・本講義は、修士課程の学生が、課程を修了した後に自らの進路を決め、さらに将来、キャリアを構築していく際に役立つ基本的な知識やスキルを身につけることを目的としている。このコースは、修士課程修了後の博士後期課程への進学と、産業界への就職を含めすべての進路に対応している。
・修士課程修了後、将来、社会で活躍していくためには、専門課程で学んだことに加えて、「どのように生きていくのか」(How)を身につけていくことが極めて重要である。これが本学におけるキャリア教育の目的であり、本講義は、そのために必要な基礎的な項目を網羅的に凝縮して履修することを目的とする。講義は中央官庁、大学、企業等で豊富な実務経験を持つ教員等が行う。
・具体的には、東工大生が修士課程修了後にどのような進路を歩んでいるのかを俯瞰した上で、将来に向けてキャリアを構築していく上で必要な不可欠な知見である、社会のルール、倫理、企業・大学等における資金の動き、アントレプレナーシップ等について学ぶとともに、グローバルな視点を含め産業界やアカデミアでどのようにキャリアパスを構築していくかについて考える。さらに、就職活動や社会で役立つ社会人の基本的マナーについても履修する。講義は大枠から効率的に理解できる内容とし、今後の就職活動及びその後のキャリア構築で実践的に役立つものとする。
・なお、「修士キャリアデザイン」講義は、1Qに3つ(A1、A2、A3)、2Qに2つ(B1、B2)、3Qにひとつ(C)を開講する。内容はいずれも基本的に同一であり、また、「修士キャリアデザイン」講義は、必ずしも他のキャリア科目講義に先駆けて履修する必要はないので、特定の講義に集中しないように計画的に履修することが望まれる。
・1Q、2Qに開講される講義は履修申告者が集中する可能性があるので、講義の質を確保する観点から各講義の履修者数を最大で250名とする。そのため、履修申告者数によっては、以下の「その他」に記載する方法で抽選を行い、履修できる者を決定することがある。履修者を決定する方法は講義(A1、A2、A3、B1、B2)によって異なる。したがって、履修者の決定方法についてそれぞれのシラバスをよく読んで理解をしておくこと。また、履修者の決定状況については、本シラバス及びイノベーション人材養成機構(IIDP)のサイト(https://www.titech.ac.jp/enrolled/career/career_education/master-career.html)を随時更新して情報提供をするので最新の状況を把握すること。
・なお、3Qに開講する講義においては履修者数の制限は行わない。
・講義資料の配布、レポートの提出、講義に関連する連絡はOCWiシステムで行う。
・以前に開講されていた「修士キャリアプラン」「修士キャリアデザインⅡ」(LAC.M402)との重複履修不可。
・自分の将来のキャリアとして、アカデミア、産業界等多彩な進路を選択できる機会があることを理解する。
・就職活動及び将来のキャリアを構築していく上で必要な不可欠な知識として、世の中のルールや企業・大学等におけるお金の流れについて大枠を理解する。
・産学連携及びアントレプレナーシップについて理解する。
・就職活動の際の心がけ、社会人としてのマナーについて概略を理解する。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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中央官庁、大学、企業等で豊富な実務経験を持つ教員等が、自らの経験に基づいて講義を行う。 |
アカデミア、産業界、キャリア構築、研究開発組織、博士、インターンシップ、就職、アントレプレナーシップ
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
・毎回の講義パワーポイントを利用し、多くの実例など図表を多用して理解しやすい講義を展開する。
・なお、第3回、第6回講義は、東工大同窓会である蔵前工業会神奈川県支部と共同で開催する「蔵前ゼミ」として、東工大卒業生で社会で活躍されている方を講師として講義をいただき、引き続いて、それぞれの回で5名程度の受講生が「パネラー」として、与えられたテーマについて順に短い口頭発表を行い、講師からコメントを受ける形式で進める。なお、パネラーは、第1回及び第2回講義で受講生のなかから募集する。
講師(順不同)
大塚 浩 富士通(株) 研究本部 先端融合技術研究所 ヒューマンエンハンスメントPJ 主管研究員
後藤 匠 (株)Libry 代表取締役CEO
赤木泰文 東京工業大学名誉教授、イノベーション人材養成機構特任教授
清野千秋 東京工業大学研究・産学連携本部特任教授(特許庁職員)
和泉 章 東京工業大学イノベーション人材養成機構特任教授(経済産業省職員)
※外部講師の都合により、講義順や内容等が入れ替わることがある。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション 修士課程学生の終了後のキャリアパス【和泉 章】 | 講義内容と関係した課題が提示される。 |
第2回 | 法律・標準等社会・ビジネスのルール、倫理、社会的責任【和泉 章】 | 講義内容と関係した課題が提示される。 |
第3回 | (蔵前ゼミ)企業のなかで研究することについて、企業における研究者のキャリアの歩み方【大塚 浩】 | 講義内容と関係した課題が提示される。 |
第4回 | 企業、大学・研究機関におけるお金の流れの基礎知識【和泉 章】 | 講義内容と関係した課題が提示される。 |
第5回 | 産学連携と大学発スタートアップ【清野千秋】 | 講義内容と関係した課題が提示される。 |
第6回 | (蔵前ゼミ)起業 vs 就職【後藤 匠】 | 講義内容と関係した課題が提示される。 |
第7回 | アカデミアを目指す人のキャリアデザインと全体のまとめ【赤木泰文】 | 講義内容と関係した課題が提示される。 |
市販教科書は使わず、講師が用意する内容を毎回講義資料として原則、OCW-iにアップする。
「【増補改訂】 財務3表一体理解法」 國貞克則著 朝日新聞出版
「会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方」大手町のランダムウォーカー著 KADOKAWA
「もしも世界に法律がなかったら 「六法」の超基本がわかる物語」木山泰嗣著 日本実業出版社
「伝わるシンプル文章術」飯間 浩明著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
「現代経済学の直観的方法」長沼 伸一郎著 講談社
「デキるやつは起業しろ」杉生遊著 クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
「最新理系就職ナビ : 「自分を活かす」進路を選ぶ! 」植島幹九郎著 講談社
「理系のための就活ガイド」 山本佳世子著 丸善出版
「苦しかったときの話をしようか」森岡毅著 ダイヤモンド社
・毎回の講義で課題が出され、それに対するレポートの提出が求められる。そのレポートにおいて、自分の将来のキャリア構築に役立てる観点から、その課題についてどれだけ深く理解し、考察しているかで評価する。
講義は日本語で行われるので、その内容を理解できる日本語力が必要である。(提出が求められるレポートは、日本語でも英語でも可。)
・3Qに開講する本講義においては履修者数の制限は行わない。
・なお、「蔵前ゼミ」においてパネラーを務めた受講生は、発表内容により評価をするので、発表を行った講義については課題に対するレポートを提出する必要はない。
・IIDPにおいて開講されているキャリア科目一覧及び講師紹介については下記URLを参照のこと。
(https://www.titech.ac.jp/student-support/students/career/career-education)