文書に書かれたことばの意味は一通りとは限らない。文書の書かれた時代背景・文化・言語・修辞法などの文書自体の特徴に合わせて、他の文書との関連性、文書を読む側の視点の問題なども踏まえることによって深遠な意味の世界が開けてくる。講義では、文書の意味を理解するためのさまざまな手法を、実例を挙げつつ紹介していく。
テキスト解釈は、数式を解くように答えが一つに決まるものではありません。しかし、なんでもありというわけでもありません。その微妙なバランスと奥深さを楽しめるようになっていただければと思います。
テキスト、解釈学、意味、翻訳、比喩、修辞、物語論、語用論、インターテクスチュアリティ
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
前半で講義を行い、最後に講義内容に関する設問について考えて書く形で進める。設問の解説は基本的に次回講義の最初に行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | テキスト解釈とは | テキスト解釈の歴史と必要性について学ぶ |
第2回 | 暗号と解釈 | 暗号解釈の手法と問題点について学ぶ |
第3回 | テキストの成立 | テキスト成立過程の分析とその解釈について学ぶ |
第4回 | 言葉と意味 | 言葉と意味の関係性について学ぶ |
第5回 | 翻訳 | 翻訳における解釈上の問題について学ぶ |
第6回 | テキスト内のコンテキスト | テキスト内に記されたコンテキスト情報の解釈について学ぶ |
第7回 | テキスト外のコンテキスト | テキスト外に記されたコンテキスト情報の解釈について学ぶ |
第8回 | メタファー | メタファーとその解釈について学ぶ |
第9回 | レトリック1 | 表現によるレトリックについて学ぶ |
第10回 | レトリック2 | 構造と論理によるレトリックについて学ぶ |
第11回 | 語用論 | 語用論と会話の解釈について学ぶ |
第12回 | ナラトロジー | ナラトロジーと物語構造について学ぶ |
第13回 | 地平の融合 | 解釈の背景にある思想的問題について学ぶ |
第14回 | 計量文献学1 | 文体や単語の解釈を機械的に行う手法について学ぶ |
第15回 | 計量文献学2 | 物語構造や解釈の分析を機械的に行う手法について学ぶ |
なし
日本聖書協会,『新共同訳聖書』
徃住 彰文, 村井 源, 『量から質に迫る: 人間の複雑な感性をいかに「計る」か』, 新曜社, ISBN-10: 478851396X
各授業最後の小レポート(50点)と各講義の内容に沿った課題から選択するレポート二本(25 x 2点)
人数制限をする場合がありますので、一回目の授業に必ず出席すること。