2020年度 文系エッセンス10:サイエンス・ビジュアリゼーション   Essence of Humanities and Social Sciences10:Science Visualization

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開講元
文系教養科目
担当教員名
原木 万紀子 
授業形態
講義    (Zoom)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
水5-6(Zoom)  
クラス
-
科目コード
LAH.S410
単位数
1
開講年度
2020年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2020年9月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

"本講義では、自身の研究活動で得られた結果を、分かりやすく的確に相手に伝えるための情報デザイン技術について扱う。特に、情報のビジュアル化に焦点を置き、講義毎テーマに沿ってポイントとなる知識や技術をレクチャーし、技術や知見の獲得だけではなく自身の視覚的な経験値の向上を目指す。
画像や映像といった文字ではないコミュニケーションが増加する現在、情報をビジュアル化して伝えることは一つの重要な手段となりつつある。とりわけ情報のビジュアル化は、近年インフォメーショングラフィックと呼ばれ情報伝達ツールとして注目を集めている。
元々は、統計データを分かりやすく伝えるために発展していった分野であり、講義で扱う内容は、実験等で得られた数値データを、表やグラフ化する際に活用することが期待される。
 授業を通して、情報を伝える相手によってどの様に伝えるべきか、またどの様な表現をするべきか、情報をデザインするための思考とアウトプット能力を育てていく。また、情報デザイン及びビジュアル化の例を、芸術分野の資料を用いながら進めていくことで、実践における正解はなく、自身の目で見て分析し、表現していくことの重要性を伝えていく。

 本講義のねらいは、講義を通して得られた知識や技術を、学会での口頭発表やポスター発表等、他者との交流場面で実践する能力を身につけることにある。また、講義で扱う知識や技術は日常のコミュニケーション場面においても活用が期待出来、コミュニケーション能力の向上も期待される。加えて、これらを的確に表現するためには、自身の研究に対する深い理解が求められる。授業を通して、改めて自身の研究と向かい合う機会が得られることも期待される。
 更にポスターやスライドをはじめ、構築し作り出す・生み出す行為において視覚的経験もより完成度の高い成果物に必要不可欠となるため、視覚的な経験を促すための資料(絵画等)を用いてVisual Literacyを高める点もねらいの一つである。

到達目標

"本講義を履修することにより、情報デザイン及びビジュアル化に対する知識と実践能力を身につけることを目標とする。
・情報をデザインすることの重要性を知る
・伝える相手や発表手段に適したデザイン及びビジュアル化があることを知り、実際に活用できる
・自身の研究内容を適切な時間・範囲にまとめて伝えることができる
・自身が考えたデザイン及びビジュアルを的確に表現することができる
・自身の感覚的な印象を、分析的かつ総合的に言葉にし、相手に伝えることができる
・他者との議論を通じて、情報を多角的に捉えることができる"

キーワード

情報デザイン、ビジュアル化、インフォメーショングラフィック、コミュニケーション、学会発表、美術、ビジュアルリテラシー

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

"講義毎のテーマに沿って1枚の絵画作品を取り上げ、作品についてどのように感じるか、”見る・観察する”力を養い、自身の考えを言葉で表現するための訓練として、グループワークを実施する。その後、授業毎に扱うテーマの基本的知識と、実践に向けたポイントについて解説する。最終的に、授業を通して修得した知識を用いて、情報デザイン及びビジュアル化の実践・発表、及びケーススタディに取り組む。Covid-19の感染拡大を鑑み、本授業は全てZoomを用いてオンラインにて実施され、システムに附帯するブレイクアウトシステムにてディスカッションを行う。履修希望者は、授業開始前までにZoomをダウンロードし使用できるようご準備願います。(授業の内容には変わりはありませんが、授業の進め方については履修者のオンライン環境を把握した上で変更の可能性があるかもしれませんので、ご了承ください。)"

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 授業ガイダンス:情報の伝え方、情報デザインの重要性、ビジュアル化の可能性について 情報デザインの重要性を実感できるようになる
第2回 情報デザイン基礎事項ー伝え方、伝わりやすさについて 誰に対し、どの様に見せたいかによって伝え方が変化することを理解し、実践で生かせるようになる
第3回 情報デザイン要素(1)ー色 色の違いによって、与える印象や伝達効果が変化することを理解し、情報に適した色の選択が出来るようになる
第4回 情報デザイン要素(2-3)ー形とフォント 用いる形によって与える印象が変化することを理解し、グラフや表に適した形の選択が出来るようになるフォントの違いによって可読性や与える印象が変化することを理解し、情報に適したフォントの選択が出来るようになる
第5回 情報デザイン要素(4)ー装飾、情報ビジュアル化実践(1)ー制作シートの活用 伝える相手や情報に適した魅せ方を探り、魅せることの利点と弊害を理解し、実践で生かせるようになるなる。授業で得られた知識を生かし、自身の研究情報をビジュアル化するための骨子を作成し、ピアレビューをすることで他者からの新たな発見を得る。
第6回 情報ビジュアル化実践(2)ー制作シートの活用 授業で得られた知識を生かし、先週作成した自身の研究情報をビジュアル化するための骨子を作成し、ビジュアル化の具体的な例を提案する。そららを元にピアレビューを行い、他者から新たな発見を得たり新たな知見を得る。
第7回 情報ビジュアル化実践(3)ー制作・発表 骨子を元に作成したワークシート2点の内容をグループに分かれ共有、様々なアウトプットがあることを実感する
第8回 情報ビジュアル化実践(2)ーケーススタディ(テスト) 骨子を元に提示された条件のもと、情報の構築実践を行う

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

必要に応じて指定する。

参考書、講義資料等

参考書
・Edward R. Tufte. (2006). Beautiful Evidence. Graphics Pr. ISBN: 0961392177
・原木 万紀子, (2018), 情報と芸術のあいだ, 勁草書房, ISBN:978-4-326-80059-9
・原木 万紀子, (2018), 伝わる医療の描き方 患者説明・研究発表がもっとうまくいくメディカルイラストレーションの技術, ISBN:978-4-7581-1829-3


講義資料:毎授業情報デザインの基礎知識をまとめたハンドアウトを作成し授業にて配布する。"

成績評価の基準及び方法

"毎授業行うグループワークでの発言及び参加度(40%)
授業を通して修得した知識を使って作成した成果物(60%)"

関連する科目

  • 特になし

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

事前に身につけているべき知識や技術はない。

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