この授業では諸文化における音楽づくりや聴覚者側の反応の課題に取り組みます。「聴くこと」、音楽を通した多文化的な経験、音楽と感覚・感情などをテーマとした優秀な研究家による論文を読みながら、ケーススタディとなるそれらのテーマに関する音楽を聞きます。この授業ではリスニングが重要な役割を持ちます。音楽そのものの要素(歌における歌詞を含む)が音楽家にとってそれらのテーマと直結していることを検証します。
本講義は、次のような知識や能力を身につけることを目指す。・音楽による異文化間の経験を分析的に理解・説明するための基本概念や単語・音楽と政治との関わり(特に歌の例)・音楽による「場」とアイデンティティ(特に日本の場合)
文化論、民族音楽学、異文化経験
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
(1). 授業の前に指定された文章を読み、音楽教材の抜粋を聞く。毎週履修する人数により1人か2人は質問あるいは討論課題を担当します。
(2)各授業においては指定された章の感想についてディスカッションを行います。質問や討論課題には、全員積極的に参加することを期待されます。
(3)第7-8週には教員が承認したテーマについて短い個人プレゼンテーションを行います。(プレゼンテーションに基づいたペーパー/小論文を授業後1週間以内に提出することとなります。)
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | イントロダクション | シラバスの紹介と解説。音楽に関する興味や経験についてのディスカッション。「聴くこと」とは何か。 |
第2回 | 音楽を通じての異文化経験 | ケース/スタディ−1:オーストラリアの原住民の音楽。 |
第3回 | 音楽を通じての異文化経験 | ケース/スタディ−2:和太鼓。 |
第4回 | 音楽と場所(ロケーション)-音楽を通じた、場(所)における空間と感覚の変化。 | ケース/スタディ−:東京のモールにおける音楽、Missisippi hill countryブルーズ、北アイルランドのフィドラーたち、津軽民謡など。 |
第5回 | 講読2:感情と音楽-人類学的な観点 | 文化に基づいている「感情」の課題、そして音楽に対する感情的反応についての様々な理解 |
第6回 | 音楽と権威(音楽の為に生きること、ともすれば死ぬこと) | 抵抗の歌、禁忌の歌、秘められた歌 |
第7回 | プレゼンテーションI | 勉強してきた音楽研究による概念や方法についての理解を示すこと。 |
授業の前に指定された文章を読み、音楽教材の抜粋を聞く。第7-8週には教員が承認したテーマについて短い個人プレゼンテーションを行います。(プレゼンテーションに基づいたペーパー/小論文を授業後1週間以内に提出することとなります。)
特になし
授業中に適宜紹介する。
授業への参加度30%、プレゼンテーション30%、レポート40%
音楽学や音楽理論に関する高いレベルの知識や経験は必要ありません(このことについて質問があれば授業開始より前にe-mailにてお知らせください)。必須事項は、音楽をじっくり聞き、音楽を深く理解したいという願望を持ち、なぜ人間が音楽無しでは生きられないのか知りたいと希望すること、また、音楽について理論的に考察し、話し、描くことができるようになることが目的です。また、英語で読み書きできることも必須です。