本講義は、科学技術を用いたさまざまなアート表現を通して、身体がもつ役割や未来の身体のあり方について考えます。バーチャルリアリティ、人工知能、遺伝子技術など最先端のテクノロジーを用いたアートを鑑賞してそれについて議論したり、障害者の身体についての講義をうけたあとで、講義中に数回、自分の作品を制作ないし立案する機会があります。
本講義のねらいは、三つあります。一つめは、科学技術を用いたさまざまなアートに親しむこと。二つ目は、技術の進歩が身体観や倫理観に与える影響について理解すること。三つめは、アート作品の絵試作や立案を経験することです。
本講義を履修することによって以下の能力を修得することを目指します。
1)科学技術研究にいきるアート的な発想力や創造性を身につける
2)自分の感覚的な印象を、分析的かつ総合的に言葉にすることができる
3)他者との議論を通じて、作品を多角的にとらえることができる
アート、身体、メディアアート、バイオアート、バーチャルリアリティ、人工知能、障害、ワークショップ
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義、作品の制作あるいは立案、グループワークを組みあわせて行います。内容は「身体と環境」「さまざまな身体」「身体の未来」3つのセクションに分かれています。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス | 講義の意図を説明できる |
第2回 | 導入:身体へのアプローチ | 情報と意味の違いを説明できる |
第3回 | 身体と環境①:インタラクションのデザイン(1) | アートにおけるインタラクションの導入について歴史的な観点から説明できる |
第4回 | 身体と環境②:インタラクションのデザイン(2) | インタラクションのデザインにおける触覚の役割を説明できる |
第5回 | 身体と環境③:情報の身体化 | 情報を伝えるさまざまな方法とその効果を説明することができる |
第6回 | 身体と環境④:制作と講評(1) | 課題に対して自分なりのコンセプトを立て、お互いに講評する |
第7回 | さまざまな身体①:目の見えない人の見方 | 視覚障害者が世界をどのように理解しているのか説明できる |
第8回 | さまざまな身体②:制作と講評(2)−1 | 課題に対して自分なりのコンセプトを立て、お互いに講評する |
第9回 | さまざまな身体③:制作と講評(2)−2 | 課題に対して自分なりのコンセプトを立て、お互いに講評する |
第10回 | ゲスト・トーク | アートの分野で活躍するエンジニアと対話する |
第11回 | 未来の身体①:医療とアート | 医療の進歩が身体観に与える影響を説明できる |
第12回 | 未来の身体②:バーチャルリアリティ(1) | バーチャルリアリティ技術が身体観に与える影響を説明できる |
第13回 | 未来の身体③:バーチャルリアリティ(1) | バーチャルリアリティ技術が倫理観に与える影響を説明できる |
第14回 | 未来の身体④:人工知能とアート | 人工知能の創造性について自分なりに評価することができる |
第15回 | 未来の身体⑤:制作と講評(3) | 課題に対して自分なりのコンセプトを立て、お互いに講評する |
教科書は指定しません。授業で扱う作品の画像は、事前にOCW-iにアップします。
伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)
作品制作あるいは立案70%、授業への貢献度30%、
特になし
ito.xxx[at]xxx.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。居室は西9号館XXX号室。