"本講義では、自身の研究活動で得られた結果を、分かりやすく的確に相手に伝えるための情報デザイン技術について扱う。特に、情報のビジュアル化に焦点を置き、講義毎テーマに沿ってポイントとなる知識や技術をレクチャーする。
情報のビジュアル化は近年、インフォメーショングラフィックと呼ばれ情報伝達ツールとして注目を集めている。元々は、統計データを分かりやすく伝えるために発展していった分野であり、講義で扱う内容は、実験等で得られた数値データを、表やグラフ化する際に活用することが期待される。
授業を通して、情報を伝える相手によってどの様に伝えるべきか、またどの様な表現をするべきか、情報をデザインするための思考とアウトプット能力を育てていく。また、情報デザイン及びビジュアル化の例を、芸術分野の資料を用いながら進めていくことで、実践における正解はなく、自身の目で見て分析し、表現していくことの重要性を伝えていく。
本講義のねらいは、講義を通して得られた知識や技術を、学会での口頭発表やポスター発表等、他者との交流場面で実践する能力を身につけることにある。また、講義で扱う知識や技術は日常のコミュニケーション場面においても活用が期待出来、コミュニケーション能力の向上も期待される。"
"本講義を履修することにより、情報デザイン及びビジュアル化に対する知識と実践能力を身につけることを目標とする。
・情報をデザインすることの重要性を知る
・伝える相手や発表手段に適したデザイン及びビジュアル化があることを知り、実際に活用できる
・自身が考えたデザイン及びビジュアルを的確に表現することができる
・自身の感覚的な印象を、分析的かつ総合的に言葉にし、相手に伝えることができる
・他者との議論を通じて、情報を多角的に捉えることができる"
情報デザイン、ビジュアル化、インフォメーショングラフィック、コミュニケーション、学会発表、美術
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
"講義毎のテーマに沿って1枚の絵画作品を取り上げ、作品についてどのように感じるか、”見る・観察する”力を養い、自身の考えを言葉で表現するための訓練として、グループワークを実施する。その後、授業毎に扱うテーマの基本的知識と、実践に向けたポイントについて解説する。最終的に、授業を通して修得した知識を用いて、情報デザイン及びビジュアル化の実践・発表、及びケーススタディに取り組む。"
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 授業ガイダンス:情報の伝え方、情報デザインの重要性、ビジュアル化の可能性について | 情報デザインの重要性を実感できるようになる |
第2回 | 情報デザイン基礎事項ー伝え方、伝わりやすさについて | 誰に対し、どの様に見せたいかによって伝え方が変化することを理解し、実践で生かせるようになる |
第3回 | 情報デザイン要素(1)ー色 | 色の違いによって、与える印象や伝達効果が変化することを理解し、情報に適した色の選択が出来るようになる |
第4回 | 情報デザイン要素(2-3)ー形とフォント | 用いる形によって与える印象が変化することを理解し、グラフや表に適した形の選択が出来るようになるフォントの違いによって可読性や与える印象が変化することを理解し、情報に適したフォントの選択が出来るようになる |
第5回 | 情報デザイン要素(4)ー装飾 | 伝える相手や情報に適した魅せ方を探り、魅せることの利点と弊害を理解し、実践で生かせるようになるなる |
第6回 | 情報ビジュアル化実践(1)ー制作シートの活用 | 授業で得られた知識を生かし、自身の研究情報をビジュアル化するための骨子を作成し、発表する。 |
第7回 | 情報ビジュアル化実践(2)ー制作・発表 | 骨子を元にビジュアルを作成し、グループに分かれ成果を共有、様々なアウトプットがあることを実感する |
第8回 | 情報ビジュアル化実践(2)ーケーススタディ | 骨子を元に提示された条件のもと、情報の構築実践を行う |
必要に応じて指定する。
参考書
・Edward R. Tufte. (2006). Beautiful Evidence. Graphics Pr. ISBN: 0961392177
・原木 万紀子, (2018), 情報と芸術のあいだ, 勁草書房, ISBN:978-4-326-80059-9
・原木 万紀子, (2018), 伝わる医療の描きか方 患者説明・研究発表がもっとうまくいくメディカルイラストレーションの技術, ISBN:978-4-7581-1829-3
講義資料:毎授業情報デザインの基礎知識をまとめたハンドアウトを作成し授業にて配布する。"
"毎授業行うグループワークでの発言及び参加度(40%)
授業を通して修得した知識を使って作成した成果物(60%)"
事前に身につけているべき知識や技術はない。