哲学研究の基礎は読むことです。書かれたテキストを読み、それが扱っている題材だけでなく、その背後にある概念の網の目までつかみ取らなければなりません。そのためには、普段なら見落としてしまうような、ちょっとした言葉遣いにも気を遣う必要があります。この講義では、ドイツに生まれ、アメリカで活躍した哲学者ハンナ・アレントのテキストを読みながら、それを実践していきます。扱うのは彼女の論文集『過去と未来の間』(みすず書房)に収められた「自由とは何か?」という論文です。この論文でアレントは自由がいつも「意識の自由」と同一視されてしまうことを批判しつつ、独自の自由論を展開しています。アレント哲学への入門として最適な文章です。論文のコピーを配布し、一言一句を読み、解説していきます。
論文は古代から現代にまで至る長い期間を扱っているので、幅広い知識を身につけることができます。哲学者は彼(女)が実際に書いたこと以上のことを考えている──これを実際に読みながら体験してもらいたいと思います。そうした体験は様々な場面に応用できるはずです。
哲学のテキストを精緻に読解できるようになること。古代から現代にいたる、自由の概念の歴史を大まかに理解すること。
アレント、自由、古代ギリシア、全体主義。
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義形式で行いますが、毎回、5頁ほど、必ず論文を読んでから参加してください。また、参加者の人数次第では口頭発表を行ってもらうことも考えます。論文はコピーを配ります。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション:ハンナ・アレントについて | アレントという哲学者を知る。 |
第2回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第3回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第4回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第5回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第6回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第7回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第8回 | 中間総括講義および中間テスト | 論文の前半部を復習。 |
第9回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第10回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第11回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第12回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第13回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第14回 | アレント「自由とは何か?」読解 | 指定箇所を予習。 |
第15回 | まとめ | 論文全体を復習。 |
コピーを配布します。
講義内で随時指示します。
中間テスト(50%)、期末テスト(50%)
知らないことを知りたい、理解したいという気持ちを持っていること。
この科目は、人数超過の場合には抽選を実施いたします。初回の授業に必ず出席するようにしてください。