2022年度 科学哲学B   Philosophy of Science B

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開講元
文系教養科目
担当教員名
東 克明 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-2(W331)  木1-2(W331)  
クラス
-
科目コード
LAH.T207
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2022年4月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

前提が正しいときに必ず結論も正しい推論を,演繹的推論という。演繹的推論は20世紀に入り数学的に形式化され,大いに進歩した。今日,形式化された演繹的推論を扱う学問は論理学と呼ばれる。本講義では論理学の入門的内容を扱う。前半では命題論理,後半では述語論理について,それぞれの形式言語,日本語文の形式化,推論規則と演繹,そして完全性や健全性といったメタ論理について学習する。論理学は,現在ではコンピュータの正確な理解にとって不可欠である。また,そのような実践的側面に加え,論理は人間の合理性,科学の合理性にとって不可欠の要素である。本講義では論理のエッセンスを学び,論理に関わる哲学的問題について,技術的内容を伴った理解ができるようになることを目指す。

到達目標

本講義を履修し次の能力を習得する。
1)自然言語における演繹的推論を形式化し,演繹的推論の構造を理解する。
2)形式言語において,推論の前提から結論を推論規則を用いて導出する。
3)推論の正否を判定する二つの方法(統語論的方法と意味論的方法)を学び,それらによる判定がいつでも一致することを理解する。

キーワード

命題論理 述語論理 推論 演繹 完全性 健全性 

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義形式で授業を進める。毎回、講義最後に宿題をだし、復習をかねて取り組んでもらい、次回の授業冒頭で解説する。学習内容の理解度をチェックするため、到達度確認小テストを3回行い、課題で判明した、理解不足な点は授業で説明する。また、15回目に学期末テストを行い、講義全体の理解度を確認する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 演繹的推論と帰納的推論,命題論理における形式言語の語彙と文法  記号文の定義を理解,公式な記号文・非公式な記号文・文法的でない記号列の判別
第2回 命題論理における日本語文の記号化 日本語文を正しく形式言語で表現
第3回 命題論理における演繹I-推論規則および演繹の形式 推論規則の理解,さまざまな演繹の形式の正しい理解
第4回 第1回到達度確認テスト(命題論理における日本語文の記号化),命題論理における演繹II-部分演繹の利用 日本語文の記号化の復習,部分演繹を使用する際の規則とその意味の説明
第5回 命題論理における演繹の演習 推論規則・演繹の形式を正しく利用して前提から結論を演繹
第6回 命題論理における統語論的方法と意味論的方法 真理表を利用した意味論的方法の説明,意味論的方法と統語論的方法の違いの説明
第7回 命題論理における完全性と健全性 意味論的方法と統語論的方法による推論の正否の判定結果の関係を説明
第8回 第2回到達度確認テスト(命題論理の演繹),述語論理の導入 演繹の構成の復習,なぜ命題論理に加えて述語論理が必要なのか説明
第9回 述語論理における形式言語の語彙と文法 述語論理における記号文の定義の正しい理解,記号文と非文法的な記号列の判別
第10回 単項述語論理における日本語文の記号化 量化表現含む日本語文を正しく形式言語で表現
第11回 多重量化を含む日本語文の記号化,述語論理における演繹ー新たな推論規則と演繹の形式 述語論理において新たに付け加わる推論規則と演繹の形式の正しい理解
第12回 第3回到達度確認テスト(述語論理における日本語文の記号化)、述語論理における演繹ー重要な定理とその利用 述語論理における日本語文の記号化を復習,述語論理における重要な定理の正しい理解
第13回 述語論理における演繹の演習,述語論理における意味論的方法 推論規則・演繹の形式を正しく利用して前提から結論を演繹,モデルとは何か説明
第14回 述語論理におけるモデルと決定可能性,述語論理における完全性・健全性・無矛盾性 単項述語論理には決定可能性があるが、一般の述語論理には決定可能性がないことを説明,述語論理の完全性・健全性を説明,無矛盾性の証明の仕方を説明
第15回 総括と学期末テスト(出題範囲:述語論理) 述語論理における日本語文の記号化、演繹を復習

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし。

参考書、講義資料等

OCW-iからダウンロードできる講義資料を使用する。

成績評価の基準及び方法

(a)3回の到達度確認小テスト(15点×3)
(b)学期末テスト(35点)
(c)メタ論理についてのレポート(20点)

関連する科目

  • LAH.T106 : 科学哲学A
  • LAH.T306 : 科学哲学C

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし。

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