2020年度 国際関係論B   International Relations B

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開講元
文系教養科目
担当教員名
川名 晋史 
授業形態
講義    (Zoom)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(S421)  金5-6(S421)  
クラス
-
科目コード
LAH.S204
単位数
2
開講年度
2020年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2020年9月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

今年度は例外的に、下記のとおりとする。
参考までに、変更前の内容をシラバスのカラムに残すが、今年度の授業には適用されない。
履修時期を来年度以降にするかどうかの判断材料にされたい。

今年度の授業は次のように行う。
受講生は、熟読すること。

課題図書:
アーネスト・メイ『歴史の教訓―アメリカ外交はどう作られたか』(進藤榮一訳、岩波書店、2004年)を読み、レポートを提出する。

本講義は、zoomの脆弱性と授業運営上のリスクを回避するために、このような形式で授業を行う。
元来、国際関係論Bは国際政治史、とりわけ冷戦史を考察することを目的とするものである。
履修者は、同分野の優れた古典である同書を読み、考察することで、従来の対面授業と同等の学習効果を得られる。
古典に触れるよい機会と思って、じっくり読んでほしい。

1) 初回(5月5日火、5-6限)のガイダンスのみ、zoomで行う。ID等はメールで通知する。ただし、インターネット環境にない者は受講しなくてよい。本授業において単位を取得するために必要な情報は、すべて下記にある。
2) 課題図書は生協やECサイトを通じて各自購入すること。在庫切れ等の理由により、どうしても入手できない者は、購入可能な別の図書を指定する場合がある。該当する者は、教員にメールで相談すること。なお、授業開始の時点で指定図書を入手できていなくても構わない。(※図書を入手できない者のために、教員が指定図書の一部をPDFで提供する可能性も検討したが、著作権法第35条に鑑み、行わないこととした)
3) 出席はとらない。期末試験も行わない。
4) レポートは単なる書評ではなく、課題図書の内容を踏まえ、独自の視点で何らかの考察・調査を行うこと。
5) 調査にあたっては、入手可能な範囲で、他の論文や書籍にあたること。
① 参考図書: E. H. カー『危機の20年―理想と現実』(原彬久訳、岩波書店、2011年)
② 国立国会図書館のレファレンスサービス「リサーチ・ナビ」を積極的に活用してほしい。https://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/
③ 論文を読みたい場合は、J-STAGE、Google Scholar、CiNii等を活用すること。
④ 古い本が中心だが、国会図書館デジタルコレクションも使用できる。
    https://dl.ndl.go.jp/
6) レポート〆切: 6月19日(金)(授業最終日)、23時59分まで。
7) レポート提出: OCW-iに提出。ネット環境上、それが難しい学生は、配達記録が残るかたち(レターパック等)で教員の指定する住所に送付する。そのような学生はメール(shinji.kawana@ila.titech.ac.jp)で申し出ること。
8) 分量: 5,000字以上(分量の多寡は評価と無関係)
9) 質問がある場合: 
① メールで受け付ける。宛先は、shinji.kawana@ila.titech.ac.jp 質問が大量に来た場合、教員による返信は原則、授業時間内に行うこととする。学生はメールのマナーに十分、注意してほしい。
② 5月15日(金)、5月29日(金)、6月12日(金)の5-6限に、zoomによる質疑応答の時間を設ける。ID等は、メールで通知する。質問のある学生は参加すること。なお、参加しなくとも評価には一切、影響しない。
10) レポートの評価基準: 
① 客観的な分析・記述がなされているか。
② 独自の調査が行われているか。
③ 批判的に考察されているか。
④ なお、剽窃(コピペ)等が発覚した場合、学内の規定に則り厳正に処する。


以上


―以下は、参考までに、本来であれば行うはずだった授業に関する情報である。
繰り返すが、変更前の内容を以下のカラムに残しているが、今年度の授業には適用されない。


今日、全ての国家は主権の上では平等ということになっているが、歴史的にみれば、そのような世界秩序のあり方は普遍的ではない。そこで本講義では、われわれが今日考えるような「国際関係」がいつどのような形で始まり、どのような推移を経て今に至っているのかを考えていく。とりわけ、戦後冷戦の中心舞台であったヨーロッパにおいて、米ソの勢力争いは何をめぐってどのように行われたのか。またその冷戦に大国がどのように関わり、それをどのように克服しようと試みたのか。こうした観点から、米ソの大国間政治の相互作用の過程を明らかにする。                                                            本講義のねらいは、「現在」を普遍のものだと考える固定的な視座を打ち砕くことにある。

到達目標

本講義を履修することで次の能力を修得する。                                          
1)国際政治の歴史的展開を、大国間の「力」をめぐる政治の問題として理解する。                         
2)今日の国際政治の在りようを、歴史的文脈にもとづいて分析する。

キーワード

歴史、主権、力、協調、冷戦、テロ

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義形式で行うが、受講者との双方向的なやり取りも重視する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ガイダンス 現代の国際政治を学ぶために歴史を捉える意義を理解する。
第2回 国際関係論・国際政治学とはなにか。 「学」としての国際関係・国際政治とは何かを理解する。
第3回 主権国家の誕生 国際政治における「国家」とはなにか。歴史に依拠しながら、それを理解する。
第4回 戦争と大国 戦争の歴史をとおして国際政治のダイナミズムを理解する。
第5回 第一次世界大戦と戦間期 「総力戦」は国際政治に何をもたらしたか。次なる悲劇への「序章」を捉える。
第6回 第二次世界大戦 大国の「出口戦略」の視点から、戦争終結の力学を理解する。
第7回 ブレトンウッズ体制の構築と戦後の国際秩序 「制度」をつうじた統治とはなにか。力と協調のバランスを理解する。
第8回 冷戦の幕開け(1) 「覇権」とはなにか。冷戦は不可避だったのか。大国の戦後戦略を理解する。
第9回 冷戦の幕開け(2) 冷戦を制度化した同盟とはなにか。NATOの創設過程を理解する。
第10回 冷戦の進展―抑止と協調 「核の均衡」とはなにか。抑止と協調の時代を理解する。
第11回 デタントとナショナリズム デタントが浮き彫りにした国際・国内レベルの相互作用を理解する。
第12回 冷戦の終結と新秩序 冷戦の終結は世界に何をもたらしたか。新秩序の幕開けを理解する。
第13回 帝国 米国は過去の帝国と同定されるか。「帝国論」の視点から理解する。
第14回 期末試験

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし。毎回レジュメを配布する。

参考書、講義資料等

・ 村田晃嗣(他)『国際政治学をつかむ』(有斐閣 2009年) 
・ 石井修『国際政治史としての20世紀』(有信堂 2000年)

成績評価の基準及び方法

中間試験(20%)、期末試験(80%)

関連する科目

  • LAH.S104 : 国際関係論A
  • LAH.S305 : 国際関係論C

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

事前に身につけているべき知識はない。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

shinji.kawana[at]ila.titech.ac.jp

オフィスアワー

メールで事前予約すること。

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