今年度は例外的に、下記のとおりとする。
参考までに、変更前の内容をシラバスのカラムに残すが、今年度の授業には適用されない。
履修時期を来年度以降にするかどうかの判断材料にされたい。
今年度の授業は次のように行う。
受講生は、熟読すること。
課題図書:
アーネスト・メイ『歴史の教訓―アメリカ外交はどう作られたか』(進藤榮一訳、岩波書店、2004年)を読み、レポートを提出する。
本講義は、zoomの脆弱性と授業運営上のリスクを回避するために、このような形式で授業を行う。
元来、国際関係論Bは国際政治史、とりわけ冷戦史を考察することを目的とするものである。
履修者は、同分野の優れた古典である同書を読み、考察することで、従来の対面授業と同等の学習効果を得られる。
古典に触れるよい機会と思って、じっくり読んでほしい。
1) 初回(5月5日火、5-6限)のガイダンスのみ、zoomで行う。ID等はメールで通知する。ただし、インターネット環境にない者は受講しなくてよい。本授業において単位を取得するために必要な情報は、すべて下記にある。
2) 課題図書は生協やECサイトを通じて各自購入すること。在庫切れ等の理由により、どうしても入手できない者は、購入可能な別の図書を指定する場合がある。該当する者は、教員にメールで相談すること。なお、授業開始の時点で指定図書を入手できていなくても構わない。(※図書を入手できない者のために、教員が指定図書の一部をPDFで提供する可能性も検討したが、著作権法第35条に鑑み、行わないこととした)
3) 出席はとらない。期末試験も行わない。
4) レポートは単なる書評ではなく、課題図書の内容を踏まえ、独自の視点で何らかの考察・調査を行うこと。
5) 調査にあたっては、入手可能な範囲で、他の論文や書籍にあたること。
① 参考図書: E. H. カー『危機の20年―理想と現実』(原彬久訳、岩波書店、2011年)
② 国立国会図書館のレファレンスサービス「リサーチ・ナビ」を積極的に活用してほしい。https://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/
③ 論文を読みたい場合は、J-STAGE、Google Scholar、CiNii等を活用すること。
④ 古い本が中心だが、国会図書館デジタルコレクションも使用できる。
https://dl.ndl.go.jp/
6) レポート〆切: 6月19日(金)(授業最終日)、23時59分まで。
7) レポート提出: OCW-iに提出。ネット環境上、それが難しい学生は、配達記録が残るかたち(レターパック等)で教員の指定する住所に送付する。そのような学生はメール(shinji.kawana@ila.titech.ac.jp)で申し出ること。
8) 分量: 5,000字以上(分量の多寡は評価と無関係)
9) 質問がある場合:
① メールで受け付ける。宛先は、shinji.kawana@ila.titech.ac.jp 質問が大量に来た場合、教員による返信は原則、授業時間内に行うこととする。学生はメールのマナーに十分、注意してほしい。
② 5月15日(金)、5月29日(金)、6月12日(金)の5-6限に、zoomによる質疑応答の時間を設ける。ID等は、メールで通知する。質問のある学生は参加すること。なお、参加しなくとも評価には一切、影響しない。
10) レポートの評価基準:
① 客観的な分析・記述がなされているか。
② 独自の調査が行われているか。
③ 批判的に考察されているか。
④ なお、剽窃(コピペ)等が発覚した場合、学内の規定に則り厳正に処する。
以上
―以下は、参考までに、本来であれば行うはずだった授業に関する情報である。
繰り返すが、変更前の内容を以下のカラムに残しているが、今年度の授業には適用されない。
今日、全ての国家は主権の上では平等ということになっているが、歴史的にみれば、そのような世界秩序のあり方は普遍的ではない。そこで本講義では、われわれが今日考えるような「国際関係」がいつどのような形で始まり、どのような推移を経て今に至っているのかを考えていく。とりわけ、戦後冷戦の中心舞台であったヨーロッパにおいて、米ソの勢力争いは何をめぐってどのように行われたのか。またその冷戦に大国がどのように関わり、それをどのように克服しようと試みたのか。こうした観点から、米ソの大国間政治の相互作用の過程を明らかにする。 本講義のねらいは、「現在」を普遍のものだと考える固定的な視座を打ち砕くことにある。
本講義を履修することで次の能力を修得する。
1)国際政治の歴史的展開を、大国間の「力」をめぐる政治の問題として理解する。
2)今日の国際政治の在りようを、歴史的文脈にもとづいて分析する。
歴史、主権、力、協調、冷戦、テロ
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義形式で行うが、受講者との双方向的なやり取りも重視する。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ガイダンス | 現代の国際政治を学ぶために歴史を捉える意義を理解する。 |
第2回 | 国際関係論・国際政治学とはなにか。 | 「学」としての国際関係・国際政治とは何かを理解する。 |
第3回 | 主権国家の誕生 | 国際政治における「国家」とはなにか。歴史に依拠しながら、それを理解する。 |
第4回 | 戦争と大国 | 戦争の歴史をとおして国際政治のダイナミズムを理解する。 |
第5回 | 第一次世界大戦と戦間期 | 「総力戦」は国際政治に何をもたらしたか。次なる悲劇への「序章」を捉える。 |
第6回 | 第二次世界大戦 | 大国の「出口戦略」の視点から、戦争終結の力学を理解する。 |
第7回 | ブレトンウッズ体制の構築と戦後の国際秩序 | 「制度」をつうじた統治とはなにか。力と協調のバランスを理解する。 |
第8回 | 冷戦の幕開け(1) | 「覇権」とはなにか。冷戦は不可避だったのか。大国の戦後戦略を理解する。 |
第9回 | 冷戦の幕開け(2) | 冷戦を制度化した同盟とはなにか。NATOの創設過程を理解する。 |
第10回 | 冷戦の進展―抑止と協調 | 「核の均衡」とはなにか。抑止と協調の時代を理解する。 |
第11回 | デタントとナショナリズム | デタントが浮き彫りにした国際・国内レベルの相互作用を理解する。 |
第12回 | 冷戦の終結と新秩序 | 冷戦の終結は世界に何をもたらしたか。新秩序の幕開けを理解する。 |
第13回 | 帝国 | 米国は過去の帝国と同定されるか。「帝国論」の視点から理解する。 |
第14回 | 期末試験 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし。毎回レジュメを配布する。
・ 村田晃嗣(他)『国際政治学をつかむ』(有斐閣 2009年)
・ 石井修『国際政治史としての20世紀』(有信堂 2000年)
中間試験(20%)、期末試験(80%)
事前に身につけているべき知識はない。
shinji.kawana[at]ila.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。