修士人材で、主に産業界(≒民間企業)で活躍すること及びアカデミアの進路を考えている人、起業を想定している人々に対し、必要な「キャリア観」が本講義により養成されることを目指す。はじめに、理系人材のキャリア形成の(主として日本における)現状を分析し、今後の5年先、11年先のタイムスパンで起こりえるキャリア選択上の節目の可能性について紹介する。 就職活動のプロセスを理解し、キャリア決定のスケジュールに基づくスキル養成や必要情報が何かを知っておくことで、将来の人生設計において実践的な能力を身に着けることが出来る。
そのために、幾つかの参考文献を紹介する。聴講者はそれを参照しながら/或いは全く独自の 見解をもとに、演習課題を2回提出する。(課題の内容及びその「形式」については講義の中で指示する。)
修士課程に進学したが、将来 ど うしていいかわからない、将来不安を感じ始めた人でも大歓迎。技術者・研究者としてのキャリア実現からさらにその先、社会人生活・会社生活・ アカデミアンの生活までを見越した人生設計を考えましょう。
聴講者はこの種の「修士キャリアデザインの講義」に何を期待しているのであろうか?参考とすべき先輩のロールモデルとしての経験に学ぶ?学問的叡智獲得への期待?リテラシーへの期待? ノウハウの習得?これらにより得られる知見には、それぞれ「賞味期限」 がある。上述したように、本講義では今後の5年先から11年先までの時間軸の話を行う予定である。これに見合う、学問・リテラシー・ノウハウのベストミックスを狙う講義の実現を目指している。
講義構成は、現状分析、ロールモデルを聴くことにより理系学生のキャリア形成を学んだ後、技術者・研究者としての人生設計について総括す る。併せて、就活のスケジューリングや、エントリーの時期等を決めるための知識を涵養する。単なる就活ノウハウの講習でも、キャリア心理学の講義でもない、本学修士学生のキャリアデザインに特化した実践とそのための基本スキルの認識と習得を目指す。
修士キャリアデザイン、ロールモデルの学習、継続的な自己形成、技術者・研究者のキャリア、年功序列⇒成果主義+実績主義、就活とキャリアデザイン、コミュニケーションスキル、プレゼンテーション、研究スキル
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
第1回目開講が9月30日と成る関係で、第7回目が補講期間である11月18日に成ることに注意。
1週間前に事前に第1,4,6,7回講義配布資料をOCWi にUP。講義終了後、講義使用PPTをUP。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 総論。本講義の流れと評価方法。課題(参考)図書の紹介と演習 課題の説明。 | 演習 課題1の詳細説明。 |
第2回 | 岡本 直子氏;文部科学省研究開発局原子力課長。公務員に職を得、大学で学んだ理工学的知識を行政職としての職務に如何にして反映させるか。 | 公務員のロールモデルを学ぶ。 |
第3回 | 萩本 和男氏;企業に勤務し研究開発に従事、後に経営に参画した経験を学ぶ。 | 研究者・経営者のロールモデルを学ぶ。 |
第4回 | ・就職活動とキャリアプラン。 「就職迷子の若者たち」 | 就職活動の異なるタイムスパンでの行なうべき作業を学ぶ。 |
第5回 | 天貝 佐登史氏; 企業に勤務、後に起業し新しい会社を通じての社会貢献の経験について伝えて聴く。 | 起業経験者のロールモデルを学ぶ。〔第1回演習課題提出締切日〕 |
第6回 | 就業/進学そしてその先。 「理系のためのキャリアデザイン戦略的就活術」 | 就業/進学のためのキャリアプラン。演習 課題2の詳細説明。 |
第7回 | 全体の纏め。キャリア実現(そのためにすべきこと)。 「理系のための研究生活ガイド」 | アカデミア、プロダクティブリーダーのための卒業後のキャリア設計。〔第2回演習課題提出締切日〕 |
なし。
「理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術」 増沢隆太、丸善出版、2,000円
「自分の小さな「鳥カゴ」から飛び立ちなさい」 河合江里子、ダイヤモンド社、1,400円
「アメリカの大学・ニッポンの大学」 苅谷剛 彦、中公新書ラクレ429、中央公論新社、840円
「理系のための研究生活ガイド(第2版)」 坪田一男、ブルーバックスB-1671、講談 社、940円
「博士 号だけでは不十分! 理系研究者として生き残るために」 ピーター・J・ファイベルマン、白楊社、1,800円
講義への貢献度( 70%)と課題提出 (30%)による。講義欠席者に対しては、補講課題の提出機会も用意されている。
他学期開講の「修士キャリアデザインⅡ」との重複履修は不可。
他のC0M対応キャリア科目(「修士キャリアデザインⅠ」等)との重複登録は可であるが、C0M対応の履修必要単位は1のみであることに注意。(C0M履修者は、次はC1M科目をとるべきであり、基本的には重複履修は勧めていない。)
iidpinfo[at]jim.titech.ac.jp
(氏名・所属を記して連絡のこと)
一般的ビジネスアワー(平日9時~17時)
第2,3,5回の講義は、蔵前ゼミも兼ねる。これらの回については、履修登録をしていない学生でも、参加可能。パネル討論を通じた意見交換セッションにも参加可。
講義終了後、講演者・蔵前メンバーとの交流会開催(全学生参加自由、無料)。