2021年度 理科教育法実践演習 II   Exercise of Practical Research on Science Education II

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
教職科目
担当教員名
松田 稔樹 
授業形態
演習     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
集中講義等 (W9-319)  
クラス
-
科目コード
LAT.S304
単位数
2
開講年度
2021年度
開講クォーター
3-4Q
シラバス更新日
2021年7月15日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

・理科教育の現代的課題を取り上げ,理科の領域固有知識の獲得状況や科学的見方・考え方の運用に関する仮説モデルを設定し,ICTを活用した対話制御によって学習者の思考プロセスを制御しながらログ収集するという手法を活用して教育実践研究する演習を行う。
・問題解決の縦糸・横糸モデルに基づく教育実践研究のための手順と,そこで活用すべき見方・考え方,領域固有知識を修得することを目標とする。これは、学校教育で生徒に問題解決力を育成するためのモデルでもある。このような指導に関して、Bruerは、インフォームドな指導が重要であるとしており、それを経験するために、教育実践研究用e-portfolioシステムと教授活動ゲームシステムを活用して,アクティブラーニングすることを求める。これにより,学び続ける教師になるための自己学習力を身につけることも意図している。

到達目標

教職課程コアカリキュラムの全ての到達目標にわたって,以下のように扱う。
・免許取得に必要な他の単位を全て取得していることを前提として,理科教育の実践研究テーマについて教育工学的な方法論を使って効果的に解決する方法を習得する.
・問題解決の縦糸・横糸モデルにおける手順や活用すべき見方・考え方,領域固有知識の関係を説明できるようになり,教師にとっての問題解決である教育実践研究をそれに即して遂行できるようになる.
・信頼性,有効性の高い教育実践研究を行うために,信頼性・再現性のある指導方法を実現するためのICTの活用や,根拠に基づく評価を実現するための個人単位のログ解析などを行う方法を習得する.
・実験・観察の手法を含む科学的方法を自分自身の身近な問題解決に活用する方法を習得し,科学の実用性を説明する力も養う。

キーワード

教育実践研究の方法,理科教育,文献研究,授業設計,教材開発,実験計画,仮説検定,ログ解析

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業は、課題実施に必要な知識・方法の修得や、問題解決に必要な討論を行うことに焦点を当て、e-portfolioシステムの支援機能に基づいて、主に授業時間外に課題を遂行し、研究成果をまとめていく。よって、毎授業後、e-portfolioシステム上で作業を行い、次の授業ではその報告と討論を行ってから、その回の授業内容に進むことを原則とする。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 課題解決に向けた仮説の設定(学習科学の成果に基づく提案と批判的議論) 研究論文の「はじめに」と「目的」の下書き
第2回 研究方法論の演習1(実験計画と観察・実験データの取得、及び実験データ処理) 研究計画の作成
第3回 研究方法論の演習2(教材設計,科学的思考やスキーマ獲得を促す対話制御方略) 実践研究用の教材の設計案作成
第4回 研究方法論の演習3(教授活動ゲームによる教材開発) 実践研究用のゲーミング教材の作成
第5回 教材の形成的評価、研究報告書の準備1(研究仮説から研究計画まで) 実践研究用のゲーミング教材の改善/研究論文の「仮設」と「研究方法」の下書き
第6回 研究報告書の準備2(データ収集,分析手法,結果の予測まで)/教育実践における留意点(倫理的な配慮を含む) 研究論文の「研究方法」における分析方法と結果部分の下書き/実践授業の実施
第7回 仮説検証のための統計分析と考察 結果の分析と研究論文の完成

教科書

・文部科学省 中学校学習指導要領および中学校学習指導要領解説~理科編
・文部科学省 高等学校学習指導要領および高等学校学習指導要領解説~理科編・理数編
・中学校および高校の理科の教科書(各年度毎に使用する教科書を指定する)
・研究室で開発した教育実践研究用のe-portfolioシステムで提供する資料情報

参考書、講義資料等

・研究室で開発した教育実践研究用のe-portfolioシステムで提供する資料情報

成績評価の基準及び方法

・教育実践研究に必要な基礎知識のテスト,作成した教材,教育実践論文に基づいて評価する。
・各回とも,事前または事後課題を課す。それらが期限までに提出されない場合は,教育実践に支障をきたし,現場に迷惑をかけるため,履修継続および単位取得を認めない

関連する科目

  • LAT.S101 : 理科教育法Ⅰ
  • LAT.S102 : 理科教育法Ⅱ
  • LAT.S301 : 理科教育法Ⅲ
  • LAT.S302 : 理科教育法Ⅳ
  • LAT.S303 : 理科教育法実践演習 I
  • LAT.A203 : 教育工学
  • LAT.A206 : 教育課程編成の方法
  • 教育実習
  • 「理科」の教科に関する科目

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

・中学校の他教科の教員免許を既に取得しており、上記関連科目のうち、教職科目の単位を既に取得していること。
・上記関連科目のうち、理科の教科に関する科目について免許取得に必要な全ての分野にわたり合計20単位以上を単位取得していること。
・教育職員免許法第6条3項別表第四により免許取得する者であること。
・教務課への履修申告の他に,下記連絡先メールアドレスに対して、当該年度の2Q末(今年度は、8月6日)までに履修希望の連絡と必要事項(学籍番号、名前、所属、メールアドレス)を連絡すること。なお、科目等履修生の場合は、教務課に事前申請する前に上記連絡をとること。ただし、数学と理科と両方の教科教育法実践演習IIを履修する場合は、前期から活動を行ってもらうので、前期授業日程開始日までに連絡すること。この時点で連絡が無い場合は、1教科しか履修は認めない。
・本授業で受け入れる科目等履修生は、本学卒業生のみとする。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

sci-ask[at]et.hum.titech.ac.jp

オフィスアワー

メールで事前予約すること

その他

・指導案作成、教材作成、データ分析に必要なOffice系ソフトウェアの利用環境を持ち、操作に習熟していることを前提とする。
・授業で提出した指導案や教材は、学校現場でも活用できるように、知的財産権に十分配慮したものとする。

このページのトップへ