2016年度 文化人類学C   Cultural Anthropology C

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開講元
文系教養科目
担当教員名
上田 紀行 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月5-6(S514)  木5-6(S514,)  
クラス
-
科目コード
LAH.H303
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2016年9月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

文化人類学的視点から、人間が持つ苦悩とそこからの解放について探究する講義である。                                                  人間は誰もが幸せになりたいと望んで生きている。しかし私たちは多くの苦悩に直面しながら生きる存在でもある。人間にとっての苦悩とはいかなるものか、文化が違えば苦悩の形も違うものなのか、それとも人類に共通の苦悩の形があるのか。日本社会に特有の苦悩はいかなるものなのか。そうした人間にとっての苦しみを前半では扱う。
 後半ではその苦悩からの解放を論じる。講師が長年論じてきた、人間にとっての「癒し」とは何か。宗教は人間の解放を導くのか。祭や儀式などのパフォーマンスの開く世界はいかなるものか。人間はなぜアートを必要とするのか。
 様々な文化における苦悩の形、そしてそこからの解放の形を知ることは、人生にとって有益な体験となることだろう。また講義形式だけではなく、参加型のワーク、ディスカッション等も頻繁に行われるので、活発な参加が期待されている。

到達目標

本講義を履修することによって、以下の能力を習得する。
1)人間の苦悩と解放を、文化人類学的な視点から理解できるようになる。
2)人間性の深さを獲得し、それを表現できるようになる。

キーワード

文化、社会、歴史、自然、科学技術

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の他、フィルム・セッション、ワークショップを行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション1 人間の「苦悩」を探究することの意味を考える。
第2回 ワークショップー苦悩とは何か 現代社会における苦悩、受講者にとっての苦悩とは何かをディスカッションする。
第3回 社会構造と差別 インドのカースト制などを取り上げ、社会構造の内包する苦悩を理解する。
第4回 フィルム・セッション 多様な文化間の摩擦が引き起こす葛藤を体験する。
第5回 ワークショップー葛藤を超える フィルム・セッションを下敷きに、葛藤の原因とその改善策を議論する。
第6回 日本社会の生きづらさ 日本社会はなぜ幸福度が低いと言われるのかを理解する。
第7回 フィルム・セッション 世界の幸福感について理解を深める。
第8回 ワークショップー幸福とは何か 文化による幸福感の違いをめぐってディスカッションする。
第9回 宗教は解放となるか 宗教は苦悩の救いとなるかを探究する。
第10回 儀礼、祭の持つ可能性 儀礼や祭の持つ機能について理解を深める。
第11回 ワークショップーバリ島のケチャ バリ島のケチャを実際に体験し、祭と芸能の意味を実感する。
第12回 宗教的救いの功罪 宗教的救いのプラス面とマイナス面を理解する。
第13回 フィルム・セッションーダライ・ラマ 講師とダライ・ラマの対談を見て、人類の救いの未来を考える。
第14回 苦悩からの解放とは何か 苦悩からの解放はいかなる者なのかを知る。
第15回 ワークショップー未来を構築する 受講者の直面する課題を超え、未来を展望する。

教科書

教科書は使用しない。資料は毎回の授業で配布する。

参考書、講義資料等

上田紀行『生きる意味』(岩波新書)、『人間らしさ 文明、宗教、科学から考える』(角川新書)、『『人生の〈逃げ場〉 会社だけの生活に行き詰まっている人へ 』(朝日新書)、『かけがえのない人間』(講談社現代新書)、『ダライ・ラマとの対話』(講談社文庫)、『スリランカの悪魔祓い』(講談社文庫)

成績評価の基準及び方法

中間レポート、期末レポート、講義の感想シート。

関連する科目

  • LAH.H103 : 文化人類学A
  • LAH.H203 : 文化人類学B

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

ワークショップへの参加、講義中の質問など、積極的な参加を求める。

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