この講義では,内容の検討(専門分野と世界とのつながりを批判的によく考える)と,ライティングスキルを向上させること,ピアレビューを行ってみること,の3点を通して,自分の考えをよりよい文章にまとめることをめざす.
以下の活動を行い,3つのスキルを向上させる.
・文章の内容についてよく考える.本授業では,「なぜ,自分の専門とする予定の分野を学ぼうと思ったのか」.「学ぶ内容が,どのように世界をよくすることに貢献できると思うか」(Why, Howの探索),「教養科目について思い起こし,世界をよくするとはどういうことか」(Whatの探索)を題材に考える.
・アカデミックライティングの基本的な理解(パラグラフライティングや適切な引用を中心に)
・他者の文章を改善させる活動の実践(ピアレビュー)
・自らが学ぶ・これから学ぶ専門が,世界の中でどのような位置づけにあるのかを意識する(文章内容の構想・ブラッシュアップ).
・自らの考えを文章として適切に表現することができる(ライティングスキル向上).
・仲間の文章を批判的に読みつつ,適切に改善する手助け(ピアレビュー)ができる.
・以下の課題で5,000~10,000文字程度のエッセー(ここでは教養卒論と称する)を執筆する.「これまでに学んだ教養(大学入学あるいはそれ以前からこれまで)を踏まえ,科学技術あるいは自分の専門分野と人間,社会,歴史,文化などとのかかわりを考えながら,世界をよくすることにどう貢献したいか・できるか,そのためには何を学ぶことが必要かを述べなさい.」
ライティング、ピアレビュー、実践、オンライン活動、改善、批判的思考
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
前半ではテーマの設定,ライティングスタイルの修得を目指す.後半では大学院のピアレビュー実践クラスの支援を受けつつ,ピアレビューを実践する.ピアレビューを通して教養卒論をブラッシュアップし,ライティングのスキルを向上させる.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション,テーマ探しのグループワーク,パラグラフライティングの理解. | (宿題)2回目に向けて社会問題のトピックに関して300文字程度の段落を1つを書く |
第2回 | ピアレビューの心得を習得する. | 文章の読み合わせ・レビュー(パラグラフライティングを意識),悪いパラグラフの例を改善・批判する. |
第3回 | 引用について理解する. | 与えられた引用を用いて文章作成 |
第4回 | 引用のピアレビュー,文章の全体構想を考える. | 自分のテーマでタイトルを決め,構造を作り,トピックセンテンスおよび具体例とその意味・理由を書き出してくる. |
第5回 | 構成の組み立て | 構成の執筆 |
第6回 | グループで構成のピアレビュー | 構成のピアレビュー |
第7回 | グループで構成のピアレビュー | 構成のピアレビュー |
第8回 | 第1稿の執筆 | 第1稿を執筆する |
第9回 | 第1稿の執筆 | 第1稿を執筆する |
第10回 | 第1稿ピアレビュー,オンラインピアレビュー方法の理解 | 第1稿をピアレビューする |
第11回 | 第1稿ピアレビュー,オンラインピアレビュー方法の理解 | 第1稿をピアレビューする |
第12回 | オンラインピアレビュー | 教養卒論をオンラインでピアレビューし,それに基づいてリバイスする. |
第13回 | オンラインピアレビュー | 教養卒論をオンラインでピアレビューし,それに基づいてリバイスする. |
第14回 | ピアレビューを受けての最終リバイス | ピアレビューに基づいて最終的なリバイスを行う.最終稿の要約作成(宿題) |
第15回 | 最終稿要約発表,振り返り | 各自の教養卒論を短時間で発表する. |
後日指定する.
ケイト・L・トゥラビアン (著) シカゴ・スタイル 研究論文執筆マニュアル 慶應義塾大学出版会
成績評価の基準及び方法
コミットメント点50点,教養卒論の内容50点.
3年生以上のみ受講可.