この講義は、教育学、美術、文学、工学、歴史などの専門領域を包括しながら「身体障害」を再考します。そこで、身体障害に深く関わるテーマをいくつか設定します。
身体障害とは何でしょうか。まず、この視点から考えていきます。その上で、手話や点字、補聴器や車椅子などの支援技術、映画や社会運動から介助における身体表現など幅広いテーマを設定し、全体で議論をしていきます。この講義は教養科目であることから、平易な言葉での解説を行います。
受講者には設定されたテーマについて、グループで議論してもらうため、積極的な参加が望まれます。なお、担当教員はろう者(※)なので、手話通訳、音声認識アプリ、筆談、タイピングなどの幅広い視覚的なコミュニケーション方法を用います。みなさんにとって、この講義は新たなコミュニケーションのモードを習得する絶好の機会になるでしょう。
講義のねらいは、身体障害についての教養と思考の軸をつくっていくことです。
※ろう者:生来あるいは幼少期から耳の聞こえないものであり、手話を主要な言語とするもの。
1)身体障害の概念と理論を理解する。
2)身体障害に関する幅広い視点を獲得することで、身体障害について自らの言葉で分析し、解説することができる。
3)他者との対話を通じて、身体を多角的にとらえることができ、他者と尊重しあうことができる。
4)自身の興味・関心について、身体障害も含めた解説をすることができる。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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ろう者としての経験に基づきながら、身体障害全体にアプローチしながら進められる。 |
身体、弱さ、多様性と異文化、歴史、美術
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
それぞれの回において、講義とディスカッションを組み合わせて進める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | オリエンテーション:障害とは何か | 講義のねらいを把握する。身体障害をめぐる学問について概観することができる。 |
第2回 | 身体障害と知覚・科学技術 | 身体論の基礎に基づいて身体障害について解説することができる。 |
第3回 | 身体障害と歴史・社会(1) | 歴史と社会における身体障害者の状況について対話することができる。 |
第4回 | 身体障害と歴史・社会(2) | 歴史と社会における身体障害者の状況について対話することができる。 |
第5回 | 身体障害と文学 | 文学における身体障害者の表現について対話することができる。 |
第6回 | 身体障害と芸術表現 | 芸術表現における身体障害者について対話することができる。 |
第7回 | 身体障害と映画・映像 | 映画・映像における身体障害者について対話することができる。 |
第8回 | 障害とは何か | 講義の総括。課題についてピアレビューし、討議する。 |
学修効果を上げるため,配布資料の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね50分を目安に行うこと。
指定しない。配付資料や画像・映像などを検討しながら学習します。
必要な資料については配布します。
コメントなどグループでの討議:50%
レポート:50%
障害に関する知識・経験を問いません。