本講義は、将来、アカデミア或いは産業界で活躍しようと考えている人の想定するキャリア実現に必要なスキルの基礎を学ぶ。はじめに博士人 材のキャリア形成の(主として日本における)現状を分析し、今後の5年先、 15年先30年先のタイムスパンで起こりえるキャリア選択上の 節目の可能性について紹介する。特に、博士のキャリアプランと修士までの就職活動との差異(及び共通部分)を明らかにする中で、博士の キャリア・プランとは何か、何を(いつまでに)行っておくべき か、そもそも博士の学位取得のキャリア形成におけるポテンシャル的意義について、考えてもらう授業を目指す。
その実現のために、幾つかの参考文献を紹介する。聴講者はそれを参照しながら/或いは全く独自の 見解をもとに、演習課題を2回提出す る。(課題の内容及びその「形式」については講義の中で指示する。)博士課程に進学したが、将来どうしていいかわからない、将来不安を感じ始めた人でも大歓迎。研究者としてのキャリア実現からさらにその先、社会人生活・会社生活・ アカデミアンの生活までを見越した人生設計 を考えましょう。
聴講者はこの種の「博士キャリアプランの講義」に何を期待しているのであろうか?学問的叡智獲得への期待?リテラシーの充実? ノウハ ウの習得?これらにより得られる知見には、それぞれ「賞味期限」 がある。上述したように、本講義では今後の5年先から30年先までの時間軸の話を行う予定である。従って、学問・リテラシー・ノウハウのベストミックスを狙う講義の実現を目指している。
講義構成は、現状分析、アカデミアンのキャリア形成、企業研究者のキャリア形成を紹介した後、研究者としての人生設計について総括する。
博士キャリアプラン、継続的な自己形成、アカデミアにおけるキャリア、企業技術者・研究者のキャリア、Credit Cycle、
年功序列⇒成果主義+実績主義、PD問題、就活とキャリアプラン、研究の自由と知的誠意の尊重
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
大岡山或いはすずかけで8回講義を行う。 1週間前に事前に講義配布資料をOCWi にUP。講義終了後、講義使用PPTをUP。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 12月11日(水)10:45-12:15,すずかけ台 J233 キャリア科目ガイダンス。本講義の流れと評価方法。課題(参考)図書の紹介と演習課題の説明。 | キャリアデザインのための学問的成果、リテラシ ー、ノウハウの関係を学ぶ。 |
第2回 | 12月18日(水)10:45-12:15,すずかけ台 J233 キャリアの「継続的な自己形成」の時代。 「アメリカの大学院で成功する方法」 | キャリアデザインにおける出口戦略の重要性。 |
第3回 | 12月25日(水)10:45-12:15,すずかけ台 J233 アカデミアにおけるキャリア1。 「理系 のための研究生活ガイド(第2版)」 | アカデミアにおけるキャリア。演習 課題1の詳細説明。 |
第4回 | 1月8日(水)10:45-12:15,すずかけ台 J233 アカデミアにおけるキャリア2。 「院生・ポスドクのための研究人生サバイバルガイド」 | アカデミアにおけるキャリア。〔第1回演習課題提 出締切日〕 |
第5回 | 1月15日(水)10:45-12:15,すずかけ台 J233 企業の研究開発と大学の研究1。 「理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術」 | 企業研究者のキャリア開発。演習 課題2の概要説 明。 |
第6回 | 1月22日(水)10:45-12:15,すずかけ台 J233 企業の研究開発と大学の研究 2。 「検証なぜ日本の科学者は報われないのか」 | 企業研究者のキャリア開発。演習 課題2の詳細説 明。 |
第7回 | 1月29日(水)9:45-11:15,すずかけ台 J233 キャリア実現(そのためにすべきこと)。 「アメリカの大学・ニッポンの大学」 | 博士研究者に求められるキャリアディベロップメン トのコア価値の理解。〔第2回演習課題提出締切 日〕 |
第8回 | 1月29日(水)11:30-12:15,すずかけ台 J233 全体のまとめと総合討論 | 議論を行うことにより、より理解度を高める |
なし。
理系のための研究生活ガイド(第2版)」 坪田一男、ブルーバックスB‒1671、講談 社、940円
「院生・ポスドクのための研究人生サバイバルガイド」 菊池俊郎、ブルーバックスB‒1709、講談社、820円
「自分の小さな「鳥カゴ」から飛び立ちなさい」 河合江里子、ダイヤモンド社、1,400円
「アメリカの大学院で成功する方法」 吉原真理、中公新書1732、中央公論社、760円
「理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術」 増沢隆太、丸善出版、2,000円
「検証なぜ日本の科学者は報われないのか」 サミュエル・コールマン、文一総合出版、2,400円
「アメリカの大学・ニッポンの大学」 苅谷剛 彦、中公新書ラクレ429、中央公論新社、840円
「理系の女の生き方ガイド-女性研究者に学ぶ自己実現法」 宇野賀津子、坂東昌子、ブルーバックスB-1307、講談社、860円
「博士 号だけでは不十分! 理系研究者として生き残るために」 ピーター・J・ファイベルマン、白楊社、1,800円
授業の参加度( 64%)と課題提出 (36%)による。必要なら補講演習課題(20%)も提出可能。
本講義は2017年度までの「博士キャリアデザインⅡ」の改変科目である。
他のGA0対応キャリア科目との重複登録は可であるが、GA0対応の履修必要単位は1で十分あることに注意。
iidpinfo[at]jim.titech.ac.jp
(氏名・所属を記して連絡のこと)
一般的ビジネスアワー(平日9時~17時)