基本的には、教員のこれまでの研究(メキシコ現代政治・民主化、メキシコなど中南米の国々からアメリカ合衆国への移民、地域研究と文学、などなど)を振り返り、また現在行っている研究を紹介しながら、受講生の皆さんに研究とは何か、を考えていただき、今後の研究活動のヒントを得ていただくことを想定しています。
また、第3Qのわたしの担当する授業と重なりますが、もう一つのテーマは、「生活と研究」です。昨年からのコロナウィルスの流行により、私たちの生活、そして研究のあり方は一変しました。私はメキシコをフィールドとしていますが、2020年1月1日未明にメキシコを発った飛行機で日本に帰ってきて以来、10数年ぶりに、1年以上メキシコに行かない時間を過ごしてきました。また、東工大に2020年4月に着任しましたが、引き続き山梨に住んでいます。キャンパスには殆ど行かず、自宅で子育てをしながらオンラインで授業をしております。
この経験から、今年度の大学院の授業では、私がこれまでやってきた研究についてご紹介するとともに、研究と生活を結びつけるとは何か、について、考えていきたいと思います。手探りというかいきあたりばったりの授業になると思いますが、どうぞよろしくお願い致します。
講師のこれまでの研究について、一定の理解をしていただくこと、そして、受講生の皆さんにこのクオーターの授業を通して、修論・博論の執筆への準備を進めてもらうこと。
ラテンアメリカ地域研究・政治・移民・語学とフィールドワーク
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
昨年の授業開始前は、この講師の論文を2から3篇読んできていただき、それについてのディスカッション、それを踏まえて学生の皆さんの簡単な研究紹介、という流れはどうか、と考えていたが、実際にはかなり違うものとなった。場合によっては、毎回の内容を踏まえて次の授業の内容(そして課題)を決める、といった流れになると思うが、ぜひご対応をお願いしたい。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 授業オリエンテーション・参加者自己紹介 | この授業の方針について理解する |
第2回 | メキシコの民主化について | 講師が大学院生時代に行った、メキシコの民主化についての調査に関する論文を読み、方法論を理解する。 |
第3回 | 民主主義について考える | 第2回の議論を受けて、民主化・民主主義とは何かについて、理解を深める |
第4回 | メキシコからアメリカ合衆国への移民について | 講師が民主化論の後にテーマとして取り組んだ、移民に関する論文を読み、二つのテーマの連関を理解する。 |
第5回 | 移民について考える | 第4回の議論を受けて、移民とは何かについて、理解を深める |
第6回 | 地域研究と文学 | 講師が研究者として行き詰まっていたときに書いた、文学についての論文を読み、専門性とは何かを考える |
第7回 | 研究とは何かを考える | これまでの授業を踏まえ、皆さん一人一人から、研究とは何かについてお話をしていただきます。 |
授業で指定された論文を読み、簡単な「メモ」を書いて授業に臨むこと。それ以外にも、授業中に課題を指定する。
なし
https://researchmap.jp/akira_watanabe
より、適宜ダウンロードすること。
出席(70%)/レポート(30%)
特になし
私自身も皆さんとの授業を通して、いろいろと勉強させていただこうと思っています。どうぞよろしくお願い致します。