2016年度 世界を知る:ヨーロッパ   Area Studies: Europe

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開講元
文系教養科目
担当教員名
安村 典子 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
水3-4(H101, J221, , ※すずかけ台は初回のみG111およびG115にて開講されるので注意すること。)  
クラス
-
科目コード
LAH.A501
単位数
1
開講年度
2016年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

本講義では、西洋文明の源流としての古代ギリシア文明・文学について学ぶ。古代ギリシア文明は、その後のヨーロッパ文明に、人文学、社会科学、自然科学などのあらゆる分野において、大きな影響を与えた。古代ギリシア文明は紀元前2000年ころのミュケーナイ文明に始まる。紀元前1700年ころから叙事詩が作られ始め、紀元前800年ころにヨーロッパ最古の叙事詩『イリアス』と『オデュセイア』が完成した。この二つの長大な叙事詩の根底には、人間の生と死をめぐる深い洞察があり、その普遍的価値は2800年を経た今なお、変わることがない。本講義では、西洋文明において「古典中の古典」として高い評価を得ている『イリアス』と『オデュセイア』についてまず学び、次いで「歴史の父」と称されるヘロドトスを学ぶ。ヘロドトスはペルシア戦争に関する記録を残しているが、その中で、価値の多様性について述べている一節がある。この部分を取り上げて、きわめて今日的な意味を持つ価値の問題について考えたい。更に紀元前585年5月28日の日蝕を予言したイオニアの自然学について学ぶ。魔術や占いが人々の暮らしの中で大きな力を持っていた時代に、自然界の事物をありのままにとらえ、世界の根源を追求しようとした姿勢について考える。以上のような作品が提起している諸問題を考察し、それらが西洋文明の中でどのように受容されているのかという問題についても考えたい。

到達目標

・古代ギリシア文学史の概括を理解する。
・叙事詩『イリアス』と『オデュッセイア』に特徴的に現れているギリシア精神の真髄を学ぶ。
・ヘロドトスの『歴史』の中で語られる「価値の多様性」について考える。
・イオニアの自然学を生み出した「物事に驚嘆する心」について学ぶ。
・ギリシア文明が近現代の西欧社会に与えた意義を考える。

キーワード

ギリシア文化、ギリシア文学、ホメロス、『イリアス』、『オデュッセイア』、ヘロドトス、イオニア自然学

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業ごとにコメントや質問を受け付ける。講義の前に、前回の授業について記されたコメントや質問について答える。第2回目の授業では、パワーポイントにより古代ギリシアの壺絵を見る。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ヨーロッパ文明の源としてのギリシア文化, ギリシア文学史の概説 ギリシアの歴史について概括的知識を得る。
第2回 ホメロスとトロイア伝説圏, トロイア伝説圏に基づく壺絵画像(パワーポイントによる) トロイア伝説圏について学ぶ。
第3回 『イリアス』の人間理解(1) 『イリアス』6歌に見られる人間理解を学ぶ。
第4回 『イリアス』の人間理解(2) 『イリアス』24歌に見られる人間理解を学ぶ。
第5回 『オデュッセイア』の冒険譚 民話の宝庫と言われる『オデュッセイア』の冒険譚を知る。
第6回 ヘロドトスの『歴史』 ”history” の語源について学ぶ。価値の多様性について学ぶ。
第7回 イオニア自然学、タレースの日蝕予言 イオニア自然学がめざしたことを学ぶ。
第8回 ギリシア精神の特性、現代における受容 試験

教科書

必要な資料は教室で配布する。

参考書、講義資料等

『ホメロス イリアス』 上下、 松平千秋訳、岩波文庫;『ホメロス オデュッセイア』 上下、松平千秋訳、岩波文庫

成績評価の基準及び方法

試験

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履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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