本講義は、修士課程の学生が、今後のキャリアを考える際のベースを提供することを目指したものである。博士後期課程への道を歩むもの、産業界に就職するもの、どちらにおいても将来の自身のキャリアを想定した上で、その流れの中に位置づけて次のステップを考えることが重要である。そのためにはまず、それらの実態を知ることが必要である。そして博士後期課程へ進学することの意味。世界における研究者・技術者の社会における博士と修士の意味について考えることから始める。さらにアカデミアおよび産業界における研究者・技術者に求められる資質、適性の考え方、などについて学び、自身に適した将来のキャリアを考えるきっかけを与える。さらに学生には情報が不足している産業界における技術の役割、研究者・技術者の活動の実態、企業における人材のマネジメントおよび求められている人材像などについて講義するものである。とは言いながら、具体的な就職活動のあり方などにも適宜触れながら講義を進める。
・自分のキャリアを考える際の視点、思考プロセスが理解できるようになる。
・博士後期課程への進学と産業界への就職の意味を理解することができるようになる。
・世界の研究者・技術者の世界における博士の意味が理解できる。
・アカデミア、産業界を問わず、現代に求められれている技術者・研究者人材像について理解する。
・産業界における技術の役割、技術系人材の活躍の場、人材マネジメントの実態などについての概略を理解する。
・正しい就職活動のあり方
アカデミア、産業界、Innovator、Inventor、Innovation、キャリアパス、研究開発組織、保有技術、求められる人材像、博士、インターンシップ、就職
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
・毎回の講義パワーポイントを利用し、多くの実例など図表を多用して理解しやすい講義を推進する。
・毎回の講義でfeedback card により毎回の講義に対する感想、コメントなどを把握する。
・毎回の講義において簡単な課題を課し、講義のポイントの理解を深め、それに対して各自が自分の考えをまとめることを刺激する。
・毎回の講義でfeedback cardを提出させ、その日の講義内容に対するコメントを求め、評価に反映させる。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | キャリアデザインとは;キャリアを考えるとは、多様な活躍の場、就職と就社、東工大におけるキャリア形成支援プログラムの概略 | ・現時点で考えている将来のキャリアと進路は? ・修士課程終了後の直接の進路は? |
第2回 | 求められる人材像;イノベーションとイノベーター、価値創造プロセスモデル、各種の能力モデル | 人材への要求資質に関して、重要性と自分自身の能力を評価しなさい。 |
第3回 | 事業活動における技術の捉え方、技術の性格、アカデミアと産業界における技術の捉え方の違い、専門職制度 | 自己の保有技術の分解と評価しなさい。 |
第4回 | 企業における技術系人材の仕事、企業を取り巻く産業構造の変化、博士後期課程の進学と企業への就職、高度技術人材を取り巻くグローバルスタンダード | 博士後期課程の学生と比較し、自己研鑚の方向性を考えなさい。 |
第5回 | キャリア選択の視野の拡大、世界へ飛び立つキャリアの体験談、世界で活躍することの意味、起業を取り巻く環境、グローバル人材の要件 | 自分の10年後について、何を目指して何をしているか想像しなさい。 |
第6回 | 外資系企業で働くということ; 日本における外資系企業の現状、採用プロセス、人材マネジメント、外資系企業で働くことの意味 | ・外資系企業で働く際の障害について考えなさい。 ・10年後世界企業にとって日本の魅力は何だと思うか? |
第7回 | 就職活動の実際; 就職先決定までの流れ、企業選択のポイント、最近の産業界の理解へ向けて、インターンシップの有効性、博士の就職活動のポイント、 | ・修士課程終了後の進路について考えなさい。 ・昨年世界で起こったことで印象に残っていることは? |
市販教科書は使わず、担当教員が用意した内容を毎回講義資料としてプリントして配布すると同時にOCW-iにアップする。
特になし
・毎回のFeed back cardによる講義内容に対するコメント(約70%)
・課題レポート(約30%)
日常会話レベルの日本語理解力