の構成・発電のメカニズムを理解し、要約して説明することができる。
第10回 固体高分子形燃料電池のための材料機能のシステム設計(担当:山口猛央教授/物質理工学院): 固体高分子形燃料電池は定置型および自動車用途で実用化が始まった。しかしながら、普及のためには材料から考え直さなければならない。本講義では、地球環境問題から始まり、燃料電池の役割、そのために必要な材料機能をつなげて考えることにより、新燃料電池材料設計の考え方、具体例を理解する。 固体高分子形燃料電池の材料設計に関する基本的考え方を理解し、要約して説明することができる。
第11回 高効率Cu(InGa)Se2薄膜太陽電池 (担当:山田明教授/工学院): 薄膜太陽電池の簡単な紹介を行ったのち,Cu(InGa)Se2の光学的・電気的特性を説明する。次に,薄膜の成長プロセスと太陽電池の作製方法について説明し,最後にCu(InGa)Se2薄膜太陽電池の特徴をまとめる。 太陽電池の科学と技術、Cu(InGa)Se2太陽電池の特徴を理解し、要約して説明することができる。
第12回 ヘテロ接合型結晶シリコン太陽電池 (担当:宮島晋介准教授/工学院): シリコンヘテロ接合太陽電池の基礎を学ぶ。その構造、材料および作製プロセスについて具体例を示して説明する。 従来型のシリコン太陽電池とシリコンヘテロ接合太陽電池の違い、シリコンヘテロ接合太陽電池のもっとも重要な長所は何かについて理解し、要約して説明できる。
第13回 太陽電池の新しい仲間たち ‐ 色素増感太陽電池とペロブスカイト太陽電池 (担当:和田雄二教授/物質理工学院): 色素増感太陽電池とペロブスカイト太陽電池は、太陽電池第3世代として捉えられ、単純な構造と低い製造コストにより注目されている。これらの太陽電池の構造と動作機構を材料化学ならびに電荷移動の観点から解説する。 第3世代の太陽電池の優れた点を他と比較を理解し、説明できる。
第14回 電気化学エネルギー貯蔵デバイス (担当:菅野了次教授/物質理工学院): 電気化学エネルギー貯蔵デバイスの基礎科学と応用技術について講述する。電池技術の概略を示したのち、幹を担う材料開拓、応機構解析、新デバイス開発について、実際の研究開発例を基に説明する。 電池技術の基礎および社会の要請を満たす未来のデバイス研究の方向性について理解し、説明できる。
第15回 電池材料としてのカーボンナノチューブ (担当:脇慶子准教授/物質理工学院): カーボンナノチューブは蓄電池材料としてアノードのみならず、カソードへの応用も注目されている。本講義では、カーボンナノチューブの電気化学特性を概論し、電池分野での先端研究を紹介する。 カーボンナノチューブの電気化学特性を学び、電池への応用の課題を理解し、説明できる。
第16回 太陽電池特別コース1(Prof. Fave, INSA de Lyon, Franceが講義をおこなう)-各国における太陽電池の開発状況、半導体物理の基礎 太陽電池の開発状況と半導体物理の基礎の概要を理解し、説明できる。
第17回 太陽電池特別コース2 (Prof. Faveが講義をおこなう)-太陽電池の基礎 太陽電池の基礎について理解し、説明できる。
第18回 太陽電池特別コース3 (Prof. Faveが講義をおこなう)- 太陽電池モジュールの製造方法 結晶シリコン太陽電池モジュールの製造方法について理解し、説明できる。
第19回 太陽電池特別コース4 (Prof. Faveが講義をおこなう)- シミュレーターを使った太陽電池の変換効率の試算 太陽電池の変換効率を試算するシミュレーター(PC1D)の使い方の概要を理解し、説明できる。
第20回 太陽電池特別コース5 (Prof. Faveが講義をおこなう)- 高効率太陽電池と次世代太陽電池 高効率太陽電池と次世代太陽電池に関する概要を理解し、説明できる。
第21回 太陽電池特別コース6 (Prof. Faveと伊原教授が共同で講義をおこなう)-太陽電池ビル(東工大環境エネルギーイノベーション棟)に設置された各種太陽電池を実際に見学 太陽電池ビル、東工大環境エネルギーイノベーションに設置されている太陽電池の概要を理解し、説明できる。
第22回 全体の総括 各々のテーマについて重要なポイントを説明できる。

教科書

なし

参考書、講義資料等

必要に応じてハンドアウトを用意する。関連する出版物としては下記のとおり。
* Economics of Waste Management in East Asia (Yamamoto and Hosoda, eds)
* Climate Change Mitigation: A Balanced Approach to Climate Change, Lecture Notes in Energy 4 (Yamaguchi eds)

成績評価の基準及び方法

(1) 講義中の簡単なクイズもしくは、レポート課題にて評価する。
(2) 講義に関する課題とプレゼンテーションにて評価する。

関連する科目

  • GEG.E404 : エネルギー・資源の有効利用技術
  • GEG.T413 : 感性計測概論
  • ENR.B501 : エネルギー経済・政策特別講義
  • ENR.A401 : エネルギー基礎学理第一
  • ENR.A402 : エネルギー基礎学理第二
  • ENR.A403 : エネルギーデバイス論第一
  • ENR.A404 : エネルギーデバイス論第二
  • ENR.A405 : エネルギーマテリアル論第一
  • ENR.A406 : エネルギーマテリアル論第二
  • ENR.A407 : エネルギーシステム論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

必要な知識は(必要最低限の)英語での意思伝達能力

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