2023年度 政治・法律・行政分野方法論F1   Graduate Methodologies in Politics, Law and Administration F1

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開講元
社会・人間科学コース
担当教員名
渡邉 暁  中島 岳志 
授業形態
講義    (ブレンド型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-4(W3-207(W323))  
クラス
-
科目コード
SHS.P462
単位数
2
開講年度
2023年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2023年4月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

この授業は渡辺・中島の両教員が担当します。1・2限目は渡辺が担当し、3・4限目は中島が担当する予定です。

【渡辺担当部分】この授業は「フィールドワーク」と「生活と研究」の二つをテーマにして進めていきたいと思います。

2019年からの新型コロナウィルスの流行により、私たちの生活、そして研究のあり方は一変しました。私はメキシコをフィールドとしていますが、2000年の1月1日未明の飛行機で日本に帰ってきて以来、10数年ぶりに全くメキシコに行かない時間を過ごしてきました。また、東工大に2020年の4月に着任しましたが、引き続き前任校がある山梨に住んでいます。キャンパスには2022年度の後学期から週に数回通うようになりましたが、それまではほとんど行かず、自宅で子育てをしながらオンラインで授業をしておりました。着任して3年がたちますが、2023年度は主たる担当科目のスペイン語で新教科書が導入されるなど、引き続き様々な変化が予想されます。メキシコにも夏頃に数年ぶりに行けるのではないか、という期待も少ししています。こうした自身の状況をふまえ、初めて中島先生と合同で授業を担当した2022年度に引き続き、2023年度の大学院の授業では、私がこれまでやってきたフィールドワークという営みについて、そして、研究と生活を結びつけるとは何か、について、考えていきたいと思います。手探りの授業になると思いますが、どうぞよろしくお願い致します。

【中島担当部分】私は90年代から2000年代にかけて、合計3年間、インドでフィールドワークをしてきました。対象はRSS(民族奉仕団)という団体で、「ヒンドゥー・ナショナリズム」「ヒンドゥー原理主義」と言われる政治・文化・宗教運動を牽引しています。現在のインドは、RSSが下部組織として下支えするBJP(インド人民党)が政権与党を担っており、首相のナーレンドラ・モーディーもRSSと深いかかわりのある人物です。私はなぜ経済成長が著しい現代インドで、宗教右派の政治運動が拡大するかを調査し、研究してきました。この授業では、私自身のインドでのフィールドワーク体験を踏まえ、文化人類学・政治学・現代思想が探求してきた主体論や他者表象の問題を、理論と実践の両面からお話ししたいと思います。 

到達目標

【渡辺・中島】フィールドワークという研究手法について、その基本的特徴・技法を理解し、聞き取りを研究データとして活用できるようになる。また、生活と研究について考えながら、研究を進める準備をしていただくこと。

キーワード

【渡辺】フィールドワーク・生活と研究・メキシコ

【中島】日常的実践、エージェンシー、抵抗、まなざし、サバルタン、オリエンタリズム

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

まず、この授業は第3クオーターの月曜1ー2限+3ー4限に行いますので、注意してください。

【渡辺】フィールドワークについて、主として講師のこれまでの研究活動を紹介する形で解説をしていくとともに、「生活と研究」について、皆さんの研究についてもを発表してもらいながら、クラスのメンバー全員で考えていきます。

【中島】基本的に教員(中島)がレクチャーを行い、そのあと参加者でディスカッションを行います。レジュメ(もしくはスライド資料)を準備し、事前にお送りします。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 授業オリエンテーション 授業のやり方を理解する
第2回 クラスメンバーの自己紹介 クラスのメンバーの興味関心を理解する
第3回 フィールドワークそして「生活と研究」(1) この授業のテーマである、フィールドワークと「生活と研究」について、理解する
第4回 エージェンシー・日常的実践・抵抗 行為主体性について理解する
第5回 フィールドワークそして「生活と研究」(2) この授業のテーマである、フィールドワークと「生活と研究」について、理解する
第6回 まなざしと主体のポリティクス-観光人類学の視点から 他者のまなざしが、いかに文化の変容を促すかについて理解する。
第7回 移民研究とフィールドワーク フィールドワークについて、移民研究の事例とともに学ぶ
第8回 政治と主体-デリーのスラムの事例から フィールドワークの事例を学ぶ
第9回 食文化とフィールドワーク フィールドワークについて、食文化の事例とともに学ぶ
第10回 弱者の表象-サバルタン・スタディーズ サバルタン(抑圧されたもの)の表象について考える
第11回 受講生の皆さんにとっての「研究と教育」 皆さんにとっての「研究と生活」について発表を行う(ただし、「生活」については必ずしも話す必要はない)
第12回 文化・伝統の表象-オリエンタリズム論 エドワード・サイード「オリエンタリズム論」を理解する
第13回 ゲストスピーカーによるフィールドワークの事例 フィールドワークを実践しているゲストをお呼びし、さらに多様な角度からフィールドワークについて考える
第14回 まとめ これまでの授業で学んだことを振り返る

授業時間外学修(予習・復習等)

大学院生として当然の予習復習を行っていただく。

教科書

適宜教材を配布する。講師(渡辺)のresearchmapのページはこちら(授業期間中に論文を参照してもらいます)。
https://researchmap.jp/akira_watanabe

参考書、講義資料等

授業中適宜紹介する

成績評価の基準及び方法

成績は渡辺担当部分(50点)、中島担当部分(50点)の合計100点となります。

【共通の配点】毎回のコメント(30%)と期末レポート(70%)

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履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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