本講義では、アラブ・イスラーム世界の社会・文化の現況について、特にイスラームとの関連を重視しながら紹介する。具体的にはイスラーム法、婚姻、衣服、メディア、映画、断食・巡礼などのトピックを扱い、それぞれが近代以降、特にグローバル化のもとでどのような変化を遂げながら今日にいたったかを確認する。主たるフィールドはエジプトとする。
本講義のねらいは、イスラームという宗教が当該地域の人々の生活や社会の中にどのように根ざしているかを分析し、また、一口にイスラームといっても、その中には非常に多様な信仰のあり方が見いだせる点を確認することにある。これらによって、当該地域の人々と交流する際にどのような点に留意すべきか、相互理解のポイントをつかむことができよう。
本講義を履修することによって以下の知識・能力を獲得する
① イスラームの宗教的特徴と近現代アラブ・イスラーム世界の歴史や文化についての基礎的な知識を身につけ、現在の文化的状況や関連する議論について、より広い視野で考察・評論できる
② 近現代のアラブ・イスラーム世界に関する文献を読解し、内容を簡潔にまとめられる
イスラーム、エジプト、アラブ諸国、アラブ文化、宗教と社会
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
本講義は対面授業で行う。各回の講義では、授業プリントをもとに、写真・映像資料を多数使用しながら、アラブ文化について読み解いてゆく。各回の授業後に、授業プリントの課題(配布された資料を読み、問いに答える、など)を行っておくこと。これらは予習・復習になるとともに、第4回後に提出する小課題、第7回授業で実施される試験の設問の一部ともなるので、必ず取り組むこと。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス、イスラームの基礎知識の確認 | イスラームの概要に関する問いに答える |
第2回 | イスラーム法の基礎知識の確認 | ハラール認証の問題について調べる |
第3回 | 婚姻と身分法改革~20世紀以降のムスリムの婚姻の変化~ | ムスリムの婚姻についての配付資料を読み、問いに答える |
第4回 | 衣服~19世紀以降のムスリム女性の服装の変化~ | エジプトの女性問題についての配付資料を読み、問いに答える |
第5回 | メディア~新メディアの登場と信仰生活~ | イスラーム法についての配付資料を読み、問いに答える |
第6回 | 断食・巡礼の様子と近年の話題 | イスラームの宗教儀礼についての配付資料を読み、問いに答える |
第7回 | 試験 | 試験後にアップされる解答例のファイルを見て、振り返りを行う |
学修効果を上げるため,配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
なし。授業プリントを配布する。
授業プリントで提示する。
第4回授業後に提出の小課題(45%)および第7回授業で実施される期末確認試験(55%)の内容を総合して評価する。
特になし
この科目は、修士課程500番台の文系教養科目です。
東工大では、学士から博士後期課程まで継続的に教養科目を履修する「くさび型教育」を実践しています。番台順に履修することが推奨されており、修士課程入学直後の学期(4月入学者であれば1・2Q、9月入学者であれば3・4Q)に履修申告できる文系教養科目は400番台のみです。500番台文系教養科目は、入学半年してから(4月入学者であれば入学した年の3・4Qから、9月入学者であれば入学した翌年の1・2Qから)履修可能となります。