" 本講義は、経済学の根幹をなすミクロ経済学を紹介する。ミクロ経済学は、個人や企業など個々の経済主体の意思決定とその相互作用を扱う。例えば価格や所得の変化が個人の消費行動にどのような影響するか、市場において価格や需給はどのように決まるかなどである。さらに、個々の経済主体の意思決定やその相互作用を明らかにすることで、市場の機能、産業の形成、政府の政策や経済の国際化の影響等を分析する。
本講義のねらいは、経済学的な考え方の基礎を身につけること、それを通じて、社会の様々な経済的な事象や政策に対する関心を高め、分析的に考えられるようになることである。"
(1) ミクロ経済学の基礎を理解する。
(2) 基本的なミクロ経済学の分析枠組みを使って経済事象を分析的に考察することができる。
(3) 将来、応用的な経済学分野(産業組織や労働経済学など)を学ぶにあたっての基礎知識を修得する。
経済学、市場経済、ゲーム理論、情報の非対称性、国際経済
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義を基本に進める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 授業ガイダンス | 簡単な分析例からミクロ経済学の雰囲気をつかむ |
第2回 | 消費者行動(1) 選好、予算制約、効用最大化 | 消費者の行動原理の標準的な定式化を理解する |
第3回 | 消費者行動(2) 個別需要、所得・代替効果、市場需要 | 消費者需要と市場需要の関係を理解する |
第4回 | 生産(1)技術、費用 | 生産活動の定式化を理解する |
第5回 | 生産(2) 利潤最大化、供給 | 企業の生産意思決定を理解する |
第6回 | 部分均衡分析(競争的市場) | 基礎的な需要-供給分析を理解する |
第7回 | 一般均衡と経済効率性 | 市場間の相互作用と経済効率性を理解する |
第8回 | 不完全競争(1) 独占 | 売手や買手の市場占有とその効果を理解する |
第9回 | 不完全競争(2) 価格差別 | 企業の価格戦略とその合理性について理解する |
第10回 | 不完全競争(3) 寡占 | 独占力を持つ企業間の戦略的行動をについて理解する |
第11回 | 不確実性 | 不確実性を前提とした消費者行動を理解する |
第12回 | ゲーム理論の基礎 | 基礎的なゲーム理論を理解する |
第13回 | 競争戦略 | 基礎的なゲーム理論を応用して企業や政府の競争戦略を理解する |
第14回 | 情報の非対称性 | 情報保有に偏りがある場合の経済主体の行動を理解する |
第15回 | 外部性と公共財 | 市場の失敗と政策介入を理解する |
教科書は指定しない。
奥野正寛編著『ミクロ経済学』東京大学出版会(2008年)
授業で出す課題(50%)、学期末試験(50%)
特になし。
担当:佐藤仁志(信木記入)