本講義は、高校の「生物」を未選択であることを前提として基礎から平易に教授するとともに、先端的なトピックスを紹介することで基礎知識と応用研究との関連を理解できるようにする。内容は遺伝、進化、分類系統、生態の基礎を網羅し、生命の根幹を成す仕組みを先端的トピックスである遺伝病と様々なバイオテクノロジー応用例、さらに生物多様性・環境問題などの解説も交えながら概説する。第8回は1-7回までの各項目に関する演習を行い、習得した知識を再確認する。
本講義のねらいは、現代のあらゆる理工系分野で必要とされている、生命科学の基礎知識を身につけるとともに、先端的トピックスにも触れることで、実社会への知識の有効活用を意識させることである。
生命科学の基礎を理解し、広範な専門分野を学ぶ上での基盤とする。それにより、学際領域で活躍できる人材となる。また一般教養として、生命の仕組みの基礎を理解し、説明できるようになる。
生物、バイオテクノロジー、遺伝、進化、生態
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
教科書とパワーポイント、配布資料を用いる。8クラス(日本語)と1クラス(英語)に分けられ、各クラスごとに週1回行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 遺伝と遺伝病 | 遺伝の機構と遺伝病の基本を理解し、説明できる |
第2回 | バイオテクノロジーI: クローニング、PCRなどの基礎技術と発酵生産 | 遺伝子組み換えなどの基本的なバイオ工学技術の概要を説明できる |
第3回 | バイオテクノロジーII: モノクローナル抗体とその利用、クローン技術・再生医療、遺伝子組換え作物 | バイオ工学の社会への貢献を理解し、説明できる |
第4回 | 生命の誕生と初期進化:化学進化、生物の誕生と絶滅 | 生命の誕生と初期進化についての定説の概要を理解し、説明できる |
第5回 | 進化と系統分類:自然選択説と中立説、分子系統学、種分化 | 生物進化の基本的な仕組みを理解し、説明できる |
第6回 | 生物多様性:動物の行動と群集の生物学 | 多様な生物が共存できるシステムの概要を理解し、説明できる |
第7回 | 環境問題と生態系:物質循環と環境保全 | 生態系の基本構造と環境保全の重要性を理解し、説明できる |
第8回 | 総合演習 | 7回までの講義内容を相互に関連付けて説明できるようになる。 |
スター「生物学」(東京化学同人)
適宜配布する。
毎講義時の小テストと期末試験により、講義の理解度を評価する。
生命科学基礎第一1と生命科学基礎第一2、生命科学基礎第二1が履修済みであることが望ましいが、必須条件とはしない。
yhongo[at]bio.titech.ac.jp (本郷裕一教授)
メールで事前予約すること。居室は西3号館706号室
本講義での不明点などを生命理工学院の大学院生に質問できる「学修相談室」を設置していますので、悩まずに気軽に来室ください。
日時と場所は決定次第、告知します。