東京工業大学で知的財産法を体系的に学習することができる唯一の科目である。東工大OBや知的財産実務で活躍する弁護士等の専門家も加わり、基礎的な内容から実践的な内容へのつながりを、民法の財産法から各知的財産権法まで順次学習していく。平成30年度担当予定(金子宏直、安形雄三、田川陽一、菅野智子、井口加奈子、岡本守弘、辻河哲爾、太田昌孝、小川憲久、椙山敬士、小倉秀夫、新任)。平成27年度までの総合科目「先端科学技術と知的財産権」)の後継科目である。複合領域コース「科学技術と知的財産権コース」科目である。
研究者、エンジニアを将来のキャリアに予定している学生の方も多いと思われるが、研究や製品開発を行うには多額の資金が必要になる。こうした資金を獲得するために重要な役割を果たすのが知的財産権(特許等)である。発明等により知的財産を作り出すだけでは、資金につなげることができない。特許権などの知的財産権を取得し、それを有効に利用することが必要になる。この知的財産権の取得、利用活用に携わる主な専門職が、弁理士である。東工大の卒業生には多くの弁理士が活躍している。弁理士数(出身校別平成24年統計)によると東京工業大学47名(全837名中)5.8%にも及ぶ。科学技術と知的財産権の関係について理解を深め、科学者、技術者として必要な知識を深めるるとともに、弁理士などを目指す学生にも有益な学習の機会を提供することが狙いである。
日本の財産法の基礎を理解し、知的財産法(特許法、実用新案法、著作権法、商標法、意匠法)、競争法を鳥瞰的に学と共に、国際関係の中での競争法規制についても学ぶ。
知的財産権の要件、手続、特許権侵害訴訟、著作権侵害訴訟等について学ぶ。
特許 著作権、商標、営業秘密、不正競争防止、意匠
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
知的財産法の基礎的な概念と、具体的な事例について、ディスカッション行いながら理解を深める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス・財産法基礎 | 財産権法の基礎を学ぶ |
第2回 | 知的財産法基礎+小テスト | 知的財産法の特徴の理解 |
第3回 | ライセンス契約(ブロックA) | ライセンス契約 |
第4回 | 特許制度(ブロックA) | 特許制度発明の意義 |
第5回 | 特許関連トピック(ブロックA) (例、バイオ関連) | 特許関連トピック |
第6回 | 特許政策(ブロックA) | 特許政策 |
第7回 | 特許訴訟(ブロックB) | 特許訴訟 |
第8回 | 情報関連 | 情報関連 |
第9回 | 競争法と知的財産(ブロックB) | 競争法と知的財産 |
第10回 | 知的財産と利用者(ブロックB) | 知的財産と利用者 |
第11回 | 商標(ブロックB) | 商標 |
第12回 | インターネットと不法行為(ブロックC) | インターネット情報法 |
第13回 | 著作権法詳論1(ブロックC) | 著作権事例 |
第14回 | 情報関連 | 情報関連 |
第15回 | 著作権法詳論2(ブロックC) | 著作権事例 |
『先端科学技術と知的財産権』(文化創造研究所)(大学生協にて購入できる)
必要に応じて講義資料を配付する。
事例を学習したい学生には、著作権法判例百選(有斐閣)などが役立つ。
小テストとレポート(ブロックA、B、Cごとに各1通の合計3通)の総合評価
講義に毎回出席し、レポートの提出にかかわらず、各講義について理解を深めてもらいたい。
kaneko([at])ila.titech.ac.jp
講義の各時間の内容スケジュールの詳細は毎年若干変更になる。(2018年8月31日講義順を変更。小テスト日程に注意)
必ず履修申告後OCW-iの講義全体の補助資料のスケジュールを確認してほしい。(講義内容の順番はシラバスからは若干の変更の場合がある)
複合領域コース所属の一橋大学学生が聴講する場合はレポート提出等に困る場合があるかもしれないので連絡担当教員までメール等で連絡をしてください。