社会・人間科学コースには,大きく分けて5つの分野が存在する。所属学生は,単に特定分野を選んで専門科目の学修を深めるだけでなく,人文・社会・理工の知と方法を統合し,科学技術社会の問題解決に貢献できるリーダーとなることを目指して欲しい。
そこで,本授業は、各学生が人文学・社会科学・理工学について幅広く学修した成果を持ち寄り、自分が興味を持って取り組もうとする課題に対して,それらの専門知識,方法論,問題の捉え方,解決へのアプローチなどをどのように統合し活用すれば,従来の解決方法を超えたより良い問題解決が可能になるかを考察する機会を提供し,そこで得られた知見を修士論文研究に活用し,実践する準備を進めるよう支援する。
同時に、多分野のメンバーがチームを組み、互いの経験や知識を持ち寄りながら,相互理解や共同学習を進め,協働して問題解決する力も育成する。そのために,ワークショップ、演習、および、プレゼンテーション等の活動を行う。
(1)想定している修士論文研究テーマに対して、特定の研究分野だけでなく,社会・人間科学の多分野の知見を取り入れることの利点や,その具体的方法を発想し例示できる。
(2)社会・人間科学コースに入学し,コース内のあるいは理工学を含めた多分野の知見を学んで自己の資質・能力を高めることの利点を認識し,そのために身につけるべき学修法やメタ認知能力を実践的に修得する。
(3)多分野を学ぶこと,研究方法として統合することについて,他者と利点を共有し,協働して実践できる。
多分野、分析方法、統合方法、洞察能力、省察能力、翻訳能力、ブリッジ能力
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
授業は、ガイダンス2時限(100分)、ワークショップと報告会3時限(150分)×4回を集中講義として行う。ガイダンスと事例紹介に基づく討論は奇数クォータの冒頭に行い、その後、各クォータ末頃に多分野の学修成果の統合を図るWSを行って、学期末に報告会を行う。ポートフォリオは、この授業専用のものと学修ポートフォリオを併用する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス:後期の履修計画を立て、シラバス等から自分の研究や資質・向上に役立てる視点を考える。(10/2に2時限分) | ポートフォリオへの記述 学修計画書の提出 |
第2回 | 事例紹介に基づく討論:多分野の成果を取り入れるとは?(10/23に3時限分) | ポートフォリオへの記述 |
第3回 | 3Qをふり返る:新たな視点を見つけ、どう取り入れられる可能性があるかを考え、討論を通じてヒントを得る。(11/27に3時限分) | ポートフォリオへの記述 |
第4回 | 4Qを協働してふり返る:報告会に向けた仮報告書を作成するにあたり,検討の観点を明らかにする。(1/15に3時限分) | ポートフォリオへの記述,仮報告書の作成と発表準備 |
第5回 | 報告会:計画と学修成果を比較し,より良い学びと研究を実践する工夫や改善すべき点,修士論文への取り組み方を考える。(1/29に3時限分) | ポートフォリオへの記述,指摘事項をふまえた最終報告書の提出 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
なし
必要なものはその都度情報提供する。
配点は、授業中の課題(60%)、最終レポート(40%)を想定している。欠席が1回を超えた者、最終報告会を欠席した者は単位を取得できない。
基本的には入学年度に履修することを原則とする。また,上記関連科目の中から6単位以上を同じ学期に履修すること。
yamane[at]ila.titech.ac.jp
メールで事前予約すること
2023年度入学の学生が対象となるが,2020年度から2022年度の期間に入学して,この科目を未履修の学生についても,今年度に履修することを強く推奨する。