本講義では、東南アジアの地理環境、社会や歴史の背景を踏まえたうえで、各国の政治や社会で現在直面している問題を取り上げます。具体的には、次のような問いに焦点を当てていきます。「ポピュリズム」は、各国の政治にどのように影響しているでしょうか。ミャンマーではなぜ、どのような背景でクーデタが起こったのでしょうか。各国は、新型コロナウイルス感染症の拡大にどのように対応しているのでしょうか。
本講義のねらいは、東南アジア地域・各国の地理、宗教、歴史、政治経済に関する基礎的な知識を得ること、さらに現在直面している課題を理解することにあります。その結果、みなさんが旅行や仕事で東南アジアを訪れたときに、知識や理解を踏まえて人々と交流したり、あるいは東南アジアに関する報道に接したときに、的確に情勢を把握し情報収集したりできるようになるでしょう。
本講義の履修によって、以下の知識や能力を修得します。
1)東南アジア地域・各国の地理、生業、言語、宗教、歴史、政治、経済などに関する基礎的な知識。
2)東南アジア地域・各国が現在直面している政治、社会経済に関する課題への理解。
3)人間社会の多様性を理解し、尊重する姿勢。
東南アジア、政治、歴史、文化、社会
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
教員が準備するスライド資料に沿って、授業を進めます。適宜、映像や写真を用います。受講者は講義内容に関する理解度チェックが含まれるリアクションペーパーを毎回の授業後に提出する必要があります。講義内容に関する質問はメールとリアクションペーパーで受け付けます。リアクションペーパーの内容や質問は次回授業で共有のうえ、回答します。
***8月追記***
この科目は8回目として、
期末試験・補講期間中の12月1日にオンデマンド型でオンライン試験を実施します。
前後の時間帯に対面の試験・補講がある場合には、安全に受験できる時間を自分で選択できます。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | イントロダクション:「東南アジアを知る」とは? | 東南アジア地域の概要を把握し、地域をどのように捉えられるか理解する |
第2回 | 地理、生業、宗教、民族 | 環境や社会を理解する |
第3回 | 植民地支配、国家建設 | 各国の成り立ち、形成過程を理解する |
第4回 | 日本・中国と東南アジア | 日本や中国とどのような関係を築いてきたのかを理解する |
第5回 | 経済発展、人の移動 | 経済発展や開発の過程、人々の移動の変容を理解する |
第6回 | 政治①:民主主義と権威主義 | 各国の政治体制の性質と現状を理解する |
第7回 | 政治②:君主制、軍、ポピュリズム | 各国の政治に影響を与えるさまざまな要因を理解する |
第8回 | 期末試験 |
学修効果を上げるため,配布資料を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定しません。
講義資料は授業中に配布します。
岩崎育夫(著). 『入門東南アジア近現代史』(講談社現代新書), 講談社, 2017.(ISBN:978-4062884105)
古田元夫(著). 『東南アジア史10講』(岩波新書)(ISBN:978-4004318835)
授業参加と小課題(リアクションペーパーの提出)40%、期末テスト60%。
とくにありません。
この科目は、修士課程500番台の文系教養科目です。
東工大では、学士から博士後期課程まで継続的に教養科目を履修する「くさび型教育」を実践しています。番台順に履修することが推奨されており、修士課程入学直後の学期(4月入学者であれば1・2Q、9月入学者であれば3・4Q)に履修申告できる文系教養科目は400番台のみです。500番台文系教養科目は、入学半年してから(4月入学者であれば入学した年の3・4Qから、9月入学者であれば入学した翌年の1・2Qから)履修可能となります。