2018年度 表象文化論C   Studies of Culture and Representation C

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開講元
文系教養科目
担当教員名
-
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月3-4(W351)  木3-4(W351)  
クラス
-
科目コード
LAH.H314
単位数
2
開講年度
2018年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2018年6月26日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 私たちの日常生活はかつてないほど「映像」に取り囲まれている。映画やテレビだけではなく、ワンセグやPC、モバイルや電子広告など「スクリーン」は日常に遍在し、私たちはなかば無意識に映像が作り出す〈意味〉を受け取っている。だが、常に身近にある「映像」は、その親しみやすさゆえに、いかに私たちの情動に作用しているのかを思考する態度を希薄化させている。本講義では、映画を中心とした視聴覚メディアの独特な表現形式を理解したうえで、なぜその表現が人びとを魅了するのかを探究していく。そのために映像を演出、撮影、編集、音響/視覚効果、演技などの構成要素に分解し、多角的に表現技法を捉える。取りあげる映像は、ハリウッド映画や日本映画、ヨーロッパの映画が中心となるが、アニメーション映画やドラマの表現も参照する。扱う映像作品は、黒澤明、溝口健二、小津安二郎、川島雄三、篠田正浩、相米慎二、黒沢清、北野武、宮崎駿、新海誠、アルフレッド・ヒッチコック、オーソン・ウェルズ、ロマン・ポランスキー、ジャン=リュック・ゴダール、フェデリコ・フェリーニ、スタンリー・キューブリックなど。一方的な講義ではなく、映像表現について思考する時間を設けるので、積極的な参加が求められる。
 本講義のねらいは、20世紀における映像表現の多様性を理解しながら、受講者自らが映像作品を分析し、批評する力を養うことである。

到達目標

本講義を履修することで以下のような能力を習得する。
①映画というメディアにおける表現の特性を理解し、説明することができる。
②20世紀の映像表現の歴史を把握することができる。
③映像表現を分析的に捉え、映画やイメージについての批評を書くことができる。

キーワード

映画史、作家、映像表現、身体、映画批評、リメイク、アダプテーション、アニメーション

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

実践的なセッションを組み込んだ講義形式の授業。内容に関連する演習問題に取り組む時間も設ける。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 授業ガイダンスとイントロダクション 映画文法と映像表現について学ぶ
第2回 映画の演出技法 映画のセッティングや照明、衣裳、演技などを学ぶ
第3回 映画の撮影 フレーミングや長廻しについて学ぶ
第4回 映画のヴィジュアル・デザイン 色彩やCGの効果について考える
第5回 映画の編集 モンタージュやコンティニュイティ編集について理解する
第6回 映画の音響 映像と音の関係を考える
第7回 映画の視線 視線がいかに構成されるか理解する
第8回 映画の身体 俳優の身体性について思考する
第9回 演習①『心中天網島』(篠田正浩、1969年) 映像を分析する
第10回 篠田正浩の映画術 古典芸能と前衛性について考える
第11回 演習②『ソナチネ』(北野武、1993年) 映像を分析する
第12回 北野武の映画術 「遊戯」と「暴力」表現を理解する
第13回 映画のアダプテーション 森鴎外『雁』/遠藤周作『沈黙』の映画化作品を分析する
第14回 映画のリメイク 『リング』と『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』を分析する
第15回 アニメーションの表現技法 宮崎駿や新海誠などのアニメを分析する

教科書

指定しない。

参考書、講義資料等

デイヴィッド・ボードウェル/クリスティン・トンプソン『フィルム・アート—映画芸術入門—』藤木秀朗監訳(名古屋大学出版会、2007年)
北村匡平・志村三代子編『リメイク映画の創造力』(水声社、2017年)

成績評価の基準及び方法

授業への参加度(40%)、期末レポート(60%)

関連する科目

  • LAH.H113 : 表象文化論A
  • LAH.H215 : 表象文化論B

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

kitamura.k.af[at]m.titech.ac.jp

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