日本を含めた先進国では、そのGDPの7割をサービスが占めており、製造業のサービス化も進行している。本講義では、科学的アプローチによりサービス・ビジネスを改革・改善するイノベーションについて講義する。
導入編では、サービスを取り巻く状況を概観し、サービスを「ソリューション」の重要な構成要素として位置付けるところから始め、サービスとは何かを定義する。
サービスは広く社会に浸透しているものの、形が無いなどの理由により、その理解が十分とは言えない。分析編では、以上の背景を概観し、サービスの特徴を洗い出し、サービスを分類するための軸を提示する。また、その特徴に起因する課題を述べる。
メカニズム編では、サービス・ビジネスのイノベーションを目指した仕掛けとして、ビジネスモデルと最適化モデルの例を示し、サービスのプロセスを一般化して概観する。
事例編では、国内外の取り組み(事例)を紹介し、今後のイノベーションの方向性を探る。実践/試行されている取り組みをケーススタディとして豊富に紹介することにより、具体的なイメージで理解を深めることを図る。日本と欧州や米国におけるサービスの違いについても紹介するとともに、文化とサービスの関係についても触れる。
最後に、サービス・ビジネスのイノベーションについて今後の方向性を展望してまとめる。
本講義を履修することで次の能力を修得することが期待される。
1)「ソリューション」や「モノ」との関係性の中でサービスを明確に位置付けられる。
2)自分自身が関わるサービスについて複数の角度から客観的に理解・分析できる。
3)さらには、自分自身が関わるサービスについてそのイノベーションに取り組むことができる。
サービス、ソリューション、イノベーション、ビジネスモデル、最適化、プロセス
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義およびディスカッション、さらにグループワークを行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | <導入編>ソリューションの中にサービスを位置付ける | 自分の会社/組織が提供しているソリューションは何か? |
第2回 | <導入編>サービスの定義 | 自分の会社/組織が提供しているソリューションは何か? |
第3回 | <導入編>サービスへのシフトとサービス・イノベーション | なぜ世の中でサービス化が進行しているのか? |
第4回 | <分析編>サービスの特徴を読み解く | 自分の会社/組織が提供しているサービスを講義で説明した属性で説明する |
第5回 | <分析編>サービスを分類する | 自分の会社/組織が提供しているサービスを講義で説明した属性で説明する |
第6回 | <分析編>サービス・コンピューティング | 自分の会社/組織が提供しているサービスを講義で説明した属性で説明する |
第7回 | <分析編>サービスの課題 | 自分の会社/組織が提供しているサービスの課題は? |
第8回 | <メカニズム編>サービスのビジネスモデル | 自分の会社/組織が提供しているサービスの課題は? |
第9回 | <メカニズム編>サービスの最適化モデル | 自分の会社/組織が提供しているサービスの課題は? |
第10回 | <メカニズム編>サービスの一般化プロセス | 自分の会社/組織が提供しているサービスのプロセスは? |
第11回 | <事例編>国内の事例 | 自分の会社/組織が提供しているサービスのプロセスは? |
第12回 | <事例編>欧州の事例 | 自分の会社/組織が提供しているサービスのプロセスは? |
第13回 | <事例編>米国の事例 | 自分の会社/組織が提供しているサービスのプロセスは? |
第14回 | <事例編>文化とサービスの関係 | 自分の会社/組織が提供しているサービスは輸出できるか? |
第15回 | 今後の方向性とまとめ | 学んだことを説明できるか? |
教科書は指定しないが、事前に講義資料を配布する。
近藤隆雄「サービスマネジメント入門~ものづくりから価値づくりの視点へ」, 生産性出版, 2007
Paul P. Maglio, Cheryl A. Kieliszewski, and James C. Spohrer “Handbook of Service Science (Service Science: Research and Innovations in the Service Economy)”, Springer, 2010
最終レポート(80%)とグループ討議の発表(20%)を合わせて評価する。
履修の条件は特に設けない。