2016年度 横断科目10:ディジタル ヒューマニティーズ   Transdisciplinary studies 10:Digital Humanities

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開講元
文系教養科目
担当教員名
猪原 健弘  村井 源  松本 斉子 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
水3-4(W331)  
クラス
-
科目コード
LAH.T410
単位数
1
開講年度
2016年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2016年9月12日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

「我が国最高の理工系総合大学」である東工大の学生が、理工系の分野の広がりを知り、その分野の社会的位置づけを考え、分野を越えた俯瞰的な視点を獲得し、自らの専門について多元的に捉えるようにする。横断科目の各科目は、各学院とリベラルアーツ研究教育院とが協働して、科目を企画・運営する。

ディジタルヒューマニティーズは、従来文系的手法で行われてきた人文学に対して、近年発達してきたディジタル化技術を活用し、文系的知見と理系的技術の融合を図る新しい学問領域である。文化資産をいかにアーカイブ化するかという問題から始まり、多言語・多分野に及ぶデータ記述に適切なフォーマット、大規模データと計算機資源を活用した計量的な意味分析の試みなどを扱っていく。講義では文学、音楽、思想・宗教などの領域に焦点を当て、ディジタルヒューマニティーズの活用による新たな人文学の地平を提示する。

到達目標

様々なデジタル技術を用いて人文学的な領域をどのように分析できるのかを学ぶ。また人文学についての理解を深めるとともに科学的な方法論の可能性、将来的な学問の姿についても考えていく。

キーワード

デジタル・ヒューマニティーズ、電子化、人文学、計量文体学、計量書誌学、計量音楽学

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

デジタルヒューマニティーズは新しい学問であるため、伝統的な方法論が明確に定まっているわけではない。そのため講義では実際の分析例を中心に、どのようなデータと目的に対してどのような方法論・アプローチが有効であるかを検討していく。各講義の最後にまとめの小レポートを課す。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 人文学をデジタル化する 人文学をデジタル化することの必要性と意義について学ぶ
第2回 デジタル・ヒューマニティーズの方法論 デジタル・ヒューマニティーズで頻繁に用いられるいくつかの方法論について理解する
第3回 計量文体学 人文テキストにおける文体を対象に、著者推定や作風変化といったテーマを、定量的観点から学ぶ
第4回 計量音楽論 最先端の研究哲学・研究理念を踏まえ、音楽を計量的に分析することの意義と方法論について理解する
第5回 計量書誌学 テキストのメタデータの計量的分析に基づいて何が明らかにできるかを学ぶ
第6回 計量創作論 小説創作過程の観察に基づいたデータから、作家の執筆スタイルおよび推敲過程を実証的に学ぶ
第7回 地理情報システム 地理情報システムの基本的な考え方と、デジタルヒューマニティーズにおけるシステムの利用事例について学ぶ
第8回 計量批評学・物語論 テキストに対する批評を計量的に扱う方法論、および物語論を計量的に扱う方法論を学ぶ

教科書

なし

参考書、講義資料等

徃住 彰文, 村井 源, 『量から質に迫る: 人間の複雑な感性をいかに「計る」か』, 新曜社, ISBN-10: 478851396X

成績評価の基準及び方法

各授業最後に書く小レポート(50点)と、各回に出される課題から1つを選んで書くレポート(50点)

他のすべての横断科目と同様に、本科目では、当該分野(受講学生の専門分野あるいは本科目で扱った科学技術の分野)の「広がり」と「社会的位置づけ」についてオリジナルな考察を含むレポートの提出を単位認定の条件とします。レポートの課題の詳細については、最初の講義で解説します。

関連する科目

  • LAH.T310 : 教養特論:テキスト解釈論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

なし

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