2017年度 横断科目8:合意形成学   Transdisciplinary studies 8:Consensus Building

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開講元
文系教養科目
担当教員名
猪原 健弘  坂野 達郎  金子 宏直  錦澤 滋雄  豊田 光世  髙田 知紀 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
水3-4(W934)  
クラス
-
科目コード
LAH.T408
単位数
1
開講年度
2017年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2017年9月20日
講義資料更新日
2017年11月9日
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

「我が国最高の理工系総合大学」である東工大の学生が、理工系の分野の広がりを知り、その分野の社会的位置づけを考え、分野を越えた俯瞰的な視点を獲得し、自らの専門について多元的に捉えるようにする。横断科目の各科目は、各学院とリベラルアーツ研究教育院とが協働して、科目を企画・運営する。

本講義の主題は「合意形成学」である。合意形成についてのさまざまな話題と知識を、講義を通して取り扱う。具体的には、「自然再生事業における合意形成」、「市民参加と合意形成」、「合意形成と法的拘束力」、「市民参画に向けた人材育成」、「討議型意識調査手法「Deliberative Poll」の実験」、「公的年金システム」を検討する。

合意形成についての知識体系を理解し、それを他者に伝える能力を涵養することが本講義のねらいである。

到達目標

講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)合意とは何か、合意形成とは何かを述べることができる。
2)合意形成学の知識体系について、合意形成、公的年金システム、自然再生事業、市民参加・市民参画、法的拘束力、社会環境整備、人材育成、討議型意識調査手法「Deliberative Poll」、プロジェクト・マネジメントなどの用語を用いながら、他者に説明することができる。

キーワード

合意形成、公的年金、自然再生事業、市民参加・市民参画、法的拘束力、人材育成、討議型意識調査手法「Deliberative Poll」、プロジェクト・マネジメント

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

他のすべての横断科目と同様に、本科目では、学生自らが能動的に学ぶアクティブラーニングを重視します。したがって、各回の講義には必ず出席し、サマリーレポートを提出してください。特別な事情で講義に参加出来ない場合は、科目責任者に事前に報告してください。講義への出席は、科目の成績に反映されます。
1つのテーマにつき1回の授業を使う。各授業では各テーマの専門家が講義を行う。各授業の最後に、講義を通じて学んだことを、受講生それぞれが「サマリー・レポート」に書いて提出する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ガイダンス、導入 合意とは何か、合意形成とは何かを述べることができる。
第2回 「自然再生事業における合意形成」:主に新潟県佐渡島での実践を概観しながら,自然再生事業における合意形成マネジメントの理論と方法論を紹介する. 自然再生事業における重要な課題は,地域住民,NPO,行政関係者,専門家といった様々なステークホルダーが事業に参加し,協働する機会をいかに創出していくかということであることを理解する。
第3回 「市民参加と合意形成」:環境政策やまちづくりにおける市民参加の意義や課題,主な手法とその改善策について, 鹿児島県屋久島における持続可能社会づくりをテーマにした事例などを取りあげながら、合意形成の観点から解説する. 環境政策や計画の立案・実施においては、多様な利害関係者を含む市民参加が求められ、市民参加には主として文書、会議、電子ベースの3つの手法が存在するが、合意形成プロセスにおいてそれぞれが果たすべき役割は異なることを理解する。
第4回 「合意形成と法的拘束力」:合意形成の単位として契約の成立を取り上げる. 法律上の合意の概念を理解する。
第5回 「市民参画に向けた人材育成」:市民参画の文化が発展するためには、どのような人材育成(教育)の場を構築していく必要があるのだろうか。日米の教育実践をもとに、参画が醸成するための教育について議論・考察する。 国連「子どもの権利条約」の意義と課題を、「合意形成」及び「人材育成」という観点から考える。
第6回 「討議型意識調査手法「Deliberative Poll」の実験」:討議型意識調査手法「Deliberative Poll」の設計思想と事例をもとに、無作為抽出市民による討議は、規模と討議密度のトレードオフ問題に対処する手段として有効であり、討議民主主義実現の鍵となることを論じる。 討議型意識調査手法「Deliberative Poll」の設計思想とその特性を理解する。
第7回 「公的年金」:世代をまたぐ合意形成としての公的年金システムを取り上げる。 公的年金システムについて理解する。
第8回 まとめ 合意形成の知識体系の概要を他者に説明できる。

教科書

「合意形成学」(勁草書房、2011年、ISBN-13: 978-4326301966)

参考書、講義資料等

講義資料はOCW-iか授業中の配布により与える。

成績評価の基準及び方法

毎回の授業で提出する「サマリー・レポート」(40%)と期末レポート2編(各30%、合計60%)を考慮して評価する。

他のすべての横断科目と同様に、本科目では、当該分野(受講学生の専門分野あるいは本科目で扱った科学技術の分野)の「広がり」と「社会的位置づけ」についてオリジナルな考察を含むレポートの提出を単位認定の条件とします。レポートの課題の詳細については、最初の講義で解説します。

関連する科目

  • SHS.P441 : 政治・法律・行政分野特論S1A
  • SHS.P442 : 政治・法律・行政分野特論S1B
  • SHS.P443 : 政治・法律・行政分野特論F1A
  • SHS.P444 : 政治・法律・行政分野特論F1B
  • SHS.P461 : 政治・法律・行政分野方法論S1
  • SHS.P462 : 政治・法律・行政分野方法論F1

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

合意形成への興味があることが望ましい。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

猪原健弘(いのはらたけひろ)、inostaff[at]shs.ens.titech.ac.jp

オフィスアワー

メールで事前予約すること。担当教員の居室は西9号館8階813号室。

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