2020年度 言語学C   Linguistics C

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開講元
文系教養科目
担当教員名
赤間 啓之  山元 啓史 
授業形態
講義 / 演習    (Zoom)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8(W641)  金7-8(W641)  
クラス
-
科目コード
LAH.T309
単位数
2
開講年度
2020年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2020年9月18日
講義資料更新日
2020年5月21日
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

言語学Cでは脳神経言語学を中心に、関連する認知言語学、統計言語学(自然言語処理)まで概観する。脳の構造・機能を通じて言語を捉えようとする科学の歴史から説き起こし、先人達がどのような測定方法で言語機能の神経基盤を解明してきたか、特に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)に重点を置きつつ紹介する。現代言語学の重要なテーマである、言語習得、多言語併用、言語障害(失語症)、意味処理、記憶・知覚・運動・情動などについては、基本から最近の研究動向まで紹介する。また脳神経言語学の研究に必須な計算プログラミングについて、導入的な解説を行う。
 学生は言語と脳についての科学に触れることで、人間に関する教養と研究の基本的スキルを身につけることでき、この研究分野の楽しさ、難しさに気づくことができる。人間理解が深まることで、高度な情報社会、科学技術社会で生きてゆく際に自分にとっての羅針盤を作る上で一助となりうる。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)脳神経言語学を通じて言語学と神経科学の基本的内容を理解することができる。
2)ヒトの脳の機能と構造を探究する言語実験について、今後必要な基本的スキルを獲得することができる。
3)言語学に必要な計算機プログラミングについて、今後必要な基本的スキルを習得することができる。

キーワード

言語, 言語学, 脳, 神経科学, 脳神経言語学, 脳画像解析, 磁気共鳴画像法, fMRI

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業情報の詳細は以下のURLを参照されたい。
https://sites.google.com/site/akamatitechlab/coursesbyakama2020_1q
南4号館 情報ネットワーク演習室 第2演習室にてZOOM、Slackにより配信を行う。教卓のパソコンのデスクトップ画面と教員の音声を共有する。感染予防に問題のない範囲で、授業の終了後になる公算が高いが、COVID-19が終息し、来学が許可された場合、他の授業がなく利用者が少ないオープン時間に、教育用電子計算機システムの教室のいずれかに入室して作業を進めることができる。ただしこれは履修上、必須要件とはしない。課題の提出は週に1回、TokyoTechOCW-iを用いて行う。リモート出席・リモートアクセスの確認、質疑応答、細かい教材のシェアは仕事を効率化するコラボレーションハブであるSlackを通じて行う。SlackのワークスペースはワークスペースCoursesByProfAkama20201Q、URLはcoursesbyprof-9rs9894.slack.comである。名前と所属(系)、学籍番号をメールで申告し、履修意思を明示した本学学生(授業登録の前でよい)には招待状を送るが、この条件を満たさない場合は、履修登録完了まで待ってもらうこともありうる。なお遠隔配信中、回線不調等により、やむを得ずオンライン授業の受講ができない場合は、復旧した時点でSlackによりその間の事情を説明できる場合、出席を考慮する。TokyoTechOCWを通じての本講義の情報はassignment関連などOCW-iプロパーのものを除き、すべて公開される。そこに掲載するコンテンツは著作権をクリアしないといけないので、限定されたものとなる。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 導入・ガイダンス 言語学Cの導入部の内容を理解することができる
第2回 脳と言語, 動物と人間 ヒトが生得的に有する言語能力の脳内表象について説明できる
第3回 脳の代表的構造 ヒトの脳の代表的構造について説明ができる
第4回 脳地図の活用 ヒトの脳の階層構造と解剖学的ラベリングについて説明ができる。
第5回 古典的言語野 ブロカ野、ヴェルニッケ野など言語領域の発見の歴史について説明できる
第6回 神経言語学とは 言語の脳内処理過程を捉える脳神経言語学の概観について説明できる
第7回 意味論(1) 脳内での言葉の意味処理に関する様々な理論を説明できる
第8回 意味論(2) 脳内での言葉の意味処理に関する様々な理論を説明できる
第9回 多言語併用 多言語を操るヒトの脳の機制に関する理論について説明できる
第10回 言語の獲得と喪失 言語能力の喪失(失語症)をもたらす様々な脳の異常について説明ができる
第11回 意味ネットワークと記憶 脳内の神経ネットワークや言語の意味ネットワークについて説明できる
第12回 脳画像からの言語反応 脳機能画像法によって脳内の言語処理を探る方法について説明できる
第13回 脳画像の計算 脳機能画像法にとって必要なコンピュータリテラシーについて説明できる
第14回 まとめと振り返り 言語学Cの内容の総まとめを行うができる

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特に購入の必要はないが、以下を読むことを推薦する。
William O'Gradyら, Contemporary Linguistics, An Introduction. Chapter 11~14,Bedford/St.Martin's.
(言語学A,B,Cを通して受講する学生には強く推奨する)
Eric R. Kandelら, Principles of Neural Science, Mc Graw Hill, Part IX.
(生命理工学院の300番台授業、「基礎神経科学」及び400番台授業、「神経科学」でそれに沿った授業をするので、それらを受講する学生には強く推奨する)
Scott A. Huettel et al., Functional Magnetic Resonance Imaging, Second Edition, Sinauer Associates, Inc.
(系でMRIを専門にしたい学生には強く推奨する)

参考書、講義資料等

以下の教科書を踏まえた独自の講義資料を作成し、TOKYO TECH OCWまたはTOKYO TECH OCW-iまたはSlackよりダウンロードできるようにする。
William O'Gradyら, Contemporary Linguistics, An Introduction. Chapter 11~14,Bedford/St.Martin's
Eric R. Kandelら, Principles of Neural Science, Mc Graw Hill, Part IX
Scott A. Huettelら, Functional Magnetic Resonance Imaging, Second Edition, Sinauer Associates, Inc.
その他

成績評価の基準及び方法

1週間に1回のレポートで評価する。

関連する科目

  • LAH.T109 : 言語学A
  • LAH.T210 : 言語学B
  • LAH.H109 : 教養特論:言語と文化
  • LST.A346 : 基礎神経科学
  • LST.A410 : 神経科学
  • HCB.M461 : 脳の計測
  • LST.A242 : バイオ機器分析

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

Hiroyuki Akama: akama.h.aa[at]m.titech.ac.jp

その他

授業情報の詳細は以下のURLを参照されたい。
https://sites.google.com/site/akamatitechlab/coursesbyakama2020_1q
授業担当教員のこの分野での研究活動に関心のある履修希望者は以下のURLを参照されたい。
https://www.researchgate.net/profile/Hiroyuki_Akama
https://sites.google.com/site/akamatitechlab/home
この科目は、人数超過の場合には抽選を実施いたします。初回の授業に必ず出席するようにしてください。

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