2019年度 科学技術倫理C   Ethics in Engineering C

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開講元
文系教養科目
担当教員名
札野 順 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8(W931)  金7-8(W931)  
クラス
-
科目コード
LAH.T305
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2019年3月19日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

科学技術と社会・環境との関係を歴史的・多面的に考察し、現代の高度科学技術社会における科学者・技術者として重視すべき価値を共有する必要性を理解する。科学者・技術者が直面する可能性のある倫理問題を疑似体験し、倫理的意思決定の手法を学ぶ。科目全体を通して、「やってはならない」ことを強調する予防倫理だけでなく、科学者・技術者として「何ができるのか」を考える志向倫理を重視する。また、倫理的科学者・技術者が、社会の福利に貢献するだけではなく、自らの「よく生きること(well-being)」を高めることができることを理解する。加えて、組織において科学者・技術者がいかに行動すべきかを具体的な事例をとおして検討する。 責任ある研究・開発活動も、本科目の重要な要素である。
上記の目的に加え、本科目では、科学技術倫理に関連する事例を自ら調査・分析し、その結果を報告する能力の育成も目指す。

到達目標

本科目を履修することで、受講者は以下の目標を達成する。
1) 科学技術が社会・環境に正負両面で大きな影響を与えることを理解する。
2) 予防倫理と志向倫理について理解する。
3) 倫理的意思決定の方法を修得する。
4) 自分自身の強み(character strengths)について理解する。
5) よく生きること(well-being)を構成する要素について理解するとともに、他者への貢献が自らのwell-beingに関係することを認識する。
6) 科学者・技術者として重視すべき価値について理解し、これらを共有しようとする態度を持つ。
7) 組織の社会的責任について理解するとともに、そのなかでどのように行動すべきか設計する。
8) 責任ある研究活動とは何かについて理解し、研究者として重視すべき価値を共有する。
9) 企業倫理プログラム及び研究倫理プログラムについて理解し、これを設計できる。
10) 科学技術倫理に関連する事例について調査・分析し、その成果をわかりやすく報告できる。

キーワード

科学技術と社会、科学者、技術者、倫理、倫理的意思決定の方法 (セブンステップガイド)、予防倫理と志向倫理, よく生きること、ポジティブ心理学、組織の社会的責任、責任ある研究活動、倫理プログラム、研究倫理プログラム

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

本科目では、講義による知識の習得・理解だけではなく、調査報告書の提出、それに基づくプレゼンテーション、グループディスカッション等を通したアクティブ・ラーニングを行う。従って、講義への出席、諸活動への参加が不可欠である。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 1) 科目概要と学習・教育目標 2) 新しい時代の科学技術者倫理とは何か 講義後、1)初回授業アンケートに回答し、第2回の講義に提出する。2)VIA Instituteのサイトから、the VIA Surveyに回答し、自らの強みについて理解する。https://www.viacharacter.org/survey/account/register
第2回 1) 講義:技術倫理に関連する事例の紹介とその分析 2) グループ討議1: 事例に関する検討 講義前、1) 教科書Aの第1章〜第7章の通読 講義後、2)グループ討議結果の報告の準備 3) 事例に関する調査開始
第3回 1) グループ発表1: 事例に関する検討結果 2)講義:企業倫理プログラム 講義前、1) 教科書Aの第8章〜第15章の通読 講義後、2)企業倫理プログラムに関する課題
第4回 1) 講義: 研究倫理に関連する事例の紹介とその分析 2) グループ討議2:事例に関する検討 講義前、1) 教科書Bの第1章〜第5章の通読 講義後、2)グループ討議結果の報告の準備 3) 事例に関する調査開始
第5回 1) グループ発表2: 事例に関する検討結果 2)講義:Good Work 講義前、1) 教科書Bの第6章〜第9章の通読 講義後、2)Good Workに関する課題
第6回 1) 講義: 科学技術倫理とwell-being 2) グループ討議3: 私たちにとってwell-beingとは何か 講義後、1)グループ討議結果報告の準備
第7回 1) 講義:技術倫理に関連する事例の紹介とその分析 2) グループ討議4: 事例に関する検討 講義後、1)グループ討議結果報告の準備
第8回 1) グループ発表4: 事例に関する検討結果 講義後、1)グループ発表へのコメント作成
第9回 1) 講義: 研究倫理に関連する事例の紹介とその分析 2) グループ討議5:事例に関する検討 講義後、1)グループ討議結果報告の準備
第10回 1) グループ発表5: 事例に関する検討結果 講義後、1)グループ発表へのコメント作成
第11回 1) 技術倫理に関連する事例調査結果の発表 2) 教員によるコメント 講義後、1)発表へのコメント作成
第12回 1) 研究倫理に関連する事例調査結果の発表 2) 教員によるコメント 講義後、1)発表へのコメント作成
第13回 1) 倫理プログラムに関する調査結果の発表 2) 教員によるコメント 講義後、1)発表へのコメント作成
第14回 1) Good Workに関する調査結果の発表 2) 教員によるコメント 講義後、1)発表へのコメント作成
第15回 グループ討議:これらかの科学技術倫理のために何ができるか 講義前、1)グループ討議のテーマについて、各自の意見をまとめたレポートを作成する

教科書

A. 札野順編著、『新しい時代の技術者倫理』(放送大学教育振興会、2015年)
B. 日本学術振興会、『科学の健全な発展のためにー誠実な科学者の心得ー』(丸善、2015年)

参考書、講義資料等

第1回目の講義で指示する

成績評価の基準及び方法

1) 授業参加(出席、グループ・ディスカッション、報告) 30%
2) 小課題(初回アンケート、VIA、事例分析など)20%
3) レポート(事例の調査、倫理プログラム、Good Work等)50%
4) その他

関連する科目

  • LAH.T105 : 科学技術倫理A
  • LAH.T206 : 科学技術倫理B

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特に定めないが、科学技術倫理A、科学技術倫理Bを履修していることを強く推奨する。

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