2022年度 技術史A   History of Technology A

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開講元
文系教養科目
担当教員名
河西 棟馬 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月5-6(W521)  
クラス
-
科目コード
LAH.T103
単位数
1
開講年度
2022年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2022年4月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

本講義では、歴史的なアプローチから「技術者」とは何かを検討していきます.人類史は常に何らかの技術と共にありましたが,伝統的な職人と区別される「技術者 engineer」という職業が誕生したのは西洋近代でした。ここでは特に,日本の技術史に多大な影響を及ぼした19 世紀のフランス,イギリス,ドイツ,アメリカに注目して,各地域における「技術者」という職業集団の歴史を概略し,これらを踏まえた上で日本における技術者という存在について検討していきます。
「技術者」のあり方は時代・場所によって驚くほど多様であり,現在も大きな変化の過程にあります,本講義の目標は,受講者が過去を材料としてこの職業について多面的に理解できるようになること,及びそうすることで受講者各自が自らのキャリアについて考えるための材料を提供することにあります。

到達目標

1. 技術者という職業について歴史的・反省的に理解できるようになること。
2. そうした理解に基づき技術者という職業の現在・今後について自ら考察できるようになること。

キーワード

技術者,フランス革命,産業革命,工業化,工学教育

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講師の側から学生に発言を求める場合もありますが,基本的に講義形式で進めていきます.講義後にリアクションペーパーを提出してもらいます。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 導入:趣旨説明.講義アプローチの概説,「技術者」前史(古代からルネサンス期まで) 冒頭で「技術者/エンジニア」とはどのような存在か質問するので事前に考えをまとめてくること。
第2回 フランスの場合:絶対王政下における「工兵」から国家/産業社会のエリートへ リーディング課題を指示する。
第3回 イギリスの場合:職人層が開始した産業革命;現場主義の優越と高等技術者教育の挫折 リーディング課題を指示する。
第4回 ドイツの場合:後発工業国ドイツと「高等技術学校」;非政治的・合理的存在から「反動的モダニズム」の旗手へ リーディング課題を指示する。
第5回 アメリカの場合:イギリスモデルとフランスモデルの競合 ;ランド・グラント大学 ;エンジニアの大衆職業化 リーディング課題を指示する。
第6回 日本の場合:国家エリートからサラリーマンへ リーディング課題を指示する。
第7回 総括と展望:エンジニア・技術は何に奉仕してきたか 授業の後半は講義内容についてのディスカッションとするので,前6回の内容を復習してくること。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

指定なし.講義資料は事前にT2SCHOLAにアップする.

参考書、講義資料等

Peter Meiksins and Chris Smith (eds.) Engineering Labour: Technical Workers in Comparative Perspective (Verso, 1996)
Ken Alder. Engineering the Revolution: Arms and Enlightenment in France, 1763-1815. (University of Chicago Press, 1997)
Eda Kranakis. Constructing a Bridge: An Exploration of Engineering Culture, Design, and Research in Nineteenth-Century France and America (MIT Press. 1997)
Edwin T. Layton, The Revolt of the Engineers: Social Responsibility and the American Engineering Profession (Johns Hopkins University Press, 1986)
Kees Gispen, New Profession, Old Order: Engineers and German Society, 1815-1914 (Cambridge University Press, 1989)
坂本健三『先端技術のゆくえ』(岩波書店 1987)
広重徹『科学の社会史(上・下)』(岩波書店 2002)
村上陽一郎『工学の歴史と技術の倫理』(岩波書店 2006)
古川安『科学の社会史』(筑摩書房 2018)

その他,講義中に指示する。

成績評価の基準及び方法

毎回の小レポート(各回の議論の要約, 50%)と期末レポート(50%)で評価する。

関連する科目

  • LAH.T203 : 技術史B
  • LAH.T303 : 技術史C
  • LAH.S416 : 文系エッセンス16:技術史

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特に履修要件は設けない.

その他

水曜 14:00-16:00。これ以外はメールなどで事前予約すること。

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