本講義では、子どもの視点から「未来の望ましい社会」を考えます。第一に、世界と日本の子どもが置かれた現状をデータ、研究、事例で把握します。第二に、経済格差の現状を知り、社会政策の課題を学びます。第三に、皆さん自身が子どもだった約10年前と今を比較します。今から10年後、皆さんが大人として将来の子ども世代のために何ができるか考えます。
本講義のねらいは、社会正義の視点を身に着けることです。受講生は、子どもにとってより良い未来について、自分独自の考えを他者に伝えられるようになります。
本講義を履修することで、次の能力を習得します。1)子どもの人権について、また子どもが未来の社会を担う重要な存在であることを理解する、2)親の社会経済階層が次世代の可能性を決定づける(格差の再生産)問題の深刻さについて知る、3)家族政策について社会規範にとらわれず研究などエビデンスに基づいて議論する、4)子どもの幸福と自らの専門性を関係づけて書いたり話したりする。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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ジャーナリストとして、政府や企業の子育て政策を取材し数千の記事を書きました。経験をもとに実践的な知見と多様な人を説得する戦略的コミュニケーションの技術を伝えます。 |
子ども、国際比較、政策、企業、格差
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
授業の始めに、事前に読んでいただく資料に基づき、受講生に意見を述べてもらいます。各回で異なる書籍や記事、政策文書を指定します。その後、教員が各回のテーマに関する解説をします。授業中に出席者の意見を尋ねます。この授業は留学生の受講を歓迎します。教員は日本語で授業を行い資料は日本語で提供しますが、受講生は日本語・英語どちらでも発言することができます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 子どもの視点を思い出す | ご自身が小学生だった頃、望んでいたことは、今、実現していますか。 |
第2回 | 世界の子ども・日本の子ども | 絶対的貧困・相対的貧困とは何のことでしょう。 |
第3回 | コロナで子ども達の暮らしはどう変わったか | コロナが子どもに与えた影響について、身近な子どもへのヒアリングまたは文献調査をしていただきます。 |
第4回 | 子どもの福祉と政策起業家、メディアの役割 | 貧困や児童虐待など子どもに関する課題、解決のために働く主体について理解します。 |
第5回 | ソーシャル×サイエンスによる解決策 | 子育てを巡る社会規範を科学的に検証するドキュメンタリー番組を見て議論します。 |
第6回 | 企業は子どもの未来のために何ができるか | ESGとSDGsについて、参考資料を読んで基本事項を把握しておいてください。 |
第7回 | あなたができることを考えよう | これまでの授業内容を踏まえ、子どもの未来のために自分ができることを考えてください。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特にありません。
山寺香「誰もボクを見ていない」(ポプラ社)、山口慎太郎「家族の幸せの経済学」(光文社新書)など。
授業内容の理解と独自の視点を構築する努力を評価します。毎回の授業後に提出するショートレポート(70点:10点×7回)、授業中のディスカッションへの貢献度(10点)と期末レポート(20点)に基づいて行う。
条件はありません。