「教職概論A」「教職概論B」の授業内容をさらに発展させ、中学校・高等学校教諭を志す学生諸君がこれまで受けてきた家庭教育および学校教育における自己の体験を基盤に、教育とは何か、学校とは何かについて、教育の歴史や思想を手がかりとして考察する。また、21世紀を生き抜く市民の教育や国際社会に対して日本の教育が貢献すべき役割についても考察し、グローバルレベルでのリーダー教員としての資質形成をめざす。
教育学の基本的な概念・基礎的知識を習得すること
自己の教育体験を脱構築し、教職における自分らしい教育観を形成すること
21世紀の教育課題についてグローバルな視野で考え、自分なりの意見を持つことができるようになること
同化教育、文化の伝達教育、子どもからの教育、近代教育、教育勅語、大正新教育、皇民化教育、日本国憲法の教育条項、教育基本法、学習指導要領、改正教育基本法、確かな学力、生きる力、ゆとり、学力、新たな公共、市民性教育、EFA(Education for All)、現代アジアの教育
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
授業では、テキストの該当箇所や配付資料について履修者が一読していることを前提として、テキストや資料の読み取り方や捉え方について解説するとともに、教育学の基本的な概念・基礎的知識について提示する。履修者には、それぞれの教育体験を基盤としながら、自分らしい教育観の形成や自分なりの意見を考えることが期待される。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | テーマ「教育とは何のために行うのか-教育目的・思想の歴史的変遷」(1) ・西洋の近代における教育目的・思想 | テキスト(現代教育本質論)13ページから26ページの通読と理解 |
第2回 | テーマ「教育とは何のために行うのか-教育目的・思想の歴史的変遷」(2) ・日本の明治から戦時体制下までの教育目的・思想 | テキスト(現代教育本質論)26ページから33ページの通読と理解 |
第3回 | テーマ「教育とは何のために行うのか-教育目的・思想の歴史的変遷」(3) ・日本の戦後の教育改革における教育目的・思想(日本国憲法、教育基本法の基本理念)と戦後教育の展開 | テキスト(現代教育本質論)34ページから36ページおよび59ページから68ページまでの通読と理解 |
第4回 | テーマ「教育とは何のために行うのか-教育目的・思想の歴史的変遷」(4) ・現代日本の教育改革における教育目的・思想(改正教育基本法の基本理念) | テキスト(現代教育本質論)37ページから40ページ、68ページから73ページおよび改正教育基本法に関する配付資料の通読と理解 |
第5回 | テーマ「教育をどのようにして行うのか-学習指導論」 ・「学力」とは何か・学習指導の原理 | テキスト(現代教育本質論)74ページから82ページまでの通読と理解 |
第6回 | テーマ「グローバル時代における市民性教育」 ・21世紀を生き抜く市民をいかにして育てるのか | 市民性教育に関する配布資料の通読と理解 |
第7回 | テーマ「現代アジアの教育課題」 ・国民形成のための教育・経済発展のための教育・教育機会均等(EFA)・21世紀の知的基盤社会に対応する教育 | 現代アジアの教育研究およびEFAに関する配付資料の通読と理解 |
第8回 | テーマ「世界をリードする日本の教育」 ・国際社会と共存共栄する日本の教育の未来像:その理念と思想 | 国際教育開発に関する配付資料の通読と理解 |
高橋浩・金田健一編著『改訂版 現代教育本質論』学文社、2009年刊
平田利文編『市民性教育の研究』東信堂、2007年刊
授業内容に関連する中央教育審議会答申などをOCW上に公開する。
学習意欲点(20点):授業の到達目標の達成のために、意欲的に授業に取り組んでいるかどうか、発言、態度、授業中に課される小レポートなどを基にして評価する。
レポート(80点):授業内容のうちから指定されるトピックについて、授業内容の要約および授業内容に関する自らの意見主張を簡潔に表現させることにより、教職における教育観の形成という授業の到達目標の達成を評価する。詳細は、第8回講義で説明されるとともに、OCWにおいて資料が配付される。
教員免許状を取得し、中学または高校の教員として就職することを志していること。
教職課程ガイダンスに参加し、本学の教職課程について説明を受けていること。