2019年度 文系エッセンス39:意思決定論 1   Essence of Humanities and Social Sciences39: Decision Making 1

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開講元
文系教養科目
担当教員名
猪原 健弘 
授業形態
講義
曜日・時限(講義室)
水3-4(W242)  
クラス
1
科目コード
LAH.S508
単位数
1
開講年度
2019年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2019年12月4日
講義資料更新日
2019年8月7日
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

本講義の主題は「社会ネットワークと意思決定」である。社会ネットワーク上の社会的意思決定を対象とし、その基本概念と分析方法を講義と演習、および、グループワークを通じて取り扱う。「社会ネットワークの安定性」、「社会ネットワークにおける提携形成」、「社会ネットワークと社会的意思決定」、「会議の停滞」、「選択集団と選挙集団の交渉整合性」などを取り上げ、対象を数理的に記述し分析する能力を涵養する。

社会ネットワーク上の社会的意思決定を対象として、それを数理モデルで表現する能力、数理モデルを分析し結果を導出する能力、数理モデルの分析の結果を簡潔に他者に伝える能力を涵養することが本講義のねらいである。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。社会ネットワーク上の社会的意思決定を対象として、
1) 数理モデルで記述された対象の例を用いて、そこで使われている数理モデルの定義を述べることができる。
2) 数理モデルで記述された対象の例を分析して、その結果を他者に伝えることができる。
3) 扱いたい対象を適切な数理モデルを用いて記述することができる。
4) 数理モデルで表現された対象を分析し、その結果を他者に伝えることができる。

キーワード

社会ネットワークの安定性; 社会ネットワークにおける提携形成; 社会ネットワークと社会的意思決定; 会議の停滞;選択集団と選挙集団の交渉整合性

学生が身につける力

国際的教養力 コミュニケーション力 専門力 課題設定力 実践力または解決力

授業の進め方

1つの話題につき1回の授業を使う。

取り上げた話題についての講義と演習を行う。演習問題は、受講生が、はじめは1人で、次に他の受講生とペアで、さらに4人のグループで、最後に受講生全体で検討する。授業の最後に、個人の考察や他の受講生の考え、講義、演習を通じて学んだことを、受講生それぞれが「サマリー・レポート」に書いて提出する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ガイダンス; 自己紹介 本講義で扱う話題を3つ以上述べよ。新しい仲間を3人以上見つけよ。
第2回 記号; 社会ネットワーク、自己態度、安定性、対称性 3人の意思決定主体からなる社会ネットワークのうち、ハイダーの意味で安定しているものの例とハイダーの意味で安定していないものの例をそれぞれ一つずつ挙げよ。
第3回 分離可能性、集群化可能性、一般集群化可能性 3人の意思決定主体からなり、否定的自己態度を持つ主体が存在する社会ネットワークのうち、ニューカムの意味で安定しているものの例とニューカムの意味で安定していないものの例をそれぞれ一つずつ挙げよ。
第4回 社会的意思決定状況、会議、選択集団、選挙集団 3人の意思決定主体からなる社会的意思決定状況の例を挙げよ。
第5回 交渉整合性、過半数決定性、停滞 3人の意思決定主体からなる会議で、停滞しているものの例と停滞していないものの例をそれぞれ一つずつ挙げよ。
第6回 安定性、二分可能性、擬集群化可能性 3人の意思決定主体からなる社会的意思決定状況で、ハイダーの意味で安定しているものの例とニューカムの意味で安定しているものの例を挙げよ。
第7回 社会的意思決定状況についてのグループワーク グループワークを通じて社会的意思決定状況を記述し、分析せよ。
第8回 まとめと発展的話題; 社会ネットワークの安定性へのエージェントベースアプローチ (1) 3人の意思決定主体からなる社会ネットワークを2つ取り上げ、ハイダーの意味の安定性とニューカムの意味の安定性を用いて安定性分析を行い、その分析結果を用いて2つの社会ネットワークを比較せよ。 (2) (1)と同じ2つの社会ネットワークを持つ会議、選挙集団、選択集団をそれぞれ取り上げ、会議の停滞と交渉整合性についての分析を行い、その分析結果を用いて2つの社会ネットワークを比較せよ。

教科書

D. Cartwright, F. Harary, Structural balance: a generalization of Heider’s theory, Psychol. Rev. 63 (1956) 277-293.
J.A. Davis, Clustering and structural balance in graphs, Hum. Relations 20 (1967) 181-187.
F. Heider, Attitudes and cognitive organization, J. Psychol. 21 (1946) 107-112.
T. Inohara, S. Takahashi and B. Nakano, On conditions for a meeting not to reach a deadlock, Applied Mathematics and Computation, Vol.90, No.1, pp.1-9, March, 1998.
猪原健弘、「感情と認識-競争と社会の非合理戦略II」、勁草書房、2002年(1.2節、2.1節、2.2節、4章、5章、6.1節、6.3節)(ISBN-10: 4326502231、ISBN-13: 978-4326502233)。
T. Inohara, Characterization of clusterability of signed graph in terms of Newcomb’s balance of sentiments, Applied Mathematics and Computation, Vol.133, No.1, pp.93-104, November, 2002.
T. Inohara, Clusterability of groups and information exchange in group decision making with approval voting system, Applied Mathematics and Computation, Vol.136, No.1, pp.1-15, March, 2003.
T. Inohara, Stability of reliance of information sources and clusterability of information sources, The 7th World Multi-Conference on Systemics, Cybernetics and Informatics (SCI 2003), Proceedings Volume VII, pp.225-229, Orlando, Florida, USA, July 27-30, 2003.
T. Inohara, Quasi-clusterability of signed graphs with negative self evaluation, Applied Mathematics and Computation, Vol.158, No.1, pp.201-215, October, 2004.
T. Inohara, Signed graphs with negative self evaluation and clusterability of graphs, Applied Mathematics and Computation, Vol.158, No.2, pp.477-487, November, 2004.
T. M. Newcomb, Interpersonal balance, in: R.P. Abelson, E. Aronson, W.J. McGuire, T. M. Newcomb, M.J. Rosenberg, P.H. Tannenbaum (Eds.), Theories of Cognitive Consistency: A Sourcebook, Rand-McNally, Chicago, IL, 1968.
K.O. Price, E. Harburg, T.M. Newcomb, Psychological balance in situations of negative interpersonal attitudes, J. Pers. Soc. Psychol. 3 (1966) 265–270.

参考書、講義資料等

猪原健弘、「合理性と柔軟性-競争と社会の非合理戦略I」、勁草書房、2002年(1.1節、2章、3章、4章、5章)(ISBN-10: 4326502223、ISBN-13: 978-4326502226)。
T. Inohara, On conditions for a meeting not to reach a recurrent argument, Applied Mathematics and Computation, Vol.101, No.2-3, pp.281-298, June, 1999.
講義資料はOCW-iか授業中の配布により与える。

成績評価の基準及び方法

成績評価は、毎回の授業で提出する「サマリー・レポート」(合計50%)と期末レポート(50%)に基づいて行う。

欠席理由に関わらず、欠席した分を「サマリー・レポート」の点数から減点する。
欠席した分の代替措置はない。
欠席した日の授業内容については、OCW- iにアップロードされる資料で確認すること。

関連する科目

  • SHS.M461 : 認知・数理・情報分野方法論S1
  • SHS.L413 : 社会・人間科学多分野分析統合演習F1A

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

社会ネットワークと意思決定への興味があることが望ましい。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

猪原健弘(いのはらたけひろ)、inostaff[at]shs.ens.titech.ac.jp

その他

当講義は理学の内容からなる。

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