2021年度 表象文化論B   Studies of Culture and Representation B

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開講元
文系教養科目
担当教員名
久保 友香 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-2(W521)  木1-2(W521)  
クラス
-
科目コード
LAH.H215
単位数
2
開講年度
2021年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2021年3月19日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

1990年代半ば以降のデジタル技術の発展は、「自撮り(Selfie)」という人間の新しい行動を生み出した。その意味は「自分自身をカメラで撮影すること」であり、「インターネットを介して他者と共有すること」を含むこともある。今では、「自撮り」が生成した自己像でリモート授業やリモート会議に出席することも増え、日常化が進む。
 「自撮り」の技術の特徴として、ユーザがしばしば、技術者が意図しなかったような技術の使い方をしてきたことがある。その結果、「自撮り」の文化は、地域や属性さらにコミュニティごとに、多様な発展をしてきた。本講義では、過去約25年の「自撮り」の技術と文化の関係を追いながら、「自己像」の変遷を明らかにする。
 その上で、さらなる「自撮り」の発展が導く、バーチャルアバターの可能性や、監視社会への危惧などを展望しながら、「自己像」の未来について探求することが、本講義の目的である。

到達目標

①デジタル技術の発展による、写真の撮影・加工・公開の大衆化の構造を理解する。
②「自撮り」に関して、技術の進化が文化の変化に影響を与えてきた構造を理解する。
③今後の技術発展が「自己像」をどう変えていくか、自分なりの考えを持つ。

キーワード

自撮り 自己像 顔画像処理 顔認識 視覚伝達

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義を基本とする。適宜、コメントやレポートの提出も求める。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション 「自撮り」の技術と文化を捉える基本構造を理解する。
第2回 「自撮り」の源流①:テレビ電話と画像センシング 「自撮り」の源流にあるテレビ電話や画像センシングの技術史を理解する。
第3回 「自撮り」の源流②:レンズ付きフィルムとストリート系雑誌 写真を撮影・公開することが大衆化していった過程を理解する。
第4回 「自撮り」の源流③:プリクラとプリ帳 プリクラの誕生経緯と、それが導いた文化を理解する。
第5回 2000年代の「自撮り」①:カメラ付き携帯電話の誕生 カメラ付き携帯電話の誕生経緯と、それが導いた文化を理解する。
第6回 2000年代の「自撮り」②:携帯電話、日本独自の発展 携帯電話内蔵カメラの高性能化と無線通信の高速化の過程を理解する。
第7回 2000年代の「自撮り」③:ケータイブログとデカ目 カメラ付き携帯電話とケータイブログが導いた文化を理解する。
第8回 2010年代の「自撮り」①:世界に広がったセルフィー スマートフォンとSNSの普及により、世界に広がったセルフィー文化を理解する。
第9回 2010年代の「自撮り」②:中国の「自撮り」デバイス 中国の「自撮り」技術の発展過程と、それが導いた文化を理解する。
第10回 2010年代の「自撮り」③:インスタグラムとインスタ映え スマートフォンとインスタグラムが導いた文化を理解する。
第11回 「自撮り」の現在 リモート会議やリモート授業など、「自撮り」が日常化する現在を観察する。
第12回 「自撮り」の未来①:監視社会 「自撮り」が引き起こす監視社会の未来を展望する。
第13回 「自撮り」の未来②:バーチャルアバター 「自撮り」で作るバーチャルアバターの未来を展望する。
第14回 「自撮り」の未来③:自己像の行方 技術によって変化する自己像の未来について考察する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし。講義資料は配布する。

参考書、講義資料等

久保友香『「盛り」の誕生』(太田出版、2019年)

成績評価の基準及び方法

授業への参加度(40%)、期末レポート(60%)

関連する科目

  • LAH.H113 : 表象文化論A
  • LAH.H314 : 表象文化論C
  • LAH.S430 : 文系エッセンス34:表象文化論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし。

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