本講義では、詩を通じて「いのち」とは何かを考える。ここでいう「いのち」とは身体的生命に限定されない、私たちを活かしている、ある「ちから」を指す。
この問題を考える端緒として、ハンセン病に関係する人々が紡いだ言葉を味わう。「弱く」あることの意味、あるいは「弱者」の叡知に関しても考えを深めたい。
言及する詩人としては、『生きがいについて』の著者である神谷美恵子、詩人としては永瀬清子、大江満雄、塔和子、志樹逸馬などの作品を取り上げる。
詩にふれることで、言葉の表面的な意味だけにとどまらない意味の深みを感じ、また表現することを目指す。またそれにより、表現の自由度を高め、書くことや話す(伝える)ことの喜びも感じてもらえるようにしたい。また、口語自由詩の創作も行う。
この講義は二人の講師の二部構成からなる。一部は若松英輔、若松が、「詩学」をめぐって講義を行う。
もう一方は、木村哲也が担当する。木村哲也氏は、国立ハンセン病資料館の学芸員であり、民俗学者、近代日本におけるハンセン病詩人の研究者でもある。
*基本的には音声録音した講義とレジュメをOCW-iにアップする。Zoomでは行わない。
*これからの理由から録音による講義とし、質問はメールにて受け付け、次回あるいは、次々回の講義にて重要な質問については可能な限り回答する。
*今私たちは、文字通りの意味で「歴史的」な転換点に立っています。それを生き抜く「危機の詩学」「危機の叡知」を皆さんと考えていきたいと思います。
本講義を履修することによって、次の能力を習得を目標とする。
1)詩という表現形式が存在する意味と役割を考える。
2)個々の詩的世界を味わい、その意味を考察することができる。
3)自己の経験、環境、心情を詩によって表現することができる端緒をつかむ。
文学、詩歌、人間、文化
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回、詩歌、あるいは詩論などの文章を読み、適宜、文章(詩)を書く機会を設けます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 授業ガイダンス | 全体の説明 |
第2回 | 詩の読み方、詩の書き方 | 人はなぜ、詩を書くのかを考える |
第3回 | いのちの言葉としての詩歌 ① | 詩的言語のはたらきを感じ、考える |
第4回 | いのちの言葉としての詩歌 ② | 詩的言語のはたらきを感じ、考える |
第5回 | いのちの言葉としての詩歌 ③ | 詩的言語のはたらきを感じ、考える |
第6回 | いのちの言葉としての詩歌 ④ | 詩的言語のはたらきを感じ、考える |
第7回 | 総括、質疑応答 | 詩を書き、書くことの意味を考える |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書は特に指定しない。精読する作品については適宜授業でコピーを配布する。
特になし。
中間レポート(50%)
期末レポート(50%)
特になし。
wakamatsu_e[at]lia.titech.ac.jp
事前にメールにて連絡すること
特になし