本講義は、欧米のビジネススクールにおけるファイナンスの二本柱である証券投資論と経営財務論(Corporate Finance)のうち、前者の内容をカバーしています。特に、証券投資 Iでは、金融の仕組み、リスクの考え方、資産価格評価の考え方(特にリスクのある資産)、リスクプレミアムの評価のための資産評価モデルを中心とした理論に焦点を当てます。
本講義のねらいは、金融・証券市場への理解を深め、証券投資の考え方の基礎を理解すること、また、現代投資理論の標準的な理論を学ぶことで、現実の金融市場の動きや出来事の本質を自分で考える力を養うことにあります。
本講義を履修することによって以下の能力を修得します。
1) 金融取引の仕組み、銀行システム、金融政策、および証券市場の構造や参加者など金融システムを理解し説明できる。
2) 資産(特に、リスクのある資産)価格評価の考え方を理解し、説明できる。
3) リスクプレミアム評価の考え方を理解し、説明できる。
4) 国際金融市場の動向や出来事について、その本質を自分で考えることができる
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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本講義は、資産運用の実務経験を持つ担当教員がその実務経験を活かし,証券投資の標準的な理論について、実践的な観点から教育を行います。 |
金融システム、情報の非対称性、ポートフォリオ、リスク、リスクプレミアム、分散、ベータ、裁定, 効率的市場仮説
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義形式を基本とするが、毎回、経済ニュースやクイズなどをクラスで考えながら進めます。授業への積極的な参加を期待します。授業中の質問も歓迎します。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 金融システム | 金融市場の構造の理解 |
第2回 | リスク・投資家選好・資産価格評価 | リスク、期待効用の理解, DCF法による資産評価 |
第3回 | 投資の数理など準備 | 収益率、金利、期待値の演算など |
第4回 | ポートフォリオ選択理論 | マーコヴィッツのポートフォリオ理論の理解 |
第5回 | CAPM(資本資産評価モデル) | 均衡モデルとしてのCAPMの理解 |
第6回 | マルチファクターモデルと裁定価格理論(APT) | 裁定価格理論の理解 |
第7回 | 株式の評価 | DDMをベースにした株主価値の理解 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定しない
小林孝雄、芹田敏夫 「新・証券投資論 I」日本経済新聞社
伊藤敬介、荻島誠治、諏訪部貴嗣 「新・証券投資論 II」日本経済新聞社
野口悠紀雄、藤井真理子 「金融工学」ダイヤモンド社
池尾和人「現代の金融入門」ちくま新書
小テストとレポート100%、ただし、積極的な授業参加はプラスアルファ
証券投資論I→証券投資論IIの順番での履修が望ましい。
証券投資論I・IIのどちらか一方ではなく、両方を履修することを勧める。
83nsoundbeach[at]gmail.com