東京工業大学で知的財産法を体系的に学習することができる唯一の科目である。東工大OBや知的財産実務で活躍する弁護士等の専門家も加わり、基礎的な内容から実践的な内容へのつながりを、民法の財産法から各知的財産権法まで順次学習していく。令和5年度担当予定(金子宏直、東田潔、菅野智子、井口加奈子、岡本守弘、土佐信道、太田昌孝、田川陽一、小倉秀夫、小川憲久、田中園子、武田勝弘、ほか)。複合領域コース「科学技術と知的財産権コース」科目である。
知的財産を生み出す、デザイン、イノベーション思考、起業を繋ぎ合わせる総合科目である。
研究者、エンジニアを将来のキャリアに予定している学生の方も多いと思われるが、研究や製品開発を行うには多額の資金が必要になる。こうした資金を獲得するために重要な役割を果たすのが知的財産権(特許等)である。発明等により知的財産を作り出すだけでは、資金につなげることができない。特許権などの知的財産権を取得し、それを有効に利用することが必要になる。この知的財産権の取得、利用活用に携わる主な専門職が、弁理士である。東工大の卒業生には多くの弁理士が活躍している。弁理士短答試験合格(出身校別令和4年統計)によると東京工業大学16名(全284名中)5.6%(出身大学別3位)。科学技術と知的財産権の関係について理解を深め、科学者、技術者として必要な知識を深めるるとともに、弁理士などを目指す学生にも有益な学習の機会を提供することが狙いである。
日本の財産法の基礎を理解し、知的財産法(特許法、実用新案法、著作権法、商標法、意匠法)、競争法を鳥瞰的に学と共に、国際関係の中での競争法規制についても学ぶ。
知的財産権の要件、手続、特許権侵害訴訟、著作権侵害訴訟等について学ぶ。
デザイナー、起業家による講義を通じて発明の商品化、サービス化、ブランディングの重要性についても学ぶ。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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金子宏直(元ソフトウェア権利保護団体嘱託研究員)、菅野智子(特許庁審査官)、井口加奈子(弁護士)、小倉秀夫(弁護士)、小川典久(弁護士)、岡本守弘(ニューヨーク州弁護士、企業法務部)、田中園子(Solco起業)、土佐信道(明和電機代表、アーティスト)、東田潔(弁理士)、武田勝弘(弁護士)、ほか |
特許 著作権、商標、営業秘密、不正競争防止、意匠
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
知的財産法の基礎的な概念と、具体的な事例について、ディスカッション行いながら理解を深める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス・財産法基礎 | 財産権法の基礎を学ぶ |
第2回 | 財産法基礎2+小テスト | 知識確認 |
第3回 | 特許基礎(ブロックA) | 特許出願 |
第4回 | 特許政策(ブロックA) | 特許政策 |
第5回 | 特許訴訟(ブロックA) | 特許侵害 |
第6回 | ライセンス契約(ブロックA) | ライセンス |
第7回 | 商標(ブロックB) | 商標と知的財産 |
第8回 | 科学者からみた知的財産(ブロックB) | 知的財産 |
第9回 | 実践的国際ブランド保護(ブロックB) | アート、発明、知財保護の実際 |
第10回 | バイオ技術と知的財産(ブロックB) | バイオ技術 |
第11回 | インターネットと不法行為(ブロックC) | インターネット |
第12回 | 著作権法詳論(ブロックC) | 著作権事例 |
第13回 | ブランドと起業(ブロックC) | ブランド |
第14回 | 総括 | 総括 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
『先端科学技術と知的財産権』(文化創造研究所)(大学生協にて購入できる。宅配サービス利用可)
茶園成樹編『知的財産法入門(第三版)』(有斐閣2020)
小テストとレポート(ブロックA、B、Cごとに各1通の合計3通)の総合評価
知的財産権に関する幅広い分野にわたるため、講義には毎回出席するようにして各講義について理解を深めてもらいたい。
kaneko([at])ila.titech.ac.jp
講義の各時間の内容スケジュールの詳細は毎年若干変更になる。(小テスト日程に注意)
>>必ず!履修申告後にT2Scolarでスケジュールを確認してほしい(9月更新予定)。(講義内容の順番はシラバスからは若干の変更の場合がある。)
複合領域コース所属の一橋大学学生が聴講する場合は履修申告時に連絡担当教員(kaneko (@) ila.titech.ac.jp )までメールで連絡してください。