「哲学」と呼ばれる学問は、発端となった古代ギリシアから数えても、2500年以上の歴史を持ちます。その長い歴史のなかで、哲学ではさまざまな問題が検討されてきました。
例えば、現在でも科学哲学、数学哲学、生物哲学、神経哲学、言語哲学、法哲学、音楽哲学、歴史哲学、人工知能の哲学など、いろいろな「Xの哲学」(Xには任意の対象が入ります)が行われているところです。そこでは例えば、「脳と心はどう関係しているのか」「知能とはなんだろうか」「生命とはなにか」「美しいとはどういうことか」「幸せとはどういう状態か」といった問題が探究されています。
この講義では、哲学の歴史を大きく辿り、百学が連環する様子を見ながら、いくつかの具体的な問題に注目してみます。
この講義では、受講者が次のことをできるようになることを目標とします。
1) 哲学という営みがどのようなものかを理解できる。また、誰かに説明できるようになる。
2) 哲学の歴史のなかで、どのような問いが提示され、検討されてきたかを理解する。
3) 以上を参考にして、自分でも問いを立てられるようになる。
哲学、哲学史、問い、百学連環、人文学
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
スライドを使った講義形式を中心として、学生のみなさんからの質問や意見があれば随時応じます
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | プロローグ――講義概要の説明 | この講義では何をするのか、どんなふうに臨めばよいかを理解する |
第2回 | 哲学について考える | 哲学とはどのような営みか、その歴史はどのようなものかを理解する |
第3回 | 問題篇:心と脳はどう関係しているか――心と神経の哲学 | 心脳問題を理解する |
第4回 | 歴史篇:古代哲学 | 哲学のはじまりでは、どのような問いが提示されたかを理解する |
第5回 | 問題篇:文学はなにをしているか――創作の哲学 | 文学を例に哲学は何をなしうるかを理解する |
第6回 | 歴史篇:中世哲学 | ヨーロッパの中世において哲学は何を問題としたかを理解する |
第7回 | 問題篇:人はなにを知ることができるのか――科学の哲学 | 科学を例に哲学は何をなしうるかを理解する |
第8回 | 歴史篇:近代哲学 | ヨーロッパの近代において哲学は何を問題としたかを理解する |
第9回 | 問題篇:人はなぜ遊ぶのか――遊戯の哲学 | 遊びを例に哲学は何をなしうるかを理解する |
第10回 | 歴史篇:現代哲学1 | 現代において哲学は何を問題としたかを理解する |
第11回 | 問題篇:言語とはなんなのか――言語の哲学 | 言語を例に哲学は何をなしうるかを理解する |
第12回 | 歴史篇:現代哲学2 | 現代において哲学は何を問題としたかを理解する |
第13回 | 問題篇:人工知能はつくれるか――計算機の哲学 | 人工知能を例に哲学は何をなしうるかを理解する |
第14回 | 歴史篇:日本の哲学 | 日本における哲学の展開を理解する |
第15回 | エピローグ――全体をふりかえる | ここまでの講義をふりかえる |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
必要に応じて資料を配付します
講義内で随時紹介します
期末レポート70%、中間ミニレポート20%、講義への貢献(発言・質問など)10%
予備知識は必要ありません