本科目は、修了後に産業界やアカデミアでキャリアを構築していく際に大きく関わってくる社会やビジネスのルールについてその概要を理解する内容となっている。具体的には、法律、標準(規格)等の社会・ビジネスにおけるルールを俯瞰した上で、知的財産権(特許法、商標法、意匠法、著作権法)や標準(規格)などについてその概要を学ぶ。コンプライアンス、倫理、危機管理、SDGs(Sustainable Development Goals)についても事例を取り上げつつ履修する。
この科目のねらいは、多くの学生がこれまで必ずしも知る機会が少なかった、社会・ビジネスのルールについての概要を把握するとともに、技術を社会で生かしていく上でルールが密接に関係しており、実社会でキャリアを構築する際には、必要があれば積極的に大枠を理解する必要があることを理解することである。
本科目は、2Q(B1、B2)と3Q(C)に開講する。すべて内容は同一なので、学生自身の履修計画に合わせて選択することが望ましい。
本科目は、2021年度開講の「社会・ビジネスのルールと倫理」を科目名変更している。
本科目を履修することによって以下を修得する。
1)社会・ビジネスには様々なルールがあり、技術を実装する際にも大きく関わっていることを理解し、そのなかから自分の将来のキャリア構築に向けて参考になることを見出し、それに対する自らの考えを持つ。
2)実社会でキャリアを積んでいく際には、ルールを大枠で理解することが必要であることを理解し、そのなかから自分の将来のキャリア構築に向けて参考になることを見出し、それに対する自らの考えを持つ。
3)コンプライアンス、倫理、危機管理、SDGsについて理解し、そのなかから自分の将来のキャリア構築に向けて参考になることを見出し、それに対する自らの考えを持つ。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
---|---|
日本政府や公的機関、民間企業等で豊富な経験を持つ教員等が自らの経験に基づきこれまで業務で携わってきた各種のルール等について講義を行う。 |
ルール、法律、標準(規格)、コンプライアンス、危機管理、知的財産権、倫理、SDGs
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
授業はZOOMによりオンラインで実施する。授業では講師と履修学生の間で双方向性を確保することが重要なので、履修学生はリアルタイムで参加することが原則。
パワーポイントを使用し、実例や図表を多用して理解しやすい講義を行う。また、投票機能の活用や質問時間を設けることで履修学生からも積極的な発信を求める。
毎回の授業において課題を課し、レポートの作成・提出を求める。レポートは評価に反映させるとともに、履修生が、将来、自らのキャリアを構築していく上で読み直して参考にできる内容とする。また、提出されたレポートのなかで履修学生が共有すると参考になる内容については、後日、必要に応じて講師のコメントを付けた上でフィードバックを行う。
講師(順不同):
菅生繁男 (国研)産業技術総合研究所社会実装本部社会実装戦略部知財戦略室知財オフィサー
(元日本電気(株)中央研究所チーフパテントオフィサー))
西尾 拓 ライオン株式会社ものづくり革新本部管理部長
和泉 章 東京工業大学イノベーション人材養成機構特任教授(経済産業省職員)
※外部講師の都合により、講義順が入れ替わったり、授業内容が変更になることがある。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | イントロダクション、ルールを勉強する必要性【和泉 章】 | 世の中のルールの概要と事例として家庭用製品の安全に関する法律について理解し、自分の将来のキャリアに活用できることを見い出す。 |
第2回 | リスク管理と公正な研究・倫理【和泉 章】 | 安全などのリスクを下げるために必要な取り組みや、公正な研究を行うためのルールや倫理について理解し、自分の将来のキャリアに活用できることを見い出す。 |
第3回 | 特許法【菅生繁男】 | 特許法の概要を理解し、自分の将来のキャリアに活用できることを見い出す。 |
第4回 | 著作権法、不正競争防止法、商標法 意匠法等【菅生繁男】 | 著作権法、不正競争防止法、商標法、意匠法などの概要を理解し、自分の将来のキャリアに活用できることを見い出す。 |
第5回 | ビジネスやアカデミアに関するルールとSDGs【和泉 章】 | 産業界やアカデミアで活躍する際に関連する主要な法律などのルールやSDGsについて理解し、自分の将来のキャリアに活用できることを見い出す。 |
第6回 | 企業における安全管理、コンプライアンス、倫理などの実践【西尾 拓】 | 企業のなかで安全管理がどのように行われているかや、SDGsに関する取り組みを理解し、自分の将来のキャリアに活用できることを見い出す。 |
第7回 | 国際標準化と講義のまとめ【和泉 章】 | 国際標準は民間の技術者が自ら作成できることを理解し、自分の将来のキャリアに活用できることを見い出す。 |
市販教科書は使わない。毎回、講師が用意する講義資料を原則、事前にT2SCHOLAにアップする。
「もしも世界に法律がなかったら 「六法」の超基本がわかる物語」木山泰嗣著 日本実業出版社 ※
「ビジネス常識としての法律(第3版)」堀龍兒 淵邊善彦著 日経文庫 ※
「法律を読む技術・学ぶ技術」吉田利宏著 ダイヤモンド社 ※
「楽しく学べる「知財」入門」 稲穂健一著 講談社現代新書 ※
「ビジネスパーソンのための法律を変える教科書」別所直哉著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
「理系のための法律入門 第2版 デキる社会人に不可欠な知識と倫理」井野邊 陽著 講談社ブルーバックス ※
「安全四学」向殿政男、北條理恵子、清水尚憲著 日本規格協会 ※
「標準(スタンダード)のすべて」和泉章著 経済産業調査会 ※
「標準化ビジネス大全」江藤学著
「キヤノン特許部隊」丸島儀一著 光文社新書 ※
「戦場の寝業師! JR東日本Suica裏物語」 原田節雄著 Amazon POD books
「伝わるシンプル文章術」飯間 浩明著 ディスカヴァー・トゥエンティワン ※
「東大教授が教える独学勉強法」柳川 範之著 草思社 ※
「入社1年目ビジネスマナーの教科書」金森たかこ プレジデント社
「最新ビジネスマナーと 今さら聞けない仕事の超基本」石川和男、宮本ゆみ子著 朝日新聞出版 ※
「コンサル1年目が学ぶこと」大石哲之著 ディスカヴァー・トゥエンティワン ※
※の付いた本は、東工大図書館に蔵書があるか、あるいは購入依頼中。
原則、毎回の授業で課題が出され、それに対するレポートの提出が求められる。提出期限までに提出されたレポートについて、課題に対してどれだけ深く考察され、考察の結果が十分に記述されているかについて各授業同一のウェイトで評価する。
授業は日本語で行われるので、その内容を理解できる日本語力が必要である。
レポートは、日本語でも英語でも可。
この科目に対応するGAは、GA1M である。
IIDPで開講されているキャリア科目一覧は下記URLを参照のこと。
(https://www.titech.ac.jp/student-support/students/life/career-education)