本講義では,以下の3項目を扱い,心身をタフに保つための基礎知識を提供する.1,ストレスやメンタルヘルスに関する概要,2.メンタルヘルス維持に役立つ生活習慣の紹介,3.日常生活におけるストレス管理論.
私たちは,日々,様々な場面で身心のストレスにさらされており,ストレスが原因で引き起こされる病気も多い.一方,ストレスは身心をタフに保つのに必要でもある.また,同じストレス場面において,全ての人が必ずしも同じストレス反応を示すわけではない.では、この違いはどこから来るのだろうか.また,一般的に,どのような生活習慣が有益なのだろうか.本講義では,心身のストレスの基本的な概念,理論およびストレスマネジメント技法について学び,日常生活場面においてストレス管理を実践できるようにすることを目的とする.
心身をタフに保つために,以下の能力を修得する.
1) ストレスの概念を説明できる.
2) ストレスマネジメント技法を身に着ける.
3) 自分や他人を含めた実践的なよりよい生活習慣を提案できる.
心身 タフ ストレスマネジメント
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
1.講義を主体とするが,ストレスマネジメント技法の実技・実習を含む.
2.毎回出席を取る.
※ 履修人数が多い場合は,2クラス編成とし,1) 授業計画通り行うクラスと,2)第5回から第8回を先に行うクラスとに
分けることがある.2クラスでも収容できない場合は,履修を制限することがある.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ストレスとは何か.概要 | ストレスの定義の理解 |
第2回 | ストレスの理論 | ストレス理論の非認知論から認知論への変遷について学び、ストレス理論における認知的評価の意義を理解する。 |
第3回 | ストレスの心理生物学的影響 | ストレスによる情動的変化、認知―行動的変化、生理的変化について理解する。 |
第4回 | リラクセーション技法 | ストレスマネジメント技法として、呼吸法や自律訓練法などのリラクセーション技法について学び、日常生活場面で実践できるようにする。 中期レポート課題の出題 |
第5回 | メンタルヘルスと疾患の現状 | メンタルヘルスと関連する疾患とその現状を理解する. |
第6回 | ストレスに伴う身心の応答と適応 | ストレスに伴う身心の応答について理解する. |
第7回 | 様々な活動(運動・精神作業・リラクセーションなど)が身心に与える好ましい影響 | 様々な余暇的な活動が身心に与える影響について理解する. 期末レポート(次週のグループワーク用)の出題 |
第8回 | 身心のタフネスを保つための生活習慣 | 身心をタフに保つための生活習慣の実践例を提案する.グループワークにおいて,提案例に対し,より良い案を提案できる. |
指定なし.
参考書としては以下が役立つ.
ラザルス, R.・フォルクマン, S. 本明寛・織田正美・春木豊(監訳)(1991)ストレスの心理学
実務教育出版
マイケンバウム, D. 根建金男・市井雅哉(監訳)(1994) ストレス対処法 講談社
熊野宏昭(2007)ストレスに負けない生活 筑摩書房
伊藤絵美(2017)コーピングのやさしい教科書 宝島社
配点は,レポート(80%)と積極性(20%)とする.
遅刻や欠席を繰り返した場合は,不合格とすることがある.
なし
naohayashi[at]ila.titech.ac.jp
4月5日(水)は、新入生向けの文系教養科目一斉オリエンテーションを
行うため、授業は実施しません。
なおこのオリエンテーションは新入生向けのため参加する必要はありません。
授業の初回は4月12日(水)です。