2019年度 科学哲学C   Philosophy of Science C

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開講元
文系教養科目
担当教員名
小山田 圭一 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8(H135)  金7-8(H135)  
クラス
-
科目コード
LAH.T306
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2019年3月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 科学についての哲学的問題には様々なものがある。科学の目的や対象とは何か、科学の方法とは何か、科学的知識とは何か、科学とは何か、などの一般的な問題がある一方、物理学や化学、生物学などの個別科学においても哲学的に考察すべき問題が多々ある。本講義では、そうした様々な問題のいくつかについて、その背景とそれに対する既存の見解を紹介し、それらをできるかぎり理論的・体系的に考察する。その上で、最善の解答あるいはこれまでよりも良い解答があるかを探りたい。
 科学に携わる者が、何を対象に、どんな方法で、そしてまた何を目的として科学的な実践を行うのか、そうしたことについて素朴に考えるだけではなく、より厳密かつ整合的な考察が可能になるよう、観点、問題、材料を提供し、それらを基に科学についてより深く考察するための普遍的な素養を身に付けることを目的とする。

到達目標

科学哲学における研究課題としてで実際に取り上げられることの多い問題に触れ、それについて自ら主体的に考えるための足場を構築し、学生それぞれの今後の研究活動や社会活動において何らかの洞察や指針、あるいは深みのあるものの見方を獲得するための材料を少しでも多く得ることを目標とする。

キーワード

科学、哲学、論理、形而上学、存在

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の授業は、70分が講義に充てられ、その適当な合間に10分間の討論・演習をはさみ、授業末尾の5分から10分程度を質疑応答の時間とする。

この科目は、人数超過の場合には抽選を実施します。初回の授業に必ず出席するようにしてください。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 科学哲学の意義やその各分野の紹介を通して、その大枠を理解する。
第2回 科学的活動とその構成原理 科学的活動を分析し、それを構成する様々な要素を抽出する。
第3回 科学的言語の特徴 (1) 科学で用いられる言語がどのような特徴を持っているか理解する。
第4回 科学的言語の特徴 (2) 科学で用いられる言語がどのような特徴を持っているか理解する。
第5回 前提(仮説、公理、定義)、帰結、データ 科学的言明の分類とその位置付けを理解する。
第6回 方法論 科学的方法の大枠や問題点を理解する。
第7回 科学的活動と人間の能力 科学的活動において必要とされる人間の能力について考察する。
第8回 科学における推論 科学的活動において必要とされる推論について考察する。
第9回 科学的説明 科学的説明とは何かを考察し、単なる推論の組み合わせとの違いを理解する。
第10回 科学的認識の正当化について 現代認識論におけるいわゆる「認識論的正当化」の議論を科学に適用して考える。
第11回 科学の可謬性 科学的認識が誤まり得るものであることについて、いくつかの問題を考察する。
第12回 因果性の諸問題 因果についての様々な問題について考える。
第13回 理論と実在についての問題 (1) いわゆる「科学的実在論」の可否を検討し、その諸問題を考察する。
第14回 理論と実在についての問題 (2) いわゆる「科学的実在論」の可否を検討し、その諸問題を考察する。
第15回 世界の合理的探求としての科学と形而上学 科学の形而上学的前提を考察し、科学と科学哲学と形而上学の関係を考える。

教科書

特になし。適宜、資料などを配布する。

参考書、講義資料等

スティーヴン・マンフォード, ラニ・リル・アンユム著『哲学がわかる 因果性』岩波書店(2017)。なお、講義では他にも様々な関連文献を紹介する。

成績評価の基準及び方法

小テスト(30点)および期末レポート(70点)

関連する科目

  • LAH.T106 : 科学哲学A
  • LAH.T207 : 科学哲学B

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし。

その他

この科目は、人数超過の場合には抽選を実施します。初回の授業に必ず出席するようにしてください。

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