経営の歴史と理念Ⅰに続いて、本講義では、経営の歴史を学ぶことをとおして、「『いわゆる文系』の思考法」や「論証方法」を知るために設けられたものである(と、わたしは理解している)。
経営の歴史は、法則的知識を使って結果から原因を説明するだけでは十分には理解できない。それぞれの局面における当事者の立場に自分を置き、当事者が将来の客観条件を予測しながら選択を行った過程をたどることによって初めて、なぜそのような選択がなされたかが理解でき、その選択が結果にどのような影響を及ぼしたかを知ることができるのである。こうしたことを自分の感覚や経験からではなく、科学として、すなわち当事者の目的や動機を因果関係に組み込んでいくことによって、理解することが必要である。
本講義では、経営の歴史における重要な局面を取り上げ、そこでなされた意思決定を、歴史に作用したり、歴史に制約されたりする「理念」が果たす役割から学ぶ。
毎回、あらかじめ配付する授業要旨を読んできてください。
歴史から経営について学ぶ方法を身につける。
歴史、理念、意思決定
専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義資料を読み課題について議論する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 戦後日本の大企業: 戦略にみる同型性 | 討議資料に記載 |
第2回 | 日本の産業: 競争優位の喪失 | 討議資料に記載 |
第3回 | 大企業体制後の日本企業: 生き残りの条件 | 討議資料に記載 |
第4回 | グローバル化する日本企業 | 討議資料に記載 |
第5回 | 地域に根ざす企業: 中堅企業の可能性 | 討議資料に記載 |
第6回 | 逆境から出立する企業: 震災からの復興とソーシャル・エンタプライズと | 討議資料に記載 |
第7回 | 日本の女性経営者と理念 | 討議資料に記載 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
毎回、前週に「討議資料」を配付する。
全般的な参考文献としては、鈴木良隆(編著)『MBAのための日本経営史』(有斐閣、2007年)、および、鈴木良隆(編著)『ソーシャル・エンタプライズ論』(有斐閣、2014年)。
レポート: 参考文献を読んだうえで作成すること。
成績はレポートに基づいて評価するが、授業時間中の質疑・討論も加味する。
この科目は「履修前提条件付き授業科目」で,「履修前提科目」は「経営の歴史と理念 I」である。「経営の歴史と理念 I」の単位を修得しなければ,この科目の単位は修了に必要な単位として取り扱わない。
経営の歴史と理念Ⅰを履修していること。
日本語の資料が読めること。