本講義では、グローバル化する社会の中で近年重要性を増しているエネルギーと環境の問題について、各種統計データ、資料、論文等に基づき、国内外の現状と課題の所在を明らかにする。また、エネルギーや環境の問題を、技術と経済、社会システムとのかかわりの中で考察するための基本的知識と、課題に対する解決策を模索するための枠組みについて、具体的な政策や分析事例を通じて提供していく。
エネルギー、資源、環境という、相互に密接に関連した社会的課題について、全体を俯瞰しつつ、一方では個別の課題についてもある程度深く考察できるだけの知識を身につけることを、本講義のねらいとする。特に、思考の過程で経済学の仕組みを活用し、解決策と将来展望について履修者自身が考察できるようになることを目的とする。
本講義の到達目標は以下のとおりである。
(1)エネルギーと環境の問題について、国内外の現状と課題を把握する。
(2)エネルギーと環境の問題が、技術や経済、社会システムとどのように関係しているのかを理解する。
(3)エネルギーと環境の問題の解決策について、経済学の仕組みを活用して考察できるようになる。
エネルギー問題、環境問題、経済学、エネルギー技術、社会システム
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義でエネルギーと環境の問題に関する基本的な知識と考察力を身につけるとともに、適宜ディスカッションを交えながら進める。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ガイダンス | 本講義の概要とねらいについて説明する。 |
第2回 | エネルギー問題の基本的な枠組み | エネルギーや資源とは何かを改めて定義し、エネルギーや環境の問題の基本について理解する。 |
第3回 | エネルギーの需要と供給 | エネルギーの需要と供給の仕組みについて理解する。 |
第4回 | 石炭・石油・天然ガスの需要と供給の仕組み | 石炭、石油、天然ガスの需要と供給の仕組みについて、国内外の状況に基づき理解する。 |
第5回 | 石油の市場と石油産業 | 石油市場の成り立ちと石油産業の動向および課題について理解する。 |
第6回 | 電力とガス | 電力需要とガス需要の基礎的知識と電力産業、ガス産業の産業構造、供給構造について理解する。 |
第7回 | 電力とガスの自由化 | 電力産業とガス産業における近年の自由化の動向と意義について理解する。 |
第8回 | エネルギーミックスと経済発展 I | エネルギーミックスと経済発展について、技術進歩との関わりの視点から理解する。 |
なし
講義中に指定する。
講義への参加態度およびレポート提出により評価する。
この科目は,「エネルギー技術と経済・社会システムⅡ」の「履修前提科目」である。
エネルギー技術と経済・社会システムⅠとⅡは一連の講義であるため、Ⅱを履修することをⅠの履修条件とする。