本講義の主題は「オートマトンと言語理論」である。オートマトンと言語理論の基本概念と応用を、ディスカッション、グループワーク、講義、演習を通じて取り扱う。具体的には、「オートマトン」、「チューリング機械」、「形式文法」、「形式言語」、「言語の階層構造」の定義、例、分析方法を与えることでオートマトンと形式言語を数理的に記述し分析する能力を涵養する。
扱いたい対象の記述や分析のために適切なオートマトンや形式言語を選択する能力、対象をオートマトンや形式言語として表現する能力、オートマトンや形式言語を分析する能力、オートマトンや形式言語の分析の結果を簡潔に他者に伝える能力を涵養することが本講義のねらいである。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) オートマトンや形式言語で記述された対象の例を用いて、そこで使われているオートマトンや形式言語の定義を述べることができる。
2) オートマトンや形式言語で記述された対象の例を分析して、その結果を他者に伝えることができる。
3) 扱いたい対象を適切なオートマトンや形式言語を用いて記述することができる。
4) オートマトンや形式言語で表現された対象を分析し、その結果を他者に伝えることができる。
オートマトン、チューリング機械、形式文法、形式言語、言語の階層構造
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
1つの枠組みにつき1回の授業を使う。
その枠組みで記述できる対象の例について、受講生が、はじめは1人で、次に他の受講生とペアで、さらに4人のグループで、最後に受講生全体で検討する。その後、取り上げた枠組みについての講義と演習を行う。授業の最後に、個人の考察や他の受講生の考え、講義、演習を通じて学んだことを、受講生それぞれが「サマリー・レポート」に書いて提出する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | オートマトンとは、言語とは、形式文法とは | オートマトン、言語、形式言語の定義を述べよ。 |
第2回 | 有限オートマトン | 有限オートマトンの定義を述べよ。 |
第3回 | プッシュダウンオートマトン | プッシュダウンオートマトンの定義を述べよ。 |
第4回 | チューリング機械 | チューリング機械の定義を述べよ。 |
第5回 | 形式文法 | 形式文法の定義を述べよ。 |
第6回 | 形式言語 | 形式言語の定義を述べよ。 |
第7回 | オートマトンと形式言語の関係 | オートマトンと形式言語の関係を述べよ。 |
第8回 | 言語の階層構造 | 言語の階層構造の定義を述べよ。 |
米田政明(監)、米田政明(著)、広瀬貞樹(著)、大里延康(著)、大川知(著)、「オートマトン・言語理論の基礎」、近大科学社、2003年(ISBN 978-4-7649-0297-8)
講義資料はOCW-iか授業中の配布により与える。
成績評価は、毎回の授業で提出する「サマリー・レポート」(合計50%)と期末試験(50%)に基づいて行う。
「社会・人間科学多分野分析統合演習S1A(論理と集合の基礎)」と「社会・人間科学多分野分析統合演習S1B(距離・収束・連続の基礎)」を履修済みであること、または、同等の知識があることが望ましい。
猪原健弘(いのはらたけひろ)、inostaff[at]shs.ens.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。担当教員の居室は西9号館8階813号室。
当講義は理学の内容からなる。