日本の社会には「働く喜び」が失われている。近代経営管理は非効率の是正をねらいとして導入され、工業化の発展に貢献してきた。しかしながら100年経過した今、働く人々の内部で何か大切なものが蝕まれてしまってはいないか。あらゆる組織は意志と感情をもつ生身の人間が動かしている。「働かされている」と感じていれば、隠れた力が引き出されることはない。強い組織をつくり上げるためには「人間の本性」を深く理解したリーダーシップ力が不可欠である。
リーダーとリーダーシップは異なる。率先して他者を巻き込んで直面する課題を克服していく力がリーダーシップである。リーダーのみならず組織を構成する全員に求められる。リーダーシップはただ天性のものではない。自分自身で学んで磨きをかけて掴みとるものである。本講座はリーダーシップの基本理論を学ぶだけではなく、実践を重視する。まずは、自分の強みや弱み、持ち味を謙虚に知ることから始める。その上で、これからプロフェッショナルとして目指す方向や心構え、信念を固めることをねらいとする。
本講座を履修することによって次の能力を修得する。
①組織行動、経営管理の基本知識をもち、現実の課題解決について深く考察できる
②自己理解、他者理解の大切さを理解し、目的、目標に向けて他者を働き込むことができる
③自分自身のリーダーシップ力を高めるために行動できる
④キャリア開発の視点から職業指導ができる
組織と人間、経営管理、マネジメント、人材マネジメント、リーダーシップ、キャリア、人材育成、モチベーション、働く喜び、自己理解、他者理解
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義に加え、毎回設問を提示し個人研究、グループ討議、全体討議へと展開を通じて対話形式を重視します。また、必要に応じてロールプレーも取り入れます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 経営管理の課題 | 働く人々を取り巻く環境変化と仕事観 |
第2回 | 人間の本性 | 人間の強さと弱さを理解する |
第3回 | 意欲 | 「人間の根源的な動機づけ」とは何か |
第4回 | 組織行動 | 強い組織と弱い組織の違いは何か |
第5回 | リーダーシップの意義 | リーダーとリーダーシップの違いとは何か |
第6回 | リーダーシップの開発 | リーダーシップをどう鍛えるのか |
第7回 | 人材育成 | ティーチングとコーチングを実践する |
第8回 | 人材育成 | キャリア開発をどう指導するか |
教科書は使用せず、授業中にスライド等の映像資料を使って講義を行う
「企業の人間的側面(新版)」D.マクレガー 産業能率大学
「経営者の役割」C.I.バーナード ダイヤモンド
「行動科学の展開」P.ハーシィほか 生産性出版
「人材マネジメント入門」守島基博 日本経済新聞出版社
「21世紀のキャリア論」 高橋俊介 東洋経済新報社
・日常点 50% 発表、討議への参加を評価する
・レポート課題 50% 授業内容をふまえて自分の考えを記述し、着眼点、独創性、論理性を見る
とくに必要ありません
メールアドレス:sugi.mori117[at]gmail.com
メールで事前連絡すること。