本講義では、ストレス科学を主に心理生理学的側面から取り上げる。避けたい、減らしたいと考える「ストレス」について、ストレス科学の歴史から振り返り、最新のストレス研究成果を紹介する。また、体験的にいくつかのストレス軽減方法も講義内で行う。
講義を通して、ストレスやストレス管理に関する新たな考え方を獲得し、日常生活に活かせるようにすることを目的とする。
本講義を履修することによって、次の知識と能力を修得する。
1) ストレス科学についての概要を理解する
2) ストレスに関する知見について批判的に考察することができる
3) ストレス管理に関する知見や考え方を日常生活に活用することができる
ストレス、健康心理学、リラクセーション、ストレス管理
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各テーマについて1~2回の授業を行う。グループワークを多く取り入れ、グループディスカッションおよび受講生による発表も行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス | |
第2回 | ストレスとは何か | ストレスの定義を述べよ。 |
第3回 | ストレスの理論1:セリエの学説 | セリエの学説を説明せよ。 |
第4回 | ストレスの理論2:ラザルスの学説 | ラザルスの学説を説明せよ。 |
第5回 | 認知的評価に影響を与える様々な要因1:人的要因 | 認知的評価に影響を与える人的要因について説明せよ。 |
第6回 | 認知的評価に影響を与える様々な要因2:環境要因 | 認知的評価に影響を与える環境要因について説明せよ。 |
第7回 | コーピングとは何か。 | コーピングの定義および種類について説明せよ。 |
第8回 | ストレスの生物-心理-社会的反応1:生物学的側面 | 生物学的ストレス反応について説明せよ。 |
第9回 | ストレスの生物-心理-社会的反応2:心理社会的側面 | ストレスの心理社会的反応について説明せよ。 |
第10回 | ストレスと疾患 | ストレスと疾患の関係について説明せよ。 |
第11回 | ストレスの緩衝要因 | ソーシャルサポートについて説明せよ。 |
第12回 | ストレス・コントロール:リラクセーション方法 | リラクセーション方法について説明せよ。 |
第13回 | トラウマケアの基本1:外傷後ストレス障害(PTSD)とは何か。 | PTSDについて説明せよ。 |
第14回 | トラウマケアの基本2:PTSDの治療方法 | 科学的根拠のあるPTSDの治療方法について説明せよ。 |
第15回 | レジリエンス(精神的回復力) | レジリエンスの構成要素について説明せよ。 |
なし
参考書 R. ラザルス・S. フォルクマン『ストレスの心理学』実務教育出版
熊野宏昭(著)『ストレスに負けない生活』 筑摩書房
金吉晴(編)『心的トラウマの理解とケア』(改訂第2版)じほう社
講義資料はOCW-iか授業中の配付により与える。
毎回の授業時に提出するワークシート(30点:2点×15回)、小レポート(20点:10点×2回)、期末試験(50点)に基づいて行う。 なお、60点以上が単位認定の最低ラインとなるが、ワークシートの提出が9回に満たない場合は、不可となる。
「心理学A」もしくは「心理学B」を履修済みであること、または同等の知識があることが望ましい。
・人数制限をする場合がありますので、履修希望者は第1回目の講義に必ず出席してください。
・心理学の研究のためには多くの方に実験や調査に参加してもらう必要があります。そのため、実験や調査への参加をお願いすることがあります。その場合は、ぜひ積極的に参加してください。実際に心理学研究に参加してみることで、心理学の知見がどのような方法論によって得られるかの理解が促進されるでしょう。なお成績評価において実験参加による加点を行います。
実験参加ではなく、指定された本から1冊を選びレポートを提出した学生にも同様の加点を行います。